カテゴリー: Movie

  • 映画けいおん!公式ホームページ|TBSテレビ

    全国のTOHOシネマズで映画「けいおん!」の深夜上映するぞー|オタク.com

    けいおん!の映画を見てきた。最寄りの映画館であるところのTOHOシネマズ府中で、公開日(本日)の0時45分から上映するということで、時間的な都合によりこの上映回を見る事にした。予約ページを見たら結構余裕があったため、その場の勢いでチケットを取ってしまった…というか。

    感想としては、まぁ普通の「けいおん!」的な内容だった。面白いかどうかと言われれば、けいおん!が好きな人は楽しめるんじゃないかと思う。アニメ映画としては、まぁ普通かなぁ…と。
    全体的に、大学合格~卒業の間の日々を描いており、散々宣伝されているロンドン云々については、思ったよりもメインイベントという感じではない印象。最後の結末を描くための過程というか。その、最後の結末は、それなりに感動的な締め方で良かったと思う。
    あと、所々にちょっとした笑い所があり、上映中に思わず笑ってしまうような場面が多かったので楽しかった。

    残念だったのは、けいおん!のノリを2時間やってたため、ちょっと散漫とした印象だったこと。演奏が始まる時も唐突に始まったり、エピソードが唐突に終わったりといった部分が見受けられた。何かこう、これから始まるぞ!という「溜め」が無い…とでも言えば良いのか。最後も「え、こんな終わり方?」と思うようなアッサリ感。悪くはないけど、何かこう、もうちょっと「来るぞ、来るぞ」という高揚感が欲しかったなー、と。

    そんなわけで、個人的にはそれなりに楽しめたけど、ちょっと物足りない映画だった。
    ちなみに、今回はかなり特殊な上映ということで、グッズコーナーに人が溢れてたり、ポップコーン売り場に限定仕様の紙袋を求める長蛇の列が出来ていたり、劇場内でフィギュア撮影してる人がポツポツいたり、上映後に拍手が起こったり、色々と変わった光景が見られたのが、割と面白かった。

  • [ UN-GO ] OFFICIAL SITE

    TV放送中のアニメ「UN-GO」の劇場版、「UN-GO episode:0 因果論」を見に行った。会社帰りに寄れる映画館で上映中だった上に、1時間程度の短時間で終わるものだったので、どんなものかと思って見てみた。
    こんなマイナーアニメ、しかも平日だったので、どうせ映画館はガラガラだろうな思ったら、意外にも結構人が入っていた。

    内容としては、TVシリーズより過去の話。「新十郎」の過去と、「因果」との出会い、そしてどのように敗戦探偵を始めたのか、というエピソードが描かれている。

    すっ飛ばしのトンデモ展開の多いTVシリーズに比べて、劇場版自体はそれほど無理なくストーリーが纏め上げられていたと感じる。最後が何となくマヌケだったので、ああいつものUN-GOだなぁ、と思ったりしたけれど。
    面白かったのは、そのストーリーよりも、TVシリーズ本編と密接にリンクした設定の数々。ストーリーから見えてくる新十郎のキャラクターと、その周辺で起こった事件や人間関係が丹念に描かれているため、とても見応えがある。さらに、TVシリーズの伏線や重要な要素が盛り込まれているので、TVシリーズの魅力を引き立てるような作品に仕上がっていたと感じる。多分、別天王の存在はTVシリーズでこれからキーになると予想されるので、映画の内容が重要になってくるんじゃないかなー、と。

    そんなわけで、この映画は後でも先でもなく、今このタイミングで見ないと、面白さを逃してしまうんじゃないか、と強く感じた。2週間限定公開ってのは、そういう意味があるんだろうな。

    映画の最後にOPを流していたけれど、OPを改めて見ると映画の要素があちこちに散見され、ハッと気付かされる部分が多い。この演出はなかなか心憎いと感じる。気になってEDを改めて見返してみたら、こちらもあれこれ入ってたのね。

  • 映画『とある飛空士への追憶』オフィシャルサイト

    アニメ映画「とある飛空士への追憶」を見てきた。
    飛行機モノといえば、少し前に「スカイ・クロラ」があったけど、そちらは生憎見ていない。
    見てみた結果としては、悪くは無いけど少し物足りないという感想。

    ストーリーの概要としては、とある皇国の艦隊の元に皇子の婚約者であるファナを送り届けるため、ファナを乗せた偵察機単機を敵国の支配する領域を突破させる作戦が立てられる。そのパイロットとして主人公のシャルルが選ばれた…という感じ。どうでもいいけど、Wikipediaにストーリーがラストまで全部書いてあったのはちょっとどうかと思った。

    お姫様と一介のパイロットが二人で敵陣の中を単機で突っ切るというストーリーを聞いて、事前に「こんな話だろうか」という想像を働かせていたら、概ねその通りのエピソードが展開されたのは面食らった。それが多分、物足りない理由。要するに、話が予定調和過ぎて、少し退屈だった。ちなみに、主人公と皇女は過去に面識があったというお決まりの要素まで加わってくる。
    それから、敵とのドッグファイトはそれなりに盛り上がるところだけど、航空機の動きが何か軽くてフワフワした感じなので、イマイチ迫力に欠けてしまっている点も少し残念。
    あと、主役二人の声が微妙に棒。

    ただし、作品としてはきちんと纏まっているので、アニメ映画単体としての出来は決して悪くない。世界観やキャラクターの背景がきちんと作品で描かれていたため、設定・ストーリーの構成に特に不自然さも感じなかったし、作品の流れを自然に追う事ができた。劇場作品だけあって絵も綺麗だし、ラストの締めも綺麗に終わる。
    とにかく、単体のアニメ作品として手堅い作りで、それなりに楽しめる作品ではあったと思う。シャルルとファナの結末はモヤモヤした感じだったけど、特に気にならなかった。というか、視聴者のご想像にお任せしますという、よくある終わり方。

    そんなわけで総合的には、作りとしては手堅く単体で楽しめる作品には仕上がっているけれど、ちょっと物足りなさのある作品、というのが自分の感想です。

    ところで、主人公の名前と飛行機というテーマのせいで、視聴中「シャルルや、もっと低く飛びな」という台詞が頭の中をグルグル巡るのは困った。

  • もうほとんど上映してないと思うけど、「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」を見てきた。1ヶ月ぐらい前に。感想が遅いのはいつもの事。

    大まかな感想としては、色々詰め込みすぎだなぁ…と。もうちょっとこう、兄妹の話なのか、都市の秘密なのか、錬金術の話なのか、紛争問題なのか、もう少し見せたい要素を絞り込んで、メインにしたい話の主軸を大きく見せて、その他はオマケ程度で良かったのでは?と感じた。
    色んな要素を詰め込みすぎたおかげで、視聴中に話に追いつくのに大変難儀した上に、ストーリーの方向性もぼやけてしまって何だかもやもやした消化不良感が残った。「あれ、これで終わっていいんだっけ?」みたいな感じの。あと、ジュリア兄貴だと思ったら実は×××だったというのは伏線や設定の見せ方が少なすぎて、ちょっと唐突だったし、そもそもの設定が強引すぎると思った。
    ただ、さすがに劇場版だけあって、戦闘シーンは安心のクオリティだったので、その点は良かったと思う。要所要所でアクションシーンがあるので、盛り上がりはそこそこ。

    全体的を通してみた感想は、悪くは無いけど脚本が欲張りすぎてイマイチなアニメ映画。どっちかというと、旧作の映画の方が面白かったなぁー、と。
    ところで、なんでエドの目はあんなカラフルな色彩になってるんだろう。そこが凄く気になった。

  • 劇場版「そらのおとしもの」を見てきた。

    有給の平日に見にいったので、どうせ映画館はガラガラだろ…と思ったら、意外と人が多くてビックリ。でも、BASARAとは対照的に、男率が異様に高かった…というか、男しかいなかった(笑)。

    構成は、前半1/3ぐらいが総集編で、後半が本編という感じ。
    ちょっと総集編部分が長かったなー、と思う。風音日和の回想という設定だったけれど、ほぼTV本編を切り貼りしてベタに使い回して、淡々と流れていくだけなので、あんまり目新しさはない。これはナレーション等の挿入でもう少し上手く作れるような気もするんだけどなぁ…とは思った。あと、TV本編のアップコンバート映像なので、全体的にぼんやり画質だった点も残念。

    本編となる後半は、風音日和が新大陸発見部に入部してから、とある事件をきっかけにその正体が判明して、智樹達と対峙する…という流れなんだけど、正体は番宣とかで大体バレバレだから別に隠すように言わなくてもいいのか(笑)。
    意外性はあんまりなくて割とオーソドックスなストーリー展開だったので、個人的にはそれほど印象に残るような話でもなかったな…というのが正直なところ。話自体は悪くないし、日和の喜怒哀楽が色々描写されている点は良いと思うんだけど…。個人的にはもう少し、日和の絶望感を感じるシーンを強く描いてほしかった。終盤のストーリー展開がちょっと忙しいかな…と感じたのも、印象を残りにくくしていると思う。最後の盛り上がり所の戦闘も結構すぐ終わっちゃうしね。戦闘描写自体は良く出来ていると思う。ただ、TVシリーズのカオス戦の方が気合いが乗ってた気がしたのは、果たして気のせいだろうか。
    日常のバカさ加減は相変わらずなので、その点はちょっと安心した。日和に対する智樹の対応が酷すぎて(笑)。

    全体的には、TVシリーズのシリアス分多めの展開なので、そこそこ楽しめる映画だとは思った。ただ、総集編多めの構成だったり、微妙に駆け足な展開だったりするので、ちょっと物足りなさを感じてしまう。もうちょっと頑張ってほしかったな…と。

    ちなみに、見終わった後で原作買ってきた。アニメ自体はそれなりに好きだったので。やっぱりアニメ化されるだけあって、漫画で見ても結構面白いなこれ。

    yfrog Photo : http://yfrog.com/h459xllj Shared by Umisuika

  • 現在上映中の「戦国BASARA」の映画を、2週間前ぐらいに見てきた。

    全体的な感想としては、ファンサービス色の濃い作品だったなー、と思った。というのも、主要キャラ全員を出すために脚本に苦心した様子があちこちに見られたから。そこまでして全キャラ出して、共闘シーンを描きたいのかとか、毛利と長宗我部の扱いは、もう少し何とかならなかったのかとか、色々突っ込みどころはある。
    ただまぁ、ファンサービス映画という点では十分合格だと思ったし、アニメ映画単体としても良く出来ていたと思う。熱いシーンやら迫真のシーンやら、盛り上がり所もきっちり抑えてあり、出来としては満足のいくものだったと思う。
    ただ個人的には、石田三成がひたすら「秀吉様ー!!」と叫んでる映画という印象が一番強かった。あと、上映前の注意事項アニメが面白かったなぁ…と。

    そういえば、映画館の女子率が異常に高くて、映画終わった後にキャーキャー叫んでたのが印象的だった。

  • 鬼神伝 – オフィシャルサイト

    「アニメ映画」というだけの理由で見てきた。
    この作品は、上映劇場はそれなりにあるのにCMをさっぱり見なくて、アニメ好きですら普通に見過ごされるレベルの影の薄さだと思う。自分以外の誰がこの作品を見にいくのだろうか…と言ったらさすがに失礼か。

