この前放送してたMAG・ネットで原恵一特集をやってたのを見て、ふと調べてみたら最寄りの映画館ことTOHO府中で上映していたので、一昨日見にいった次第。
一度死んだ「僕」が、「小林真」という中学生としてもう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。そして、小林真として生活が始まるが…という話。
この作品で個人的に面白いと思ったのは、「小林真」に乗り移った「僕」の視点で、「小林真」の生活を眺め、徐々にその実態が明らかになっていく過程が丁寧に描かれている点。
特に序盤で、「僕」が行った何気ない行動が一々周囲に違和感を与え、「あれー、キャラ違った?」などと戸惑う様子が良い。それに伴って、「小林真」という人物像がとても暗くて周囲から浮いた存在である事が分かっていくので、これがどう展開していくのか、という興味が湧いてくる。
それと、「僕」が高校受験についての自分の意志を家族に打ち明ける場面が好きだなぁ。何気なく生活していたと思っていた家族が、実は真を心から思って自分たちの生活を変えていた事実が明かされる。が、実はその前からずっと映像で描かれていると気付かされた時、ちょっとグッときてしまった点は良い。このシーンはとても良いと思います。
この作品は、設定自体がちょっと暗いのだけど、「僕」自身が一度死んでるためか、小林真の人生を他人事のようにさっぱりと割り切ってしまっているため、全体的な雰囲気はさほど暗くはないと思った。
終盤がちょっと唐突であるようには思えたけど、「僕」の正体については、物語の途中で推測できるポイントがいくつか出てくるので、さほど違和感は無かったかなぁ…と。
逆にちょっと残念だったのは、母親の不倫設定やらクラスメイトの援助交際設定が、物語に対してさほど大きな意味を持っていなかった点。小林真にショックを与えて自殺の要因となった設定、以上の存在意義を見出せなかったなぁ。
最後にひろかが真の絵を絵の具で潰そうとするシーンも、今までの流れをぶった切って唐突に登場するので、意図が掴みかねる。何か重要な場面っぽいのだけど、物語のタイトルにある「カラフル」って言葉を、こんな唐突なシーンで使っちゃっていいの?と逆に不安にすらなる。
上記2点については、この作品を見てて違和感のあった点。
あと、声が残念というポイントもあるけど、それはもーどうでもいいです。
物語はきちんとまとまっていて、感動できる要素も結構散りばめられているので、全体的には良く出てきたと思います。
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