著作権の話の続き

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– Empty Talk -(2007-11-01)

反応が遅くてすいません…。
あと、ついでにいくつか言い訳というか「逃げ」を打たせてください(笑)。

MADやパロディ云々の話については、自分自身がそういう物を嫌っているわけではないです。ただ、以前にある場所で自分の作品に対してあまり好ましくない二次創作が行われていたという話を目にしたため、元作者の意図に反してまで行われる二次創作に対して疑問を感じていたため、元記事にふと書き加えただけなもので、そんなに深い意図や考えがあったわけでもないです。それについて同一視して書くことが浅はかだったとは思います。
ただまぁ、最近のパロディを主体としたTVアニメ作品の多さと、その偏向具合に対してはあまり良いとは思っていない事は確かですが…。

それから、元の記事は動画アップロードサービスで違法にアップロードされたアニのユーザーに、権利者を悪として自分たちの行動を正当化しようとするかのような発言が多々見受けられたため(その直前まで見ていた記事は、「ニコニコから消されるアニメのDVDは買うべきじゃない – 山に生きる」など)、そこに対して怒りを感じて反発して書いたもので、著作権侵害によって失われた利益があるのではないか、といった近視眼的な視点です。要するに「違法行為を正当化してんじゃねーぞこの野郎」です。ですから、

乱発乱造とあわせて考えているでしょうか? 全体のパイの低下は「ただ見」が原因でしょうか? ゲームは? 携帯電話は? 複合要因を分析していますか?

と問われると「していません」としか言いようがないです。その知識が圧倒的に不足してますし…。

あと、レンタルに関しては以前どこかで収益の一部を支払う形式についての記事を見ていた気がしたのですが、どうにもソースが出てこない(その代わり、レンタル店が購入する形式についての話はいくつか出てきた)ので、単に自分の勘違いだったようです。ただ、回転率が悪くなれば必然的に後から出てくる作品の買い取りが少なくなる可能性といったものはあるかと思いますが…。

でも、そういったフリーライダーの話「とは別」に、「製作者側がアニメ DVD を売るためにしている努力とは何か?」が気になるのです。

フリーライダーへの「非難」しか見えないのでは、ゲーム中古販売のへの「非難」と同じでしかない。そこに売るための努力というのが見えない。なぜ、安く売ることが出来ないのでしょうか?

だから、フリーライダーへの「非難」でしかない製作者の話には、私は乗ることは出来ない。理屈は理解できる。でも納得は出来ない。

ただ見で顧客が増えるか、それともレンタルすら止める人間が増えるか、「非難」はそういった部分に主眼が置かれているようには見えない。

「顧客の求めるもの」に対して、どのように「買わせるのか」のアイデアではないんですね。法を盾にしようとしまいと、「俺たちが権利者なんだから俺たちから買え」の一点張りは、何か違うだろうと。

自分としては、制作者側がフリーライダーを非難することに対してあまり抵抗感はないです。元々の考え方が権利者側に少し寄っている事もありますが、まずそういったフリーライダーを良しとしない考えを外に対して公表しておく事は、自分の著作物を保護したいという事の意思表示となると考えるからです。何も言わなければ、誰もが違法なアップロードを繰り返す事に繋がりかねないわけですし。フリーライダーが確実に自分の得になるという証明、もしくはその手段が存在すればそんな事をしなくても良いのでしょうが、そんな解があれば別に苦労はないですね(笑)。
今がメディアの変化している過渡期である事は間違いないかと思います。その中で、少なくとも新しい確実な解を見出せないでいる以上、実績のある既存のメディアに依ってしまう事は仕方のない事だと思っています。その中でまず自分たちの作品を保護するため、(収益を低下させる可能性があることを前提として)違法なアップロード行為を容認しない事の意思表示をする事は、前向きではないかもしれないけど「努力」の在り方として自分は「アリ」かなと思っています。
確かに粗製濫造や、時代に伴うメディア全体の推移によって収益が低下しているといった可能性は十分にあると思いますが、それはそれとして、まず目の前の侵害行為に対して断固たる姿勢を取る事は必要な事ではないかな、と。

ただ無料で見たがる人間に対してどのように買わせるか、という努力が見えてこない事は確かにあると感じます。
自分もあの値段付けばっかりは擁護できないです。自分も高いと思いますから(笑)。まぁ、価格を抑えたところで確実に売れるような性質の商品でもないですけどね…。
国によるDVD価格差については、自分には何とも言えないです。北米版との価格差(特にBOX売り)が大きいのは「努力の不足」と見るべきなのか、それとも北米で売ることが出来るそれ自体を「努力の結果」と見るべきなのか。

ただ、最近はいくつかのアニメ番組はネット上でも放送期間内で無料視聴できるようになってきていますよね。少し調べてみると現在放送中の作品に関しては、バンダイチャンネルでは「ひぐらしのなく頃に」、「灼眼のシャナII」、「ef – a tale of memories.」、「BLUE DROP ~天使達の戯曲~」「デルトラクエスト」、GyaOでは「機動戦士ガンダム00」、BIGLOBEストリームでは「こどものじかん」「キミキス」辺りが見られるようです。他にもあるかもしれません。
まぁ、使い勝手やユーザー数を考えるとTV放送には到底及ばないですし、ニコニコ動画のような付加的な盛り上がりがあるわけでもないですから、メディアや宣伝媒体として優れてるとは言い難いとは思いますが。
これは、放送の地域格差を埋めること、宣伝効果を高めること、より多くの人間に見て貰うことを目的とした一つの現実的な解であるように思います。十分ではないかもしれませんが、これを製作側の努力の一つの結果として見なしても良いのではないのか、と自分は思います。

あまり上手く意見がまとめられないですが、自分の意見としては大体そんな感じです。

余談ですが、最近TVアニメを見ているとDVDや雑誌等の宣伝が結構面白いんですよね。「瀬戸の花嫁」や「ヒロイックエイジ」などでは、妙に笑えるCMが流れていましたし、最近では「バンブーブレード」が頑張っている感じです。自分の考えすぎかもしれませんが、これはCMがアップロードされてネタにされる事をある程度前提として作られた物ではないかな、と感じています。もしかしたら、これも一つの努力の形なのかもしれませんね。


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