    学園を襲う突然の異変。俺達が目覚めたそこは見知らぬ戦乱の異世界だった。
    …というIZUMOのガイドラインはさておき、ノリとしては概ねそんな感じのストーリー。主人公が目覚めたら、鬼と戦う戦乱の平安時代で、鬼と戦っていくうちに戦乱の全貌が見えていくという流れの、まー割とよくありそうな話。

    ただ、それだけに掴みの弱い作品だと思った。
    ストーリーは奇をてらっているわけでもない。戦闘シーは劇場アニメとしては普通だけど、それほど凄いというわけでもない。オタクに向けるにしてはキャラデザが受けつけないし、子どもに向けるにしては知名度がなさ過ぎる。

    一言で言うなら「無難な作り」の作品。悪くはないけど、見なくても別に問題ないよね、という感じ。正直、売れる気配がまるで無い。もったいないなぁ、とは思うけど…。
    こういう歴史物なら、数年前にあった「ストレンヂア」の方が断然面白いよなぁ、と思った。

    ストーリー中、唐突に登場する設定があったりして、少し首を傾げたくなるような場面もあったけど、まぁ何とかスルーできるレベル。ただ、もう少し工夫の余地はあったと思う。
    あとは、主人公がもう少ししっかりしたキャラ作りだったら…。軟弱な主人公はもういいです。

    Twitter / @海水瓜: http://twitpic.com/4xvcwn …

  • 劇場版 マクロスF 恋離飛翼~サヨナラノツバサ~

    見たのは多分、1ヶ月以上前の話。
    確か1作目の方も見たはずだけど、正直あんまり覚えてないなぁ。

    TVシリーズから設定やら何やら色々変更されてたのは分かる。TVシリーズよりも無駄な肉が削ぎ落とされて、ストーリーが勢いよく展開していくので、TVシリーズよりも見応えがあったと思う。
    歌に合わせて戦闘が展開していくのはマクロスのお約束とはいえ、やっぱ曲と映像が一体化した演出は非常に見応えがあって良い。クライマックスの戦闘は、それまでのストーリー過程の盛り上がりと合わせて、良く出来ているんじゃないかと。

    最後のエピローグについては賛否両論あるようだけど、個人的にはそれなりにスッキリした終わり方で悪くないんじゃないかと思う。まぁ、全員揃ってハッピーエンドってのが一番良いとは思うけど…。

    個人的には、結構満足感の高い作品だったかな、と思う。

  • 映画『カラフル』公式サイト

    この前放送してたMAG・ネットで原恵一特集をやってたのを見て、ふと調べてみたら最寄りの映画館ことTOHO府中で上映していたので、一昨日見にいった次第。

    一度死んだ「僕」が、「小林真」という中学生としてもう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。そして、小林真として生活が始まるが…という話。

    この作品で個人的に面白いと思ったのは、「小林真」に乗り移った「僕」の視点で、「小林真」の生活を眺め、徐々にその実態が明らかになっていく過程が丁寧に描かれている点。
    特に序盤で、「僕」が行った何気ない行動が一々周囲に違和感を与え、「あれー、キャラ違った?」などと戸惑う様子が良い。それに伴って、「小林真」という人物像がとても暗くて周囲から浮いた存在である事が分かっていくので、これがどう展開していくのか、という興味が湧いてくる。
    それと、「僕」が高校受験についての自分の意志を家族に打ち明ける場面が好きだなぁ。何気なく生活していたと思っていた家族が、実は真を心から思って自分たちの生活を変えていた事実が明かされる。が、実はその前からずっと映像で描かれていると気付かされた時、ちょっとグッときてしまった点は良い。このシーンはとても良いと思います。

    この作品は、設定自体がちょっと暗いのだけど、「僕」自身が一度死んでるためか、小林真の人生を他人事のようにさっぱりと割り切ってしまっているため、全体的な雰囲気はさほど暗くはないと思った。
    終盤がちょっと唐突であるようには思えたけど、「僕」の正体については、物語の途中で推測できるポイントがいくつか出てくるので、さほど違和感は無かったかなぁ…と。

    逆にちょっと残念だったのは、母親の不倫設定やらクラスメイトの援助交際設定が、物語に対してさほど大きな意味を持っていなかった点。小林真にショックを与えて自殺の要因となった設定、以上の存在意義を見出せなかったなぁ。
    最後にひろかが真の絵を絵の具で潰そうとするシーンも、今までの流れをぶった切って唐突に登場するので、意図が掴みかねる。何か重要な場面っぽいのだけど、物語のタイトルにある「カラフル」って言葉を、こんな唐突なシーンで使っちゃっていいの?と逆に不安にすらなる。
    上記2点については、この作品を見てて違和感のあった点。
    あと、声が残念というポイントもあるけど、それはもーどうでもいいです。

    物語はきちんとまとまっていて、感動できる要素も結構散りばめられているので、全体的には良く出てきたと思います。

  • どうしたもんかなぁ…。
    色々やりたいことはあるのに、時間がとれなくてなかなか思うように進まない。とりあえず、一番の原因は仕事が多過ぎること。何とか減らさないといけないんだけど、これまた思うように進まない。
    とりあえず、このサイトをMovable Type5.0にアップデートすることと、3本はしごした映画の感想を書くことが目標です。

  • 一昨日の話だけど、5月3日にアニメ映画を3本はしごした。タイムスケジュールは以下のような感じ。

    いやー、すげー疲れた。以前2本のはしごはやった事あるけど、3本は初めてだ。段々集中力を欠いていくので、あまりやるもんじゃないと思った。…まぁそれ以前に、見たいアニメ映画が同時期に3本重なる事はそうそう無いだろうけど…。

    3本はどれも脚本が割とまともで、それなりに見応えがあったので個人的には大満足。細かい感想は後ほど…。

    ちなみに、この日は映画館のある川崎まで自転車で行ってみた。別に電車代をケチったというわけではなく、ただ単にサイクリングを兼ねて。片道30km程度なので、自分の足で大体2時間あれば行ける距離ではある。
    どんなものかと思ってチャレンジはしてみたけど、結構疲れた…。やっぱり体力落ちてるなぁ。でも、筋肉痛にはならなかったのでまだまだ行けると思った。それよりも、9時40分のTRIGUNに間に合うために朝7時に家を出るのがちょっと辛かった。

    なお、道順については、Windows Mobile端末からGoogleマップを使って適当に。コレがあると全くに迷わなくて済むので助かるなー。見知らぬ土地でも平気平気。コレ使ってもう少し色々行ってみようかなぁ…。

  • 涼宮ハルヒの消失・京アニサイト【トップページ】

    そんなわけで今話題の映画を、火曜日の真っ昼間に見てきた。
    ちなみに、火曜日の早朝7時前ぐらいに海外出張から日本に帰国 → 東京駅に着いたのが10時前頃 → 「よく考えたらどうせこの後会社行かないんだから、平日の空いてる時間に映画見よう」 → 携帯で調べると池袋で11時10分から上映されているらしい → 池袋へ、という流れ。我ながらよく頑張った。

    飛行機の中で3時間ぐらいしか寝てないのでとても眠かったけど、最後まで何とか寝ずに見られた。言い換えれば、それぐらいには面白かったと思う。
    唐突にハルヒのいない世界となり戸惑うキョンの落胆から、必死になってハルヒやSOS団の存在を探していき、徐々に解決の糸口を見出して、世界を元の状態に導いていく流れは、とても丁寧な物語の運びも良かったし、要所要所でキョンが元の世界への繋がりを見出して徐々に盛り上がっていく展開は、爽快感があって見ていて非常に面白かった。
    ストーリー展開以外にも、台詞ではなくオブジェクトやキャラクターの動きで心情をよく表現されていて面白い。入部届としおりの対比は作品の主要なキーポイントだけど、それ以外にも伏線として匂わせる演出が色々と。

    気になったのは、ストーリーが基本的に今までアニメを見てきた人間を対象にしている点かな、と思う。つまり、あの8話連続のエンドレスエイトに耐え抜いた人を対象にしている…と。何というハードルの高さ(笑)。
    あとは、最後のキョンの葛藤が見ていて恥ずかしすぎる点がちょっと苦手だったかなぁ。いやまぁ、キョンがSOS団が好きな自分を認めるというターニングポイントとなる重要なシーンだし、良いシーンだろうとは思うけど、個人的にはどうにも(笑)。
    あとは、長門の行動が唐突すぎる点と、キョンが独り善がりに見えてしまう点も引っかかった。長門の動機については、キョンが延々と語っているけれど、結局それ以上語られることはないわけで、それってただのキョンの思い込みの可能性もあるんじゃね?という気がして…。もう少し伏線的な物が欲しかったところ。もっとも、視聴者にその辺りに疑念を残すことも演出の一つではあるんだろうな、とは思うけど。

    タイムパラドックスは使い古されたネタだろうけど、個人的にはどうしても「ドラえもん」が思い浮かぶ。見ている間、ずっと頭の中を「魔界大冒険」がチラチラよぎってしまった。でも、今考えてもあの作品は良く練ってある作品だと思うなぁ。

    そんなこんなで、今回の映画はなかなかに面白かったです。作画や演出など、全体的に気合いが入ってたし、かなり高いクオリティを保っているし、話としても面白い。こういう面白い映画なら大歓迎だなぁ。

    余談だけど、今時PCに98はねーわと思う。今時の若い人は「ピポッ」なんて音を聞いても懐かしさを喚起されたりはしないだろう。ついでに言うと、「ピョッ」ですらなかった所から察するに、あの98って386~486ぐらいだよね。Windows動かすのは厳しい。Windows1.0やDOSSHELLの世界ですがな。…などという感想を漏らすオヤジ向けを狙った演出なのかもしれない。

    なお、映画の内容にしか興味がないので、特典フィルムは完全にスルー。個人的に、フィルム商法はとても鬼畜な商売だと思います。あんなコピーのフィルムに何故あそこまで価値を見出せるのか、さっぱり理解できません…。

    追記

    ころで、上映前の映画宣伝で流れた「いばらの王」がちょっと気になった。何だか面白そう。一瞬「銀色の髪のアギト」かと思ったのは内緒。
    ああ、「TRIGUN THE MOVIE」は見にいきます。

  • 現在上映中の映画、「劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~」を視聴。
    マクロスFはそれなりに好きだったので、とりあえず見てきた感じ。周辺に上映している映画館が無かったので、立川まで出張った。

    内容としては、TVシリーズの内容を大きく編集して再構成した上で、かなり新規映像が追加されているような感じ。総集編のような、そうでもないような。変わった点で一番印象深かったのは、ランカの歌ってた歌がニンジンの歌ではなく、納豆の歌になっていた辺り(笑)。

    個人的には、ラスト近辺のシェリルとランカが歌いながら、アルトが戦うお決まりの戦闘シーンは、さすがに劇場版だけあって良くできていたなぁ、と思う。音楽の勢いと戦闘シーンの勢いが相まって、かなりの迫力。この辺はさすが劇場版と言ったところ。
    ちょっと展開が早くて、一部にTVシリーズを見た事前提になっている部分があるので、その点はあまり良くなかったような。
    ただ、総集編のつもりで見にいったので、映画自体の出来には割と満足。欲を言えば、2部構成じゃなくて1回でまとめて欲しかった…。

