英雄伝説 碧の軌跡をクリアした。所要時間は約85時間。公式通販による発売日1日前の9月28日に入手して、10月11日深夜にクリアしたので、14日間かかった。1日辺り大体6時間ぐらいプレイしていたことになる。仕事が忙しくなかった事もあり、空いた時間をほとんどプレイ時間に費やした上に睡眠時間を削ってプレイしたら、こんなプレイ時間に。社会人としては色々ダメだと思います。
それはさておき、ざっと感想。ネタバレ有り。
ストーリー
ストーリーは、「零の軌跡」から続く話ということで、冒頭から初見さんお断りな展開が続く。「空の軌跡」はFC、SCと銘打って発売されたため、続編と認識されやすかったけど、このやり方はどうだろう…?個人的にはあまり感心できない。作品毎に独立させるか、せめて続編と明示してほしかった。
ストーリー展開は、序盤は特務支援課としての日常な展開が続くけれど、3章辺りから話が急展開していき、4章ラストは相当に派手な展開が見られるので、この辺は面白かったと思う。
ただし、終章の終盤が基本的に「後片付け」なので、3~4章の盛り上がりに比べるとちょっと見劣りする感じは否めない。あの緊張感を続けるストーリー展開を最後まで引っ張ってほしかったなぁ…と。ただ、「シリーズ史上最大のクライマックス」は、終章中盤辺りまでの展開なら、あながち嘘でもないと思う。少なくとも、派手さはあった。
エンディングは…多分、誰が見ても色々消化不良に感じると思う。最初より敵が増えてるじゃねーか!とか、とか、差し当り目の前の問題を一つ片付けただけで、全然平和になってねー!とか。ロイドとキーアの物語は一応の決着を見るので、その点については良かったんだけどね…。あと、キャラがほとんど死なないので後味は良い。
個人的に以外だったのは、クロスベルという狭い舞台にそれなりに意味があったという点。「零の軌跡」を遊んだ時は、「隣町まではハイキング気分で行けるし、バスで簡単に往復できる距離」、「クロスベル近辺をグルッと回っても1日かからない」、「ラスボスの所在地が意外と近所だった」という、とても狭い距離感(自分の住んでる府中市よりも狭いと思われる)から、「ご近所英雄伝説」という別称で勝手に呼んでた。
こうした狭い範囲をグルグル巡って流石に飽きたのだけれど、あの範囲で行動するのがシナリオ終盤で相応の意味を持っている事が分かる。そういう意味で、設定としては悪くないかな、と感じた。主人公達が旅に出ないで、行動範囲が都市周辺に縛られる必要があるという意味で警察官なんてキャラクター設定になったのかなぁ…と予想。もちろん、開発の省力化も兼ねているのだろうけど。
キャラクター
キャラ出しすぎて何人かの登場が半端に終わってるのもちょっと残念。大した活躍も無しで、本当に顔見せしただけのキャラが幾人もいる。あと、思い出したように「空の軌跡」のエピソード消化しているのもちょと勿体ないなぁ…と。
とは言っても、今回の主役はあくまでも特務支援課。むしろ脇役であるべき他作品のキャラが出しゃばるのもあまり好きではないので(「檻歌」のエル・フィルディン組みたいな)、この程度で丁度いいのかもしれない…と一応フォロー。特務支援課のキャラクターにはきちんと焦点が当てられ、キャラクターがきちんと描かれていた点は良かったと思います。…いや、まぁ、ノエルの影が非常に薄かったような気はするけど、それはそれ。
ただ、キャラクターが多いために、各キャラの特色を出そうとした弊害だと思うのだけど、強敵が出現する→実は強かったとか、相手を倒す→相手が起き上がって反撃、というシナリオのパターンが多過ぎて辟易。もう少しシナリオを工夫してほしかったところ。
それにしても、ロイドはアドル以上の撃墜王で驚いた。男女問わず相手を籠絡しすぎ。アリアンロードまで堕とすのかとかと思ってヒヤヒヤしたけど、そんな事はなかった。ただ、ちょっとあざとさを強調するようなイベントが多かった点はあまり好きになれなかったなぁ。デートイベントとか、海水浴イベントとか。どこのギャルゲかと。
あと個人的には、ヴァルドのその後がとても気になる。
システム
