とある飛空士への追憶

映画『とある飛空士への追憶』オフィシャルサイト

アニメ映画「とある飛空士への追憶」を見てきた。
飛行機モノといえば、少し前に「スカイ・クロラ」があったけど、そちらは生憎見ていない。
見てみた結果としては、悪くは無いけど少し物足りないという感想。

ストーリーの概要としては、とある皇国の艦隊の元に皇子の婚約者であるファナを送り届けるため、ファナを乗せた偵察機単機を敵国の支配する領域を突破させる作戦が立てられる。そのパイロットとして主人公のシャルルが選ばれた…という感じ。どうでもいいけど、Wikipediaにストーリーがラストまで全部書いてあったのはちょっとどうかと思った。

お姫様と一介のパイロットが二人で敵陣の中を単機で突っ切るというストーリーを聞いて、事前に「こんな話だろうか」という想像を働かせていたら、概ねその通りのエピソードが展開されたのは面食らった。それが多分、物足りない理由。要するに、話が予定調和過ぎて、少し退屈だった。ちなみに、主人公と皇女は過去に面識があったというお決まりの要素まで加わってくる。
それから、敵とのドッグファイトはそれなりに盛り上がるところだけど、航空機の動きが何か軽くてフワフワした感じなので、イマイチ迫力に欠けてしまっている点も少し残念。
あと、主役二人の声が微妙に棒。

ただし、作品としてはきちんと纏まっているので、アニメ映画単体としての出来は決して悪くない。世界観やキャラクターの背景がきちんと作品で描かれていたため、設定・ストーリーの構成に特に不自然さも感じなかったし、作品の流れを自然に追う事ができた。劇場作品だけあって絵も綺麗だし、ラストの締めも綺麗に終わる。
とにかく、単体のアニメ作品として手堅い作りで、それなりに楽しめる作品ではあったと思う。シャルルとファナの結末はモヤモヤした感じだったけど、特に気にならなかった。というか、視聴者のご想像にお任せしますという、よくある終わり方。

そんなわけで総合的には、作りとしては手堅く単体で楽しめる作品には仕上がっているけれど、ちょっと物足りなさのある作品、というのが自分の感想です。

ところで、主人公の名前と飛行機というテーマのせいで、視聴中「シャルルや、もっと低く飛びな」という台詞が頭の中をグルグル巡るのは困った。


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