    最近、やたらと映画化の動きが盛んだけれど、これはTVアニメの違法ダウンロードが無視できないレベルになったことや、「エヴァンゲリオン」の大ヒットヒット、「空の境界」のような小規模上映がそれなりに成功していること、等が要因としてあるものと予測。
    宇宙ショーへようこそのようなオリジナル企画モノが出てきたり、こういった流れ自体は別に構わないと思うのだけど、映画制作にリソースを大幅に喰われているせいか、来期のTVアニメ本数が一気に縮小してしまうのはどうしたものか。まぁ、それだけが要因ではないのかもしれないけれど、一気に減少した要因の一端ではあるはず。
    あと、映画って見ながら実況したりできないので、その点がネックといえばネック。映画館で実況できるシステムとかあればいいのに…と最近思う。「ニコニコ実況」のように、実況の面白さがようやく(狭い世界ながらも)一般に広まってきた感じはあるので、次は映画で実況できるシステムを是非。

  • 劇場版「テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~」公式サイト

    今公開中の映画、「テイルズ オブ ヴェスペリア」の映画を見た。
    ちなみに、ゲーム自体は全くやったことないし、これからやる予定もないです。「テイルズ」シリーズ自体、一度もプレイしたことないです。
    映画を見にいったのは、まー何となく。近場で上映してたし。あと、妙にこの映画に行きたがっていた会社の後輩がいたから、一緒に行くかという話になったから。

    映画の内容は割と普通でした。主人公と思しき二人の初陣~地方任務の内容を描いている。ゲームを全く知らなくても、普通に見られた。いやね、個人的にはゲームやってない初見組完全置いてきぼりな内容を期待…想定してたのだけど、キャラクターの背景やら世界設定やらきちんと見せていたし、ストーリーもきちんと完結していて、割と真っ当な作りでした。多分、ラストの数年後辺りがそのままゲームに繋がるんだろうなー。

    でも、内容自体はあまり盛り上がり所や見所がなく、今ひとつ物足りない。もっとこう、壮大なラスボスを倒す派手な展開でもあるのかと思ったら小物を倒してあっけなく終わってしまった…。
    それから、作品の内容が常にいつ敵に襲われるとも知れない状況にあるので、かなり陰鬱とした雰囲気が漂っていて、実際かなり人が死ぬので、見ていて割と気が滅入る。
    そんなわけで、イマイチ見た後に晴々とした気分にはなれない。

    ただまぁ、劇場作品だけあって作画は良いし、内容もも丁寧に描いてあるし、ファン向け作品と考えると出来はかなり良いと思う。多分、ゲームをプレイした人が見ればもっと楽しめるのではなかろうか、と思う。多分。
    ただ、自分はもっとこう、一見さんお断りのゲーム見てないと何が何やらさっぱり分からない内容なんだろうなーと思いながら行ったところ、意外と予備知識無く見られた真っ当な作りだったので、少々拍子抜けしてしまった、というのが正直な感想。

  • 映画「サマーウォーズ」公式サイト

    8月1日に公開されたアニメ映画「サマーウォーズ」を見てきた。「時をかける少女」は結構楽しかっただけに、それと同じ細田監督という事でそれなりに期待していた作品。
    今回は何と、最寄りの映画館の府中で上映してくれたので有り難い。「時かけ」の時は新宿まで出張ったからなぁ…。

    全体を通して見た感想は、話の流れが分かりやすく、盛り上がり所や見せ場も盛り沢山で、結構楽しかった。ストーリー自体は結構壮大な展開になっているけれど、合間合間に入ってくるキャラクターのコメディや、OZの表現する世界観があまりそれを感じさせないため、どっちかと言えば肩の力を抜いて楽しめる作品に仕上がっていた。

    ただ、個人的にはちょっと気になる点が多かったかなぁ。
    一番気になったのは、この作品がテーマとする「家族」と、物語の主軸になっているOZの世界との間に、あまり深い関連性が見出せなかった事。つまり、OZの世界で起こった問題に対して、陣内家が総出で立ち向かうための動機やきっかけが弱い。特定の登場人物以外は特にOZの世界を深く関わっている様子が無かったので、突然家族全員のアバターを登場させても…というのもある。
    戦ってばかりいたラブマシーンが唐突に花札で戦うのもちょっと面食らってしまったなぁ。
    あと理系人間としては、暗号を解く描写や電子世界の表現が魔法めいてファンタジックに描かれていたので違和感が(笑)。

    しかし、終盤の勢いは結構凄かった。そういった色々と気になる点を押し切ってしまうぐらいの勢いがある。終盤の展開は色々と唐突さこそあったものの、盛り上がり所としては非常に良くできていたと思う。

    今回の作品は、「時かけ」に比べて対象年齢が若干低めに設定されているように感じた。まぁ、元々子供向けアニメ作品を多数手がけてきた監督である事を考えれば、これが作り手としての持ち味なのかな…と。
    余談だけど、何でキャラクターの声に全然声優使わないんだろうなぁ。棒読みな声が多くてどうにも…。

  • ここ1週間ぐらい、胸の辺りに物が詰まる感じがあり、その影響が体調が優れず、ここのところ帰ってから横になってる日々が続いている。近場の内科に行ったら内視鏡検査できる病院に行けとか言われた。時間を見つけて行かないと…。放っておいても全然治る気配が無いので、色々心配。

    それはさておき、今日府中の映画館に行って「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見てきた。ちなみに、「序」は2年前に劇場で見ている。この前のTV放送も見たし、復習は完璧。TVシリーズはしばらく前にBS11の再放送で見たから問題ない。

    今回はTVシリーズと全然違うという話を聞いていたのでどんなものかと思ってみていたけど、大筋の部分はTVシリーズを踏襲してるのね。作画は一新してたので同じ場面でも大分違ってたけど。
    個人的に今回一番面白かったと思うのは、宇宙から降ってくる使徒(TVシリーズでいうところのサハクィエル)を受け止める場面かなぁ、と。凄まじく高速で疾走するエヴァとか、ミサトの指示でエヴァの走る経路が作られていく様子とか、視覚的な面で一番面白かった。
    次に面白かったのは、やはり最後に登場する使徒(所謂ゼルエル)とのドンパチ。綾波が零号機ごと食われたりとかTVシリーズに比べてショッキングなシーンが多かった事と、本部まで乗り込まれた絶望的な状況から、初号機が一気に押し返すシーンはなかなか見物。それから、最後のシーンでエヴァが暴走ではなくシンジの強い意志による覚醒という形になっていた点は面白かった。シンジが何だか熱血アニメの主人公みたいな事になってるのは、TVシリーズとギャップがあってちょっと違和感が(笑)。まー、アニメとしては盛り上がるからいいけれど。

    それにしても、新キャラの存在は結局何だかよく分からなかったなぁ。要所要所で出てきて何も説明せずに突っ込むだけなので、謎のまま終わってしまった。もうちょっとこう、主人公達との絡みがあっても良かったと思うのだけど。
    あと残念だった点は、シンジとアスカのシンクロが無かった点かなぁ…(笑)。

    全体的には、大変面白いアニメ映画だったと思う。謎が多くて取っつきにくいという点はあるけれど、それを差し引いてもメカアクションの派手さと、キャラクターの掛け合いのテンポの良さ、緩急のあるストーリー展開など、見所満載でアニメ映画としては大満足。
    パチンコマネーで捻り出したふんだんな予算を注ぎ込んで、一線の実力者のアニメーター達が全力でロボアニメ作ると、こうも凄い作品になるんだなぁ…と思った。
    何年先になるのかは知らないけれど、「急」も大いに期待。

  • 最近家にいても無気力な状態が続いて、間が空いてしまった…。
    会社が連休に入ったので、そんな気分を吹っ切るために現在劇場公開中の「天元突破グレンラガン 螺巌篇」を見てきた。今日は5月1日の映画の日という事で、1000円で入れるしね。

    近場では上映されていないので、吉祥寺バウスシアターまで。初めて行ったこの劇場、スクリーンがかなり小さくて少々ガッカリ…。
    ちなみに、この日は平日だというのに満席。映画の日+連休突入が多かったという事かな。

    映画の「紅蓮篇」を見てないし、TV放送以来久々に見る「グレンラガン」なので、色々設定とか忘れてないだろうかと不安だったけど、見ているうちに色々思い出してきたので安心した。
    内容は総集編という事だけど、かなり大幅にカットが追加されており、結構新鮮な気分で見る事ができたかな、と。

    一番良かったのは、はやりラストのアンチ=スパイラル戦。TVシリーズのラストも最近のアニメの中でも飛び抜けて相当気合いの入った最終回だと思ったけれど、劇場版はそれに輪をかけて凄まじい。あまりに気合いが入りすぎてスクリーンの中で何やってんのかさっぱり分からん場面が多かったのは玉にきずだけど(笑)。あと、この最終決戦はTVシリーズからかなり改変が加えられて尺が長くなっているので、上映時間の終盤1/4ぐらいずっと戦ってたような気がする。
    このアニメ、とにかく「デカい方が強い」という基本法則があるので、パワーアップする度にロボが巨大化し、最終的に凄まじくデカくなるのは笑ってしまう(笑)。劇場版ではTVシリーズよりもさらにデカくなります(笑)。
    しかし、その戦闘シーンは全体に渡ってとにかく熱かった。いやー、これだけの物を劇場で見れたのは本当に良かったなー、と思う。

    内容の改変は最終決戦以外も結構多く、あのキャラが死ななかったり、あのキャラの死に様が全然違っていたり、新エピソードが追加されていたり、台詞がかなり改変されていたり、とにかく色々。
    そのおかげか、1クール分の話を劇場の尺に収めたにしては、結構無理なく話が展開されていたように思う。(もちろん、TVシリーズ見ていた事前提ではあるけれど)。