システム的には、「空の軌跡」から大して進化してないので別に特別語るような事もないなぁ。むしろ余計な要素が増えてややこしくなって、取っ付きにくくなったぐらい。
クオーツ構成やアーツ属性が変更され、マスタークオーツが追加されたので、アーツを増やすのに少し試行錯誤した点や、最上位アーツが召喚魔法になってやたらど派手なビジュアルが見られた点はちょっと楽しめたかな、と。
で、今回目についたのは、残念ながらバグが多かった点。
- ・序章で画面切り替え時にPSPの電源が落ちた。
- ・イベント中、武器屋に入ったつもりがレストランに飛ばされた。
- ・キャラ表示の座標がずれて、ティオが空気椅子やってた。
- ・ラストダンジョンでエレベータで降りた際、画面切り替え後にキャラがエレベータの下に入り込んで動けなくなった。(画像)
とりあえず、普通に遊んでいて上記のようなバグが見られた。ネットで探すと同様の事象が報告されているので、再現性はあるようだ。どうも、PSPのホーム画面に戻らずに、(スリープで中断も含めて)ずっとプレイしていると発生するような様子。特に終章に集中しているところを見ると、単純にデバッグ不足なんだろうなぁ、と推察できる。あと、メッセージの誤字が少し目についた。
まぁ、ゲームショウや空の軌跡アニメ、決算の時期などのタイミングを考慮とこのタイミングで売るのがベストであるのは間違いない、むしろここで売らずにいつ売るのか、と。仕方ないとは言わないけど、今までの丁寧な仕事っぷりから見ると少しお粗末だと感じる。次は頑張ってほしい。
一方で、会話のパターンの作り込みは凄まじいと思った。パーティーメンバの組み合わせによって、会話に加わるキャラクターが異なってくるという状況が、1度や2度ではなく、イベント毎(町の会話やミニイベント含む)にある感じ。それだけの膨大な会話パターンやフラグを用意しているという事なのだろうけど、この執念は一体どこから来るんだろうか。
正直な話をすると、こんな作り込みは個人的にあまり必要無く、むしろそれを見るためのメンバーの入れ替えなどの手間が非常に面倒で、プレイの爽快感を損ねる要素になっていると感じる。待機メンバー要素を排除する等、なるべくユーザーに負担をかけない方向で作ってほしかったし、そんな作り込みをする前にデバッグにもう少し時間を傾けて欲しかった。この会話パターンをデバッグするのも相当大変だろうに。
映像・音楽
映像については、従来と変わり映えしないグラフィックな上、小さなPSPのスペックと画面なので、大した感銘もなく…。この点はやっぱりPSPの弱点だよなぁ。
先程書いたように、一部のアーツがやたら派手だったのはちょっと良かったし、新しいSクラフトのグラフィックも楽しかった。「the 3rd」の執事みたいな、音楽と相まって非常にインパクトのあるSクラフトは特に見当たらなかったけれど…。
音楽についてはjdkの名に恥じず、良いモノを取り揃えていると思った。特に今回は戦闘曲が非常に良く出来ていると思う。使い回しの音楽も多いけど、個人的にはそんなに気にならなかったかなぁ。
まとめ
とりあえず、細々と感想を書いてみたけど、総合的にはそれなりに面白かったと思う。特に、ストーリー展開が終盤で加速度的に盛り上がっていくので、その点は良かった。ただ、最初にも書いたように続編モノなので、人に勧めようとは思わないなぁ。零・碧合わせてクリアまで160時間ぐらいかかるし、その上舞台がずっと一緒なので飽きるし…。続編と理解した上でシリーズを気に入った人間が遊ぶのは全然有りだと思います。
このシステムもさすがに使い回しすぎなので、次回作は新システムで遊びたい。あと、PSPのグラフィックが貧弱なので、次はVita辺りで遊びたいなぁ、と。いや、PCで出してくれるのが個人的には一番嬉しいんですが。
それはそうと、ファルコムはこのシリーズで色々とゲームの賞を取ったようで、おめでとうございます。30周年という節目でこれだけの実績を残せたのは、ファルコムとしての実績をきちんと積み重ねてきた結果だろうと思うので、これからも頑張ってくださいな、と。
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