    そんなこんなで久々に映画を見たけれど、本作は結構楽しめた作品だったと思います。映画館を見たときに「いいものを見た!」と思えた映画は久しぶりだなぁ。

    そういえば、今年は色々アニメ映画があるのでどれを見ようか思案中。

    たぶん見る。

    たぶん見ない。

    あと2010年に「機動戦士ガンダム00」の劇場があるけれど、これも別にいいかな…と。あと何か劇場アニメあったっけか。

  • 劇場版アクエリオン

    先週、「ストレンヂア」と一緒に見てきた分
    驚いたことに、ストレンヂアの時は20人ぐらいだったのに対し、こちらはそれに+10人ぐらいだった。同じ日、同じ映画館、同じスクリーン、同様の時間帯だったにも関わらず。
    やはり、”オリジナルアニメ映画 < TVアニメ放映済アニメ映画 < 原作漫画持ちTVアニメ放映済アニメ映画"なんだろうか。そりゃまぁ、1000~2000円ぐらいの金を払って面白いかどうかも良く分からないアニメ映画なんて見に行く人なんて、そんなに多くはないのは当たり前か。自分みたいに、駄作上等ぐらいのつもりで行く人なんてそうそういるわけがない。 でもね、「ストレンヂア」面白いよ? それはさておき「アクエリオン」。TVアニメを見た時はなんて馬鹿なロボットアニメなんだろうと思ってたけど、その物凄い馬鹿センスに脱帽してしまったため、今でも割と好きな作品です。一番印象的なのは「無限拳」。ロケットパンチではなく、パンチが無限に伸びるそのあまりといえばあまりの発想に、ちょっと驚かされてしまった(笑)。その時の演出が良かったというのもあるんだけど。 劇場版は2部構成になっていて、最初の30分ぐらいの短いエピソードは、TVシリーズと同様のストーリーが展開される「壱発逆転篇」で、もう一つは、TVシリーズとパラレルワールドの世界で展開されるシリアスな「創星神話篇」。 個人的には、やはり「壱発逆転篇」の方がアクエリオンらしくて好きだった。アクエリオンが歌ってるし(笑)。どこまでもアホな展開が面白い。でも、みんなで歌っているシーンは見ていてちょっと恥ずかしかった。アポロが「1万年と2千年前から愛している~♪」とか歌ってるのを見るのはちょっと(笑)。 あと、「気持ちいい…」の喘ぎが男3人の合体の時に出したのは何のつもりだコンチクショウ(笑)。 「創星神話篇」の方は、予備知識無しで行ったものだから最初何の話なのかがよく分からずに戸惑ってしまった。いきなりシリウスが死ぬし、麗花がセリアンの生まれ変わりとか言われてるし。「壱発逆転篇」みたいな馬鹿な話を期待していただけに、この辺でかなり面食らってしまった。 ただし内容はそれなりによくまとまっていて、アポロとの出会いや、転生前の過去が明かされていく中で、徐々に深まっていく疑心暗鬼と、互いの人間関係のすれ違い、最後の結束にむかう展開など、単体のストーリーとして結構面白かったと思う。 まぁそんな感じで、TVシリーズを楽しめたのであれば、それなりに楽しめる内容なのではないかな、と思う。ただし、「創星神話篇」はあらかじめパラレルワールドである事を前提知識として持っていた方が良い。 余談だけど、個人的にこの作品の主題歌「創聖のアクエリオン」はアニメソングの中でもかなり好きな曲。インパクトのある歌詞とか、曲のメロディーとか、サビの盛り上がりとか、色々な要素が非常に心に響く。1万年と2千年前から愛してるー♪ この曲は、深夜のマイナーアニメの主題歌だけに一般的な知名度は無いけれど、最近パチンコ化によって、この曲を使ったCMが物凄い回数が流れている。…未だかつてこれだけCMが打たれたパチンコなんて知らないんだけど、一体「アクエリオン」のどこにそれだけの売り込む要素があるのやら。 そんな事もあってか、最近少しこの曲が売れてきているらしい(参考:アクエリオンCM:謎の美少女が「あなたと合体したい」 テーマ曲は「iTunes」1位に(まんたんウェブ) – 毎日jp(毎日新聞))。
    なんか経緯が経緯だけに、個人的にはちょっと複雑な感じもする。

    まぁ結局の所、今回の劇場版はパチンコの宣伝を兼ねた物でもあるんだろうけどね。パチンコ企業の豊富な資金力を使ったアニメ展開…これは一種のメディアミックスと捉えた方がいいのかもなぁ。
    近年、パチンコ業界はアニメキャラを使った新しい台をよく出している様子。少し前に、「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」のスロットとか、良く分からん物もあった。
    今まであったパチンコ関連のアニメといえば「パチスロ貴族銀」や「吉宗」といったものがあったけど、今後はパチンコの側がアニメキャラ利用していくという感じになるのかな。アニメ製作側はパチンコ業界のバックアップとキャラクター二次利用による収益、パチンコ業界はアニメ好きの顧客層呼び込み、という目的で。

    でも個人的に、パチンコ化は何だか昔のアイドルがヌード写真集を出したような、なんかそんな感じの落ち目を感じさせるので、あんまり好ましいとは思ってない。コンテンツ利用の終着駅のような、何かそんな感じ。
    パチンコに偏見があるのは確かだけど、やっぱりギャンブルが絡んでくるとね…。ちなみに自分は、パチンコやったことないし、ギャンブルの類も好きではないです。
    でも客観的に考えて、

    原作漫画

    CDドラマ化決定

    アニメ化決定

    OVA化決定

    映画化決定

    パチンコ化決定

    こんな感じの流れを好ましいと思う人が、果たしてどれだけいるだろうか。
    そりゃまぁ、パチンコ好きな人はたくさんいるだろうけど…。

  • 映画『ストレンヂア』公式サイト

    10月7日はアニメ映画を2本連続で見てきた。「ストレンヂア 無皇刃譚」と「劇場版アクエリオン」。ワーナー・マイカル・シネマズ板橋という所で、2作品が丁度連続した時間で上映されていたもので。…というか、2作品とも同じスクリーンで上映されていたという話なんだけど。

    先に見たのは「ストレンヂア」なので、感想もこちらが先。
    この「ストレンヂア」は、最近CMでよく目にするので結構気になっていた。オリジナルアニメ映画はとりあえず見たいという姿勢なので、前評判を一切見ず・聞かずの状態で見に行った。
    結論から言えば、見に行って大正解。非常に面白かった。

    内容は、とある集団に追われている子供・仔太郎と、偶然出会った武士・名無しの話。
    ストーリー自体はかなりセオリーに基づいた作りになっていて、悪く言えば陳腐、良く言えば手堅くまとまっている。しかし、この手堅い作りは2時間という尺の中で描く上では正解だと思う。仔太郎と名無しの関係や、互いの過去、周囲の人物やその環境などが違和感なく作品で描かれていたし、ストーリーの流れにも大きな破綻が見られず、非常にすんなり作品を受け入れる事ができた。特に、話の中心であり作品のテーマでもある仔太郎と名無しの関係については、この二人を重点に描いていることで、2時間という尺の中でも互いの絆が非常に強く感じられた。
    細かい話をすると、仔太郎がとある事情で名無しに当たり散らす場面で、納屋の外で飯を食おうとする名無しに仔太郎が初めて謝った時、名無しがその場に腰を下ろして飯を食べようとする、というシーンがある。これは二人の関係が近付いた事がよく伝わってくるシーンだけど、こうしてキャラクターの心情を形として描く場面は作中にいくつか見受けられた。こういう細かい表現が、上手く人間関係を描き出していたのかな、と思う。
    ただ、ストーリーに全く問題がないかと言われるとそうでもなく、「不老不死」設定の突飛さは少々設定として飛躍した感じはあった。また、名無しと羅狼は「偶然出会って、気まぐれで剣を交えた間柄」でしか無く、二人の関係に全く情念的な背景が無いため、最終決戦が宿命の対決という程盛り上がらなかったのも少々残念。

    しかしこの作品のキモはそのストーリーよりも、全編を通して描かれた超絶的な作画にあると思う。
    これを制作したBONESは、自分の中で「キレがあって見栄えのする動きを描かせたらピカイチ」という評価。とにかく、キレがあって見ていて「カッコいい」と思わせるようなダイナミックなアニメーションが光る。最近でいえば「Darker Than Black」とか。
    この「ストレンヂア」では、まさにその見栄えのする動きが劇場ならではの作画で描かれる。しかも、映画全部を通して何度も何度も。アニメはドラマと違って全ての映像を人間の手で作らなくてはいけないけど、逆に言えばセンスと技量次第でどんな映像でも作り出すことができる。いかに現実離れしていようとも。この作品は正にそれをやってくれている。この作品で何度も登場する剣戟のシーンでは現実にはあり得ないような動きだけど、非常に躍動感、疾走感のある動きで、見る人間を圧倒するような凄まじい戦闘が描かれている。これは本当に見ていて凄いの一言。また、場面に応じて様々な動きを見せていたり、雪煙を使った戦闘の演出の技巧など、単純に作画が良いだけでなく、演出としてのバリエーションも豊富に描かれている点も見事。
    もう作画の事ばっかり書いているけど、劇場で見ていて圧倒されてしまったのだからしょうがない。まぁ、ちょっとアップのカットが多くて何してるのか分からないシーンも結構あったのだけど、それは割と些細な問題。
    あと、戦闘以外の本当に何気ない場面でも、よく見ると異様なほど滑らかに動いているシーンがたくさんあって、一体どれだけ力入れて作ってんだろう、この作品。

    あと、声優に関して。メインキャラは芸能人を起用しているけど、個人的にはさほど違和感は感じなかった。むしろ名無しなどはかなり良い感じだと思う。仔太郎に関しては、まぁ子供役という事でこんなもんかなぁ。
    メインキャラ以外は普通に声優さんが演技をしている。その辺りはキャラクターによく合うキャスティングなので安心。特に、名無しのライバル羅狼が山寺宏一さんだった点は○。山寺さんのニヒルな演技がキャラクターによくマッチしていたと思う。

    そんなこんなで、ストーリー良し、作画良しというわけで、この作品は個人的に劇場で見たアニメの中でもかなり楽しめた作品。ただし、あまり大々的に宣伝していないので恐らく興行的にはあまり良くない結果に終わるのだろうけどね…。
    ちょっとグロいシーンが多くて人間の首や腕がスパスパ飛ぶので、そういうシーンに耐性がない人には勧めないけど、それが大丈夫でアクション物が好みなら、個人的には強くお勧めしたい作品です。恐らく日本のアニメ映画でも屈指のアクションが見られる事は保証する。BONESの時代劇なんて所詮「妖奇士」、などと思ってはいけない。

    追記

    時間で手堅くまとめて、視聴者を飽きさせないよう適度なアクションシーンもあるという作りは、恐らくハリウッド映画を手本にしたのではないかな、と思う。
    ハリウッド映画はマンネリなどと言われるけれど、それでもあの2、3時間に1本のストーリーを無理なくまとめ上げる脚本力は大した物だと思う。

  • いやー、我慢できずに見に行ってしまった。ごめんなさい。
    月曜日が会社休みだったし、外出先などの都合が良かったので真っ昼間に行ってきた。

    「エヴァンゲリオン」が放送してた頃、自分は中学生だった。思春期真っ直中で、あれだけ話題になった作品だけに当然のごとく見ていた。かなり楽しんで見ていたけど、あの最終回に閉口したクチです。ちなみに、旧劇場版は見ていない。
    そういえば、当時兄はパソコン通信を使ってエヴァンゲリオンのネタを仕入れてたっけなぁ。当時は珍しかった。

    映画自体の内容は総集編仕立てで、TV版とほぼ同じ内容。しかし、作画は大分修正されていた様子。記憶が大分曖昧なのであんまり細かいところまで覚えてないけど。

    序盤は正に総集編。ほぼTVシリーズのダイジェストだけど、要所要所が端折られていているのであんまり面白くない。シンジとトウジ・ケンスケの関係描写がかなり削られているため、どうにも淡泊な印象を受けたのが何だかなぁ…と(決して少なくはないのだけど)。
    一方、シンジのウジウジと思い悩む描写は増えているように思う。良く言えば、シンジの内面がかなり分かりやすくなり、感情移入しやすくなったとも言える。また、キャラクターの台詞と行動、描写の関係性が分かりやすくなったので、断片的な伏線を散りばめているという印象は以前より薄くなっているように思える。多分。

    後半は凄い。ラミエル強い。超強い。8面体のラミエルがグニョグニョ動くのはビックリしたけど、あの圧倒的な火力対火力の対決が、凄まじい迫力で描かれている点は、さすがに感動した。この辺の、表現の強化はTVシリーズと映画の差という点を差し引いても、CG技術の向上の賜物なんだろうな、と思う。更に言うと、このヤシマ作戦に関してはTV版よりも長い時間が割り当てられている。恐らく、このヤシマ作戦の辺りはほぼ全面描き直しかな?
    今回の劇場版はこのヤシマ作戦で終わってしまうけど、映画のクライマックスとしては十分に満足のいく出来だった。この時間や作画といったリソース配分に関しては、なかなか上手く機能していると感じる。

    そんなわけで、総集編という事で期待してはいなかったけど、なかなかに楽しめた作品だった。ただし、やはり内容はダイジェストなので、作品自体を知らない人に勧めようとはあんまり思わないなぁ。
    ただTV版を知っていると、「おっ」と思わせるシーンもチラホラ。個人的に印象深かったのは、シンジがエヴァ初号機で出撃して地上に出た瞬間、ラミエルに攻撃されるシーン。TV版は確か普通に出撃してきたピット(何て言うんだっけ?)から収容されていたけど、今回はリフトを含めた設備がラミエルの攻撃で全て融解してエヴァを回収できず、シンジが攻撃を受け続ける。ここでは、その周辺区画をパージして無理矢理エヴァを地下に押し込める展開(細かい話は忘れたけど、確かそんな感じ)になるのだけど、この前の場面で地下から迫り上がったり地下に押し込まれるビル群の描写があるため、この展開が凄く自然に受け入れられて、意外性のある伏線への驚きやミサトの機転の良さが非常に良く表現されている秀逸な場面だな、と思えた。

    今回は作画の強化や描写の追加こそあれ、ほぼTV版をなぞった内容だった。しかし、スタッフロールの後に入った次回予告を見る限り、次回はかなりオリジナル展開が用意されている様子。今回それなりに楽しめた身としては、結構楽しみにしている。

    余談だけど、シンジがミサトとコンビニへ買い物に行くシーンで、コンビニのBGMで流れていた曲はTV版通り、アルバム「Lilia ~From Ys~」に収録されている、三石琴乃さんの「You are the only one」だった。
    You are the only one きっとー あーなただーけー♪
    …でも、ファルコムの曲ってほとんど自社管理されていなかったっけ?などと思って、JASRACの作品データベース検索サービスで調べてみた。そしたら、この曲に関してはJASRAC信託だった…。まぁ、この曲は別にファルコムミュージックのボーカルアレンジというわけではないからねぇ。
    ちなみに、ファルコム好きの自分は当然このアルバムを持っているので改めて聞いてみたけど、三石さんの歌唱力が何だか…いや、何でもないです。

  • トランスフォーマー

    アニメではなくて、ハリウッド映画の方。
    初代アニメは本放送時に見ていた記憶がある。どういう話だったか全く覚えてないけど。

    でまぁ、この前の日曜に友人と一緒にこの映画を見に行ったのだけど、正直あんまり面白くなかった。
    「いつお前ら仲良くなったの?」と問いかけたくなるような人間関係の描写の浅さと、無理矢理都合の良いように話を持っていこうとする強引なストーリー展開に辟易。おかげで、えらく安っぽい話に見えてしまった。
    それから、これが一番気になった事だけど、カメラワークが異様にへぼい。トランスフォーマーの登場するシーンでは、迫力を演出するためかCGのアップばかりが映されているのだけど、おかげでシーン全体で何が起こっているのかが全く把握できない。誰が誰を攻撃しているのか、戦闘シーンで何が行われているのか、という情報がサッパリ分からん。おかげで、ただやかましいだけのシーンが多々見受けられる。
    さらに言うと、重量感を出すための演出だと思うけど、やたらと画面が揺れる。前述のカメラワークのヘボさに加え、この揺れる演出。この映画はもしかして、視聴者に戦闘シーンを見せたくないのかと勘繰ってしまう。
    せっかくあれだけのCGを作ったのだから、もう少し引いたカメラアングルで、ロボットが縦横無尽に動き回るようなシーンを描いた方が面白かったのではないか、と思う。

    そんなわけで、映画としてはイマイチ。トランスフォーマーのCGは悪くなかったけど、ちょっとゴテゴテしすぎの印象。個人的には、もう少しスッキリしたデザインの方がいいな。

  • 電撃文庫ムービーフェスティバル

    電撃文庫作品「灼眼のシャナ」「キノの旅」「いぬかみっ!」の3作品劇場版を見に行った。まぁネタになればいいなぁ、程度の気持ちで池袋まで。ちなみに、3作品ともTVアニメは見た。

    灼眼のシャナは総集編仕立てだったので内容に関しては今ひとつといった感じ。見たはずのTVシリーズの内容をあんまり覚えてないので何とも言えないのだけど、後半は結構オリジナル作画だったような気がする。多分。
    改めて見直してみても、悠二の主張や根拠がまるで無根拠なものばかりで、何故そんな必死に主張できるのかがあんまり伝わってこないどころか、どこか見ていて痛々しい。結果として悠二の言ってきた事にシャナが突き動かされたりしたわけだけど、それでいいのかという気もする。TVシリーズ見た時とまんま同じ事思ってたよ。
    どっちかと言えば、シャナが吉田さんといがみ合ってるような場面の方が面白かったんだけど、さすがに劇場版の尺でそこまで要求するのは無理か。
    まー総集編だし、こんなもんじゃないかと。

    次は「キノの旅」。この作品だけTVアニメが結構前なんだよね。しかもWOWOWの夕方というマイナー枠だ。丁度このサイトを始めた頃に放送していたので、2003年という事になる。自分は「スクラップド・プリンセス」共々かなり楽しんで見ていた。そういや最近、東京MXでコロシアム前後編及び劇場1作目を再放送してたなぁ。
    今回の話は、「キノの旅」のエピソードによく見られる偏向した世界で描かれる皮肉めいた要素成分がちょっと足りなかったように感じる。もう少し面白い捻りが利いてると思ったら、結末は予想をそれほど外れるものではなかった点が残念。というか、何か別のエピソードの焼き直しみたいだ。もう少し風刺的な内容が込められていると面白かったんだけど…。
    エルメスに乗るキノを正面から描いたシーンは、エルメスの動きとか背景がぐんぐん遠ざかる様子のCGが良い感じの出来だったと思った。この辺は劇場版ならではの良さかなぁ、と。

    「いぬかみっ!」。今回はこれが一番面白かったかな(笑)。
    劇場でありながら、変に気張らずあくまでもこの作品の持ち味であるギャグを前面に押し出してきた点は、個人的に好感が持てた。こちらも気張らずに肩の力を抜いて楽しめたわ。劇場の大画面と作画を使って思いっきり馬鹿アニメを見るなんて、なんて贅沢なんだろう。
    「変態」をテーマ(?)にした本作は、最初から最後までいぬかみっ!」独特のアホなギャグとパロディを散りばめたような馬鹿馬鹿しい内容で、劇場内では観客の笑い声がよく響いてたのが印象的。こんな映画は初めてなもんで。一番笑い声が響いていたのは、やっぱり「がっしんせよ!」の辺りかなぁ(笑)。「グラヴィオン」なんてあそこで見ていた何割ぐらいの人が分かるんだろう。でもこの合体シーンを見るに、活字で表すと「合神せよ!」ではなくて「合身せよ!」になるんだろうか。あとは、内容ではなく最後のスタッフロールにおいて、キャストの部分で「速水奨」の名前がズラッと並んでいた辺りがかなり受けてたような気がする(笑)。
    まぁそんな感じで結構楽しめた作品だったな、と。少なくとも自分は、この作品が前より少し好きになれた。でも、「シャナ」と「キノ」をメインに据えた映画のCMはあったのに、「いぬかみっ!」による映画宣伝が見られなかったところを見ると、この作品はあくまでも同時上映作品という位置付けなんだろうね。まぁこれがメインでも少々困るので、位置付けとしてはそれで正解だと思います(笑)。
    どーでもいいけど、EDの「大変!大変!大変と」というフレーズはやっぱり「変態」に引っかけてるのだろうか…と、この作品を見て思った。

    あとは、冒頭のキャラクター同士によるショートアニメが割と面白かったです。

    まぁそんなこんなで、電撃映画は物足りなかったり楽しめたり。全体的にはそんなに悪くなかったかな、と。

    余談だけど、映画が始まる前に挿入された「スピンオフ L」の宣伝で、「2007年 夏 撮影開始」と出たときに劇場で笑いが出たのは、この場所ならではの現象なのかもしれない。

  • ちょっと気になっていた映画、「それでもボクはやってない」を見に行った。

    気になっていたというのは、有名映画批評サイト★前田有一の超映画批評★高得点がつけられていたため。
    このサイトでは、個人的に結構楽しんで見られた劇場作品である「デスノート」が、えらく批判されていた事で、自分とは多少作品に対するスタンスの違いや楽しめる作品の傾向が違うのだろうとは思っていたけど、だからと言ってせっかく他人が「良い」と褒めている作品を見に行くことにやぶさかではないです。

    実際自分で見に行った感想としては、確かに結構面白かった。
    内容としては、痴漢の冤罪事件をテーマとして、それに対する日本の裁判制度及びその問題点を描いていく感じのお話。
    監督の人はこの映画を作るために冤罪事件を徹底的に取材したとの事で、内容については現実味を持った物であると感じられた。現実味のある内容であるがゆえに、警察になじられ、勾留され、ロクに主張も聞かれず、弁護士からも「罪を認めた方がいい」と勧められ、主人公がどんどん貶められていく様子に腹が立ち、不可解さが増していく。何故にここまで不当な扱いを受けなければならないのか、と。
    面白かったと感じた点は、その日本の裁判制度問題を提起するように描かれた、歪んでいる部分についての描写。明らかにおかしい、間違ってる、なぜそうなる、といった点を洗い出し、それらについて見てる側に分かりやすく解説してくれる。これはどちらかといえば、映画のエンタテインメント性による面白さよりも、事実を説いていくドキュメンタリーとしての面白さに近い。
    一番印象的だったのは、一度起訴した被告を無罪にする事は警察・検察の面子を潰す行為であり、裁判官の世界も組織として動いている以上、無罪を勝ち取るのは難しいという台詞。映画の内容と照らし合わせる事で、この台詞が大きな説得力を持ち、強く自分に響いた。
    あとは、主人公の周囲の人間が頑張って無罪を勝ち取ろうと奮闘していく様子が面白かったかな。弁護士を捜し出したり、始めは懐疑的だった弁護士が主人公の無罪を確信していったり、状況再現ビデオを撮影して明らかな矛盾点を突き止めていったり…。この辺りは胸が熱くなる。
    あと面白いと感じたのは、これらの描写がまったく音楽無しで描かれていた事。一般的には、盛り上げる場面ではアップテンポな音楽、主人公が貶められていく場面では重苦しい音楽が流れるのが普通だけど、この作品ではそういった物が一切無く、ただ淡々と情景を描いていく(一部、重く響くようなSEらしきものが挿入されていた様子だったけど)。それでも、場面に応じた雰囲気を描けていた点は良かったと思う。まぁ、全体的に暗澹たる雰囲気が漂う作品ではあるのだけど(笑)。

    まぁそんな感じで、個人的には結構楽しめた作品。
    ただし前述したように、エンタテインメント作品というよりもドキュメンタリー作品としての色が強い印象なので(内容は現実の物ではないので、ドキュメンタリーではないのだけど)、そのつもりで見ると良いかもしれないなぁ、とは思った。

  • 昨日見てきた。時間無いのに、何やってるのやら。

    こんな遅い時期に見に行った理由は、一つ目に夏場に行くタイミング逸した事、二つ目にこの時期なら空いてると思った事、三つ目に評判が良くなかったのであまり乗り気になれなく、ダラダラ引き伸ばしていた事。
    ただし、駄作上等のつもりだったので別に見に行く気がなかった、というわけではない。

    まぁ今さらという感じで、あまりダラダラ書いてもしょうがない気がするので、多少簡潔に感想を。

    全体的に思ったのは、色んな描写が足りてない事。アレンが父親を殺した理由は?その父親から奪った、あの光る剣何よ?テルーがアレンに理解を示すようになった理由は?テルーの歌には何か意味が?ただのタイアップか?
    …などなど。とにかく登場人物の動機が不明瞭だったり、作品の要素に対してあまり深い意味づけがされておらず、ただそう描写されているだけ、といった物が多数目につく。だから、作品への印象・場面のインパクトが薄らいでしまっている。
    その割には、必要と思えないような妙な間を描くシーンが多数挿入されている点が不可解。例えば、アレンが家から出てテルーを呼びに行くシーンで、家から出て柵の扉を開けて…という一連の動作が詳細に描かれていたりする。全部見た後でも、それらがどういった意味を持っていたのかがさっぱり分からない。別にそんなものは省略していいだろう、と。

    とはいえ、方々で酷評されるほど酷い作品とは思わなかったけどね。ただ、作りが無難すぎる上に、描写が甘いので「そんなに面白くない」作品、というレベル。

    ここから内容以外の話。

    この作品を見て「宮崎吾朗監督の実力云々」と語られている様子を見ると、どうにも違和感を感じる。色々調べてみても、宮崎吾朗監督のアニメーターとしての実績なんてまるで出てこない。せいぜい、建設コンサルタントをしていた事とか、ジブリ美術館の館長をしていたとか、その程度。今回の作品では、建設コンサルタント経験による「“空間把握能力”が役に立った」というコメントが見つかるけど、苦しいにも程がある。
    実際のところはどうだか知らないけど、これだけ見ればアニメーターとしての経験は無いと考えて良さそうだ。大体、アニメーターとしての経験があれば、「建設コンサルタント経験による空間把握能力」なんて苦しいコメントをせずに、その経験を宣伝として使うに決まってるんだから、それすら無いという事は完全無欠のド素人という事なんだろう。
    そんな人が、アニメ制作に深く関わったとは到底思えない。アニメ監督が一朝一夕で務まるようになるとも思えない。そもそも、動画や原画の仕事を経ずに監督としてアニメを作るなんて無理でしょう?運営・経営ならまだしも、実際にアニメーションの絵を作る側なんだから。
    そこが、先に述べた違和感の正体。今回の作品はあくまでも「ジブリスタッフ」の実力であって、宮崎吾朗監督は本当にただ「ジブリブランド」「宮崎ブランド」を死守してスポンサーを納得させるために、ジブリの方針として監督に据えられただけなんじゃないかと。…というか、それ以外考えられない。

    まぁ何というか、アニメ制作会社がブランドを守るために世襲制になったらオシマイだよなぁ、と思う。今はまだブランドで売れるし、実際売れてるからいいけど、このままだと実力で積み上げてきたブランドを、食い潰すだけで終わってしまう。実際のところ、ジブリはこの「宮崎」ブランドのジレンマからどうやって脱却するつもりなんだろうか。
    うかうかしてると、本当にそのうちフジテレビを味方に付けたGONZOにブランド価値で追い抜かれてしまうかもしれない。
    個人的に、それはそれで一向に構わないのだけど。

    追記

    談だけど、「時をかける少女」を引き合いに出して「ゲド戦記」をやたら貶めたり、その逆だったりする感想を見るけど、見ていてあんまり気持ち良くはないなぁ。
    何かこう、面白い・面白くないの感覚や意見を画一化しようとしている感じが気に食わない。

  • フジテレビとGONZOの共同企画。GONZOが自ら製作も制作も行うアニメ映画。昨日見てきた。
    結論から言ってしまえば、面白くなかったなぁ、と。以下ネタバレ感想。

    全体を通して強く感じるのは、脚本の力不足。イメージとしては、そこら辺に転がっているファンタジーRPG作品から、必要な場面だけを切り取って映像化し、それを等間隔に並べている感じ。「等間隔に並べている」というのはつまり、どの場面を強調するのか、どの場面を省略するといった事を考えず、決められた時間枠に収めるよう淡々と展開を進めているような感じ。それゆえに様々な描写が不足し、首を傾げるような場面が多い。何というか、「TVアニメと同じ感覚で作ってたら尺が全然足りませんでした」みたいな。

    まず一番最初、主人公が扉に向かうまでの過程がとても駆け足で、この時点でかなり置いてきぼりを喰らってしまう。展開がどれも唐突で、主人公が運命を変えようとする決心、扉が運命を変える物であると確信する過程、といった物がまるで感じられない。せめて、主人公の家庭がもう少し崩壊気味である事を指し示す場面があればマシに見えたのに、主人公が家に帰ってきたら突然親父が家を出る、という展開はさすがに呆れてしまう。
    扉の向こう側の辿り着いた先でも、初っ端から「~せよ」というRPGのお約束的なお使いから始まり、なし崩しで主人公がそれに従っている辺りで、とても脱力してしまう。また、「5つの宝玉を集める」という目的の割に宝玉を手に入れた場面が何かとてもいい加減で、最後の場面で「え、いつ4つも集まったの!?」といった感じで。今考えると、あの女王が渡した宝玉が4つ目だったんだなぁ。あと、伏線もなく次々に新しい展開を持ってくるので、どの場面も取って付けたような印象を受けた。何の前触れもなく、いきなり帝国という存在とか持ち出してきた時はもう真面目に見る気力も無くなったよ。
    また、設定がどれも本当に特徴のないRPGみたいな物ばかりで、あまりオリジナリティを感じない。
    本当はもっとたくさん突っ込みどころがあるのだけど、一々挙げるとキリがないので省略。
    あー、でも絵は悪くない。劇場版としてのクオリティは保ってるんじゃないかな。

    …そういえば、これと同じような感想を以前も書いたような記憶があるなー…って、「銀色の髪のアギト」だった。同じGONZOの劇場作品で、ほとんど同じような印象を受けてしまうというのは…。進歩してないのかねぇ。しかしよく考えたら、「アギト」が公開されたのも今年なんだよなー。

    GONZOは、TVアニメーションを常に3本ぐらい同時進行させながらも、劇場アニメを作ることができるような資金力と制作体制があること、TV局をスポンサーにつけて劇場アニメを作るような企画力があること、といった点を見る限りでは、アニメ制作(製作)会社として相当な実力を持っている事は十分に理解できた。しかし、できる事ならその中身の方、特に脚本にもう少し注力してもらいたいところ。
    最近のTVアニメを見る限りでは、割と普通に楽しめる作品も作っている様子だし、個人的に「巌窟王」は物凄く楽しめた作品だし、頑張ればもう少しマシな内容が作れると思うんだけどなぁ。
    フジテレビの目論見では、GONZOを日本テレビのジブリ作品に対抗できるようなブランドに持っていきたいところなんだろうけど、この内容ではちょっと難しいんじゃなかろうか。
    自分としては、「SPEED GRAPHER」「SoltyRei」「ウィッチブレイド」といった幾つかの作品に共通したGONZOっぽいセンス(?)を期待したいところなんだけど、それやったら一般人は引くだろうねぇ(笑)。あるいは、お得意の3DCGを使ったGONZOロボ(「巌窟王」「SAMURAI7」みたいなやつ)を出してくれと(笑)。

    まぁ何だかんだ言っても、大人の視聴に耐えるような劇場アニメ作品を積極的に作る気概を見せてくれる所はGONZOぐらいしか無いので、個人的には今後もGONZOの頑張りに期待したいところ。

    追記

    れにしても、あと見に行く予定の「ゲド戦記」はまるで良い評判を聞きません。どうしましょう。まぁ、それでも見に行くんですが。とりあえずアニオタとしては、地雷と分かっててもあえて特攻したい。
    しかしこうなると今夏見に行く劇場アニメの中では、面白さで言えば「時をかける少女」が一番なのかもしれないなぁ。あれは今思い返しても、かなり良い作品だったと思います。

    30日 追記

    GDHとGAGA 仏ファンタジーを劇場アニメ化 (animeanime news アニメ!アニメ!ニュース)

    いつの間にか、こんな話も進んでたのか…。やっぱGONZOの動きは面白いわ。見ていて飽きない。

  • 時をかける少女

    夏に見に行った一つ目のアニメ映画。ちなみに、あと二つ見に行く予定。「ブレイブストーリー」と「ゲド戦記」。
    この作品、最近テレビでよくCMを見たので気になっていたのだけど、近くの映画館の上映予定を見ても載っていなかった。そこで公式サイトで上映劇場を確認したら、上映劇場は全国で30館も無い上に、東京内では新宿の1館でしか上映されてないとのこと。
    どうしようかと考えていると、ちょうどタイミングの良いことに昨日新宿に行く用事があったので、せっかくだからついでに見に行く事に。こういうのは早く見に行かないとあっという間に上映が終わってしまうしね。
    と言うわけで、以下ネタバレあり感想。

    内容は、ひょんな事から時を戻る事のできる「タイム・リープ」の力を手に入れた主人公の真琴がこの力を使っていく中で、徐々に周囲との関係に変化が訪れ、それを経て成長していくといった感じのお話。
    で、これを見た感想としては「とても面白かった」。
    序盤はゆったりした感じの内容でやや退屈だったのだけど、真琴がタイムリープの存在に気付いた以降における、日常の展開のコミカルな展開と、それが徐々に崩れ始めていくシリアスな展開は、とても面白い内容だった。
    コミカルな場面は、いかにもアニメ作品らしい映像的な面白さと、タイム・リープによる同じ場面の繰り返しといった演出的な面白さを兼ねていて楽しかった。特に、話のターニングポイントとなる千昭が真琴に告白するのをタイムリープで無かった事にしてしまった辺りは、ここから少しずつタイムリープを使った事による変化が訪れていくという重要な場面でありながら、同様な感じで可笑しく描いてしまったのは結構印象深かったな。ただし、ターニングポイントであるという事を強く意識させられる場面でもあったけど。
    あと印象的だったのは、真琴の自転車に乗った功介が果穂を後ろに乗せて坂道を下っていき、それを真琴が追いかける場面とか。自分の自転車のブレーキが壊れている事を知っている真琴が、必死で踏切まで走っていく場面も結構手に汗握る展開だったけど、その後踏切まで辿り着いた真琴が、功介がまだ来ていない事を知りホッとしたところで、唐突にその横を功介が横切る展開は、不意打ちのような衝撃的な展開で、かなりハラハラさせられた。

    ただ、いくつかストーリー上分からない点があったのだけど、特にあのおばさんが修復していたあの絵にどれほどの意味があるのかがよく分からなかったなー、と。あの絵の意味がよく分からなかったから、千昭が何故この時代にまで来たのかが今ひとつピンと来なかった。それがこの作品でちょっと残念だった点かな。
    あとどうでもいいけど、最後のタイムリープであのタイミングに戻ったということは、あの消化器男はやっぱりまた暴れ出すんじゃないのかなぁー、と思った。

    しかし最初にも書いたように、全体的にとても面白くて良くできた作品だと思うので、個人的には割とお勧めしたい。ただし、全国30館未満しかない劇場まで足を運ぶ気力がある人限定で(笑)。うーん、この作品がこれだけマイナーなのは、ちょっと勿体ないなぁ。TV局がスポンサーに無いようなので、TV放送は恐らく数年後にNHK-BSで放映、という形になると思うけど。

    ところで、この映画の後にすぐ紀伊国屋書店に行って原作の新装版を買ってきた。もう読んだ。(本全体は1時間ぐらいで読める。時をかける少女の話自体は30分もあれば何とか)
    この作品は、多方面でメディア化された作品ということだけど、その原著となるこの作品を読んで思ったのは、「あー、なんかライトノベルっぽい」といった感じで。元々は、中学~高校生を対象にした雑誌の連載という事で、位置付け的にも当時のライトノベルという事になるんだろう。調べてみたらこれ、自分が生まれるより前に出た作品なのね。
    ただ、個人的な感覚で言えば、アニメ映画に比べて妙にあっさりした感じの内容だなぁ、と。アニメ映画の方は、タイムリープという物に対して主人公は、戸惑ったり、便利な道具として使ったり、後悔したり、といった様々な捉え方の変化があり、それと共に成長していく様子を感じ取る事ができた。小説は、主人公が戸惑い、真相を究明していくといった内容で、アニメ映画見た後だとちょっと物足りない感じがした。あと、原作はどちらかと言えば、タイムリープのSF的な面に重点が置かれている感じがする。
    こういった作品が当時に置いてどれだけ受けたのか、といった点はよく分からないけど、今まで何度も映像化されてきた事を考えると、相応に人気のあった題材なんだろうね。
    ただ自分としては、原作よりもそれを拡張した今回のアニメ映画の方が、内容的にもテーマ的にも面白いなぁ、と感じた。

  • いや、ついうっかり見てしまった(笑)。
    前評判が今ひとつ良くない感じだったし、漫画原作実写映画はかなりの確率で駄作化するという法則からしても、あんまり期待してないというか、むしろ地雷上等ぐらいの気持ちで見に行ったのだけど、意外な事に結構面白かったですよ?っていうか、普通に楽しめた事にビックリだ。
    話は前・後編に分かれており、今回は月とLが出会うところまで。

    序盤のストーリーが原作と大きくかけ離れており、月がデスノートを使う動機の描写がイマイチだったり、月が何故か警察の犯罪者データベースに直接アクセスするという超人っぷりを発揮しているなど、「あぁ、これはもう…」と半ば諦めかけていた。何よりダメだったのは、月が人混みの中で堂々とノートを広げて名前を書いていた場面。いや、月はそんな事しないだろうと思いっきり突っ込みを入れたくなる。
    ただ、その後、Lの宣戦布告、バスジャックの事件、FBIの全滅、隠しカメラからポテチの袋に隠した携帯テレビ、といった主要なシーンはきちんと押さえられていたし、それぞれにおいて原作の長い解説や台詞を削ぎ落として上手く映像化されていた。月の策略はその映像において分かりやすく描かれており、月とLの知略合戦という構図を崩すことなくきちんと話が構成されていたな、と思う。(ただし、その辺は原作既読者だけに、必要な情報を無意識のうちに脳内で補完している可能性もある。)
    ただ、そういった主要な場面においてイマイチ盛り上がりに欠けている感じも否めない。漫画みたいに過剰な表現や演出ができないという事もあるかもしれないけど、何かこう、映像的にあんまり面白味がないというか、雰囲気の盛り上がりがあまり感じられない。その点は今ひとつ。

    あと、オリジナル要素である南空ナオミの最期は、個人的に上手い表現だったと思う。映画オリジナルのキャラクターである詩織は、「どうせ、ただヒロインとして位置付けられたキャラクターなんだろうな」などとタカをくくっていたのだけど、月の非情さや頭の良さを表現し、月が捜査協力する事を周囲に納得させるという、物語の要素としてきちんと機能している事に驚かされた。オリジナルではあるものの、最期の見せ場としては申し分ない。何より原作にない月の知略を、作品をきちんと理解した上で新たに描いた事、そしてそれに意外性を持たせた事は、映画制作者はなかなか良い仕事をしたな、と思う。また個人的に、原作における南空ナオミの存在は消化不良というか中途半端な感じがしてたので、映画の中できちんとケリをつけた点は良かった。
    あと、作品の最後に月とLが対峙するオリジナルシーンで、Lがポテトチップスのコンソメ味を食べながら登場したシーンは結構痺れた。いつも甘い物しか食べないLが、月の前でこれ見よがしにポテチを食べているシーンは、「全部お見通しだ」と宣言するかのような挑発的な態度が窺えて、それがとても上手くLというキャラクターを表現しているな、と思った。また、月とLの対決という構図を盛り上げるための要素としても面白かった。

    役者については、演技力が…な人が何人かいる。特にミサの人はちょっと…。ただ、役者選びが良かったのかメイクが上手かったのか、全体的に外見は結構雰囲気が出てる感じ。特に、Lは外見も仕草も結構それっぽくて割と良かった。バクバクと物を食べる様子は見てて楽しかった(笑)。リュークの映像に関しては、まぁこんな物だろう、ぐらいで。造型も良くできてるし悪くはないんだけど、ちょっと映像的に浮いてる感じは否めない。原作のリンゴを食べる仕草とかをきちんと映像化しているのは面白かったけどね。

    とりあえずそんなこんなで、意外な事に結構面白い映画でした。
    物足りない感じは多少あるけど、映像化する上である程度情報が削られてしまうのは止む終えないし、オリジナル要素がなかなか面白かったので、個人的には合格。
    後編も、多分見に行くと思う。

    そういえば、デスノートはそのうち日テレでアニメ化される予定とか何とか。どこの制作会社が作るのかは知らないけど(日テレという点を考慮すると、順当にマッドハウス辺りだろうか)、結構楽しみにしている。あれだけの長台詞をどこまで表現するのかは気になるところ。

  • 本日公開の「銀色の髪のアギト」を見てきたので、感想。
    初日から行ったのは別に期待してたわけじゃなくて、ちょうどその日の都合が良かったから。いや、期待してなかったわけではないけど。最近、GONZOは結構面白い作品を作ってくれたりするしね。

    で、実際に見た感想としては…、ハッキリってしまえば良くない。
    何か、その辺に転がってるファンタジー系ロールプレイングゲームをみているみたい。世界観や設定もそうだけど、ストーリー展開にもそのような雰囲気が強く感じられる。また、それに加えてコナン、ナウシカ、ラピュタ辺りの宮崎アニメに”インスパイア”されすぎている印象を受け、目新しさが感じられない。そんなわけで、作品全体に対しての漠然とした印象は、あんまりよくない。
    まぁそれだけなら別にいい。目新しい物を生み出すのは難しいし、そういった既存の物を使って、どれだけ面白い話が描けるかの方が重要だと思うので。しかしその肝心の脚本は、お世辞にも良いものとは思えなかった。

    何と言うか、「お約束」の要素をふんだんに詰め込んで、順番通り並べただけみたい(ちなみに、上に挙げたジブリ作品を彷彿とさせるものも結構出てくる)。そして、その要素同士の繋ぎ目の整合(要するに解説や演出)が上手くいかなくて、妙に唐突な展開が多数見受けられた、といった印象。
    「森」は人間に対して何をしたいの?強化体って何?強化体になった後のアギトが、トゥーラを助けに行くまでの展開が適当すぎ。強化体の「強さ」を示す場面が本当に申し訳程度で、蛇足感が強い。「こんな山の中に~(名前忘れた)があるとは」とか言っておきながら、何でその山まで整備された鉄道が走ってるのか?「山が動く」事を感じさせる映像がほとんど見られず、言葉で言われてもピンと来なくて、どれだけ大変なのかが伝わらない。トゥーラがシュナックについていくのは分かるけど、その後「力」を諦めてアギトについてく理由に乏しい。シュナックが最後言った言葉の意味は?最後に雨が降ってきたのは何故?
    とりあえず今思い出すだけでも、大小これだけ違和感を感じる点がある。他にも色々あったと思う。
    一番ダメなのが、アギトがトゥーラを助けに行こうとした動機が弱くて、主人公に感情移入できなくなった点。「強化体」になってまでトゥーラに入れ込む理由も謎だし、トゥーラが攫われた時点でアギトが何をしようとしてるのか分からないから、アギトの決意が全く伝わらない。物語のターニングポイントとなるべき場面だったので、その後の展開をかなり醒めた目で見ることになってしまった。
    作品全体を通してみても、こういった心理描写だけでなく、状況や背景などの色々な描写が欠落している点は多数目につく。
    例えば、一緒に見に行った友人に言われて初めて気付いたのだけど、作品の冒頭で「私を一人にしないで!」という台詞があり、物語の終盤でも同じ台詞を言う場面がある。自分は言われるまで、本気でこれに気付かなかった。というのも、冒頭に出てきた台詞と終盤に出てきた台詞の結びつきが弱いし、そもそも冒頭の同台詞がどういう状況で言われたのかがほとんど説明されてないから、場面で関連づけて考える事もできない。だから、この台詞があまり意味を為しておらず、気付いた後も特に感動も何も感じず、ただ単に同じ台詞を引っかけただけに思えた。

    自分がこの作品に感じたのは、大体そんな感じ。大雑把にまとめると、オリジナリティ不足、描写不足、脚本力不足といった印象だったな、と。

    ただ、さすがに映像は結構綺麗だったと思う。やはりGONZOだけに、映像の作りはしっかりしてるなぁ、と。キャラクターの細かい動きもしっかり描かれていたし、CGによるロボはなかなか圧巻だった。ただ、2Dのキャラクターと3DCGの噛み合わせが上手くいかず、キャラクターが背景から浮いてしまっている場面がチラホラ見られたのは残念。

    あと個人的には、このようなオリジナルアニメ映画を作ったGONZOの心意気に感心する。
    この作品は、ジブリ作品や「ドラえもん」「ポケモン」「コナン」といった国民的な人気のある作品でもなければ、「NARUTO」「鋼の錬金術師」みたいな、人気の原作・アニメを持つ作品でもなく、「パトレイバー」みたいな根強いファンを持つ作品でもでもない。ましてや監督を祭り上げて客を呼ぶ「スチームボーイ」「イノセンス」みたいな作品ですらない。完全にGONZOオリジナルの劇場アニメ作品。(まぁ、主要なキャラクターのキャストが俳優になってはいるけどね。でも個人的には、声優の人が皆脇に追いやられているのは、どうも釈然としない。確かに、少しでも客寄せしなくちゃならないし、スポンサーの意向もあるんだとは思けど。何かこう、せっかくの声優の上手い演技がもったいないなぁ…って。)
    今現在、いくらオタクが「もてはやされている」とはいえ、いくら何でも無名のアニメ映画に金を出すような物好きは、ほとんどいないと思う。実際、自分の行った映画館でも初日だというのにあまり客は入ってなかった。
    そういった状況の中、こういったオリジナルアニメ作品を作るGONZOに対して、自分は結構敬意を持っている。まぁ多分、この作品は転けると思うんだけど(笑)、それでもこういうオリジナル劇場作品を作ったという事実は、アニメ作品の可能性を模索し、広げていく努力として、結構評価したいと思ってる。
    GONZOは恐らく今一番勢いのあるアニメ制作会社だけど、こういった他の会社がやらないような活動も、制作会社の枠も越えて積極的にやってくれるので、とても興味深い。また、「SPEED GRAPHER」みたいな非常に独特なセンスのオリジナル作品も送り出してくれるから、なかなか興味は尽きない。今回はまぁ失敗だったと思うけど、GONZOには、それにめげずに是非もっと色んな活動をしていってほしいな、と思う。
    余談だけど、GONZOは深夜アニメを非常にたくさん作ってくれるので、自分の中ではすっかり「深夜アニメの帝王」という位置付けになっている(笑)。

    まぁそんなこんなで、この「銀色の髪のアギト」という作品に関しては、映画のチケットとGONZOの心意気は買ったけど、作品自体と関連グッズは買わない。そんな作品。

    …いや、主題歌CDぐらいなら気が向いたら買ってもいいかな?

    追記

    になったんだけど、CMにあるのに本編に全く出てこない場面があるねぇ。
    銀色の髪のアギト 公式サイト」に映ってる映像なんか、かなりの割合で使われてない。っていうか、ストーリー上絶対に出てこない場面が。
    …シナリオ思いっきり改変したな?何となくこの作品全体の駄目な脚本の理由の一端が見えたような気もする。改変前のシナリオは、どんな感じだったんだろう。案外、そっちの方が面白かったのかも。

    そういえば、映画の予告で「ブレイブストーリー」の予告を見た。今回はダメだったけど、こっちは果たしてどうかな…?

  • 劇場版「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」を見てきた。夏休みだし、興行成績は好調らしいし、どうせ子供がいっぱいいるんだろうなーと思って映画館に入ったら、スッカスカでビックリした。確かに割り引き日でもない平日の昼間なんだけど、いくら何でもこれは…。まぁ、田舎ならこんなもんなのかもなぁ。

    でまぁ実際に見た感想としては、意外なことに面白かった。
    いやね、最近見たアニメ映画って「イノセンス」とか「ハウルの動く城」とか、エンタテイメント性よりも監督の作家性を前面に押し出したような臭いの強い作品ばかりだったし、現在放送中のボンズ制作アニメ「エウレカセブン」の脚本がアレだし、正直このの映画に関しても面白さに関しては全く期待してなかった。それでも見に行く気になったのは、アニメ板「鋼の錬金術師」が面白かった事と、オタの血がなせる業。
    そんなスタンスで見に行ったところ、退屈せずに最後まで見られたもんだから、完全にアテが外れてしまった。

    内容に関して細かくは触れないけど、アニメ板「鋼の錬金術師」の設定をきちんと踏襲した上で、キッチリ続編として丁寧に描いている感じで、非常に好印象。またストーリーも結構分かりやすく、見せ場も色々あって、エンタテイメントを重視した作りとなっているので楽しかった。
    そういえば、何で第一次大戦後のドイツを舞台にしたのかなぁ、というのが疑問だったけど、民族主義という考えをストーリーやキャラクターの動機として使いたかったので、それを分かりやすく提示する手段としての意味合いだったのかな。それでも必然性はあまり感じなかったけど。あるいは、続編として使うつもりなのかも。
    しかし、困った点が一つ。実はアニメ板「鋼の錬金術師」の最後の方に出てきた細々した設定を大分忘れてしまった(そもそも覚えきれなかった)ので、物語で事実が明かされたときに「…それって何だっけ?」と首を傾げることが多かった。これに関しては、映画の公式サイトを見ると結構あれこれ書かれているので、事前に予習していった方が良かったかも。そんなわけで、映画単体で見る代物ではないね、これ。導入部でに少しだけ解説が入るけど、映画単体で見る人は最初からついていけないだろうし、その辺はくどいので切り捨ててもよかった気がするな。
    あと残念なのは、主要なキャラクターの何人かが結構あっさり死んでしまう事。何か使い捨てっぽくてあまり好きになれなかった。せめてもう少し、劇的な演出が欲しかった。あと、グラトニーはストーリーとして登場する必然性が無さ過ぎ。その他ご都合主義的な展開が少々。ただ個人的には、全体のストーリーの流れが結構しっかりしているので、多少の無理矢理な流れは目をつぶって許せる範囲。
    ラストの締めはどうかなぁ。劇場版はシリーズ化させる予定があるみたいだけど、こんな締め方だと続編作る時大変じゃないのか。実際今回の内容には続編に繋げると思しき伏線がいくつもあったわけだし、実際続編を作る気はあるんだろう、多分。個人的には「逆」の方が良かったけどなぁ…。まぁ、コレはコレでアリだと思うけどね。

    まぁそんなこんなで、多少の不満な点はありつつも、内容には結構満足。少なくとも、次回作があるならまた見に行きたい、と思わせるだけの魅力はあった。

    「鋼の錬金術師」は、メディアミックス作品として大きく展開し、大成功を収めた希有な作品。以前「BS漫画夜話」で話が出てきたけど、コミック、アニメ、ゲームそれぞれで利益を上げてきたとのこと。米国でも漫画(グラフィックノベル)が大人気の様子(ULTIMO SPALPEENさんの2005年6月15日2005年7月16日、2005年7月22日などが参考になると思います)だし、聞くところによるとその他の地域でも人気は高いそうな(そういや以前、中国人だか韓国人だかが4期OPを実演したMADムービーが流れてたっけ(笑))。その上、映画でも利益を上げることになれば、必然的にドル箱作品としての地位を確立したことになる。
    「鋼の錬金術師」に関しては、作品自体も割と良くできていると思うし、メディア展開に関してもイメージを重視して露骨なタイアップを避けようとしている印象があって(実際はどうか知らんけど、少なくとも「ガンダムSEED」よりは)、個人的に良いイメージを持っているので、メディアミックス展開の成功例として頑張ってもらいたいなぁ、と思ってる。
    まぁ、この人気がどこまで続くのかは知らないけど。

    追記

    と思いついたこと。
    アニメーションのレベルは、さすがにボンズだけあって高い。とりわけ冒頭の戦闘シーンは本当に目を見張る物がある。ただ、気になった事が一つ。…水飛沫の表現だけは何とかならないのかな?4期OPで、エドとアルが水に飛び込んだ時に上がる水飛沫と同じ物。白い靄みたいなテクスチャを貼り付けただけのような、しょぼい水飛沫…というか、4期OPの頃から気になってたけど、あれはとても水飛沫には見えない。本放送時は同時期に「モンキーターン」を放送してたもんだから、そのCGによる綺麗な水飛沫との比較で余計に気になっていた。
    今回の劇場版でも改善が見られないところを見ると、ボンズとしてはアレでいいと思っているのだろうか…。

  • 年末特番の「踊る大捜査線」スペシャルを見て思った事。
    自分は専らアニメばかりを見て、ドラマはほとんど見ない、ほぼ2次元専門の人だけど、「踊る大捜査線」だけは結構楽しく見ている。以前の2作目映画も映画館に行って見に行った。

    ドラマを見ない自分が何故これだけ楽しんで見ているかといえば、多分自分の中で登場人物が確立していて、そのキャラクター性を楽しむ事ができるからなんだろうなぁ、と思う。
    アニメの場合は、キャラクターはそのキャラクター以外の何者でもなく、キャラクター性その物を大いに楽しむ事ができる(微妙な声優を聞き分けるほどのダメ絶対音感を持ち合わせていないこともあるのかもしれない)。ところが、多くの邦ドラマに言える事だけど、芸能人等の有名人が使われると、既にその人物のイメージが刷り込まれてしまっているために、そのドラマに対する感情移入を疎外されてしまい、物語に入っていきにくいという難点がある。ところが、自分の場合「踊る大捜査線」は登場人物を役者それ自体よりも把握できているため、すんなりと入り込む事ができる。
    自分は主に、物語は物語として楽しみたいと考えている。だから、そこに芸能人の履歴等の、ドラマ以外の要素が入り込む事は、ノイズと感じられてしまう。邦ドラマにほとんど興味が無いのも、最近の邦ドラマがそのノイズを前面に押し出してアピールしているから。

    …まぁ2次元好きが詭弁を弄しているだけのような気もするけど、それは気にしない方向で。もちろん、「踊る大捜査線」はストーリー構成や演出が上手いから楽しめる、というのもあるけどね。

  • BS2で3夜連続で放送されていた3部作を全部見てしまった。

    見て思ったことは、名作というのはいつまでも色褪せない面白さがあるなぁ、と。特に1作目に関しては、たくさんの伏線と、それを大いに活かした展開、あるいは気付かないほど小さな伏線でニヤリとさせる演出があまりにも見事で、視聴者を全然飽きさせない作りになっている点が見事すぎる。2作目、3作目でもそれは継承されているけど、1が一番その演出が上手かった思う。
    でも、今見ると結構矛盾した点が散見されるのも気になった。2作目でデロリアンで過去に行ったビフが、どうして同じ時間軸の世界に帰ってこれるんだろうなぁ、とか。まぁ、そういう突っ込み所は何処かのサイトで徹底的に洗われているだろうし、こっちは作品が楽しめればそれでいいので、今さらどうでもいい。

    今回、放送がNHK-BSということで「デロリアン」、「セブンイレブン」、「フリスビー」といった単語が「スポーツカー」、「コンビニ」、「皿」といった単語に置き換えられていたけど、それはそれで翻訳に苦心した様が思い浮かべられて面白かった(笑)。そういえば、「インディアン」も「先住民」に置き換えられていたけど、これは表現の規制か。「イエロー(yellow: 黄色人種、臆病、嫉妬深い、など)」が「バカタレ」になっていたのも同じ理由だろうけど、その訳だと悪漢達が何故不思議がっていたのか分かりにくいのでは。

    そういえば、これの2作目と3作目は父親に連れられて映画館で見たっけなぁ。まだ小学校の頃か…。

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