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  • タイドライン・ブルー最近、この作品をDVDをツタヤでレンタルして見た。
    TV放送時は結構気に入っていた作品だったのだけど、TV放送の最終話(12話)はさすがにどうかと思った。しかし最近、未放送の最終話で割と普通に話がまとまっているという情報を聞きつけたので(CSで放送されたそうな)、とりあえずDVDレンタルして見てみることにした。
    ちなみに、前話となる第12話「ブルー」を見たのは、ちょうど1年前だ
    …まぁ1年前の作品だけに、さすがに色々忘れてしまっている。とりあえず借りてきたDVD7巻は12話と13話が収録されていたので、先に12話を見て、それから13話を見た。

    で、実際に見てみた感想としては、少々描き足りない点はあるような気がするけど、作品としては割と普通にまとまっていると思った。正に最終回な感じの話。恐らく、TV放送時は放送枠の確保ができなかったんだろうなぁ…と。
    核弾頭の結末とか、グールドが何故あそこまで新国連と対立するのか、地図をどうするのか、父親の結末、といった点はきちんと描かれている。しかし、ダチョウの存在意義とかイスラの子供とか、そういった点には触れられてない。

    作品の内容としては、大変な状況に置かれていてもなお大人達がエゴを剥き出しにしている世界において、子どもたちが精一杯自分たちの意見を主張する事で、徐々に周囲を変えていく…、といった感じだろうか。
    最後、地図を公開した後の世界が一切描かれていない点に関しては投げっぱなしの作品にもとれるけど、欺瞞の満ちた世界の中で子どもたちの主張が実った一つの形として、独占されていた力の一つが解放され世界の人々がそれを享受出来るようになったという点において、作品として意味のある結末なのではないかと思う。地図が公開された時の浮きドックの乗組員の台詞、「これで事故も減るな」「潮流も読めるぜ」という台詞は、双子の決断が少なくとも全く無意味な行為ではなかった事を表した台詞なんだろう。
    グールドは結局行方をくらましたままだったけど、これはこれでいいのかな、と思う。核弾頭を抜いた意味はは、やはりグールド自身も心の中では人々を信じているが、再び同じ事を繰り返すようならその時は容赦しない…といった感じか。グールドはグールドなりに、未来の人間に希望を託した、という表現だったのかな、と。
    最後まで描かれなかったイスラの相手に関しては、ああいう荒んだ世界で一人暮らしている辺りから色々お考えください、その上でこの世界に住む人々の暮らしをお察しください、という象徴的な意味なんだろうなぁ。イスラがいつも明るすぎるので、ちょっと察しにくいけど。
    しかし、考えてみるとあの二人の兄弟は、父親が死んでしまった事実を知らないんだよなー。その点はちょっと後味があんまり良くない感じがした。

    個人的にこの作品は、地上に帰れなくなった父親が地球に地図を送り続けているとか、そういう設定が結構面白かった。キャラクターも生き生き描かれているため、見ていて楽しかった(ちょっとキールがおバカというのが残念だったけど)。
    そういった色々細かい点は丁寧に作られているのだけど、やっぱりこれ話の規模が大きすぎて、12話・13話程度じゃ話数が少ないよ…。作中に登場した浮遊樹の存在が都合良すぎるとか、ダチョウの存在意義がまるで無いとか、色々描き足りない感じの点も多い。もっと長い尺で丁寧に作ってくれれば、結構な良作になったと思うだけに、とても残念。ただまぁ、13話程度でここまで描けたのは結構頑張ったんじゃないかな、とは思う。
    できればまた、こういう作品にチャレンジしてもらいたいところ。

    どうでもいいけど、宇宙から地球のデータを送る事ができるような通信設備と、その受信設備があるなら、テキストデータや音声データでメッセージぐらい送れるだろうよ(笑)。

  • 20051004_tideline.jpg一挙放送だったという事で、感想も一挙に。

    うーん…、何というか中途半端に終わったなー、というのが最終回の印象。いやね、壮大な世界を描いている割に、1クールという話の短さという点で嫌な予感は漂ってたのは分かってた。でも最初の方を見る限り、舞台は結構しっかり描けていたし、キャラクターも結構立っていたから、話の内容もそれ相応に面白い結末を用意してくれると思って、あえて何も言わなかった。

    しかし、嫌な予感は見事に実現してしまった。結局最終回を迎えても、何一つとして解決した事が無いんだよね。「俺たちの戦いはこれからだ!」ってな感じで。グールドとアオイの関係、資源の分配、新国連の安定、国際関係、イスラの夫は誰なんだー。問題や疑問はいくつも提示されていたけど、解決したものと言えば、兄弟の関係と地図の存在ぐらい。別に全部を解決してくれなんて言わないけど、もう少し綺麗に話を収束させる結末を用意してくれてもいいじゃないかと。
    前にも書いたけど、この作品のテーマは恐らく、相手に何かを伝える事。キール達の父親は地球に地図を伝えようとした、アオイは世界に地図の存在を伝えようとしなかった、アオイは世界に平和を訴えていたが各国に無視されている、グールドは訴える事を止めて実力で平和を作る事を選んだ、アオイはキールに対して母親としての愛を伝えられない、ティーンは気持ちを伝えるのが下手、キールは考えを言葉に出して伝える事が上手くできない。誰もが、肝心な事を伝える事ができないでいる。世界が海に覆われて、(物理的にも関係的にも)バラバラになってしまっているというのは、その象徴なのかもしれない。多分、エンディングはその辺の意味を込めたテーマソングなんだと思う。
    だからこそ、この作品の結末として兄弟が互いの考えを伝え合った後に、「地図を世界に伝えていくこと」を目標にする…とすることで、徐々に今までの状況が改善されていく事を匂わせて終幕、という流れにしたかったのではないか、と思う。多分(違ってたらごめんなさい)。しかし、それらの描き方が中途半端で、個々に独立したエピソードにしか感じられず、今ひとつよく分からない結末になってしまっているように思える。
    また、存在意義のよく分からないキャラクターがいた点もいただけない。もちろんイスラの事。ダチョウやチベットの女性なんかもそう。これが、この作品をさらに中途半端なものにしている。それ以外にも、妙に唐突で強引な展開がいくつか目についた点や、必然性のよく分からない演出とか。あと、主人公がほとんど活躍せずに、ただの傍観者で終わってしまった点も良くない。
    結果として、「何がしたいのかよく分からないアニメ」で終わってしまった感がある。というか、1クールで描くには色んな物を詰め込みすぎてるね、明らかに。

    ただ逆に言えば、何か面白い物を作ろう、という気概は伝わってくるんだよねぇ。
    例えば世界観や設定。世界が地図に覆われてしまったけど、主人公は海底資源探査衛星にいて無事。そして主人公は、失われた地図や技術の知識を持っている。主人公の父親は、地図が重要である事を認識し、脱出できない衛星の中で、受信されているかどうかも分からない地図のデータを地上に送り続けている…。この設定は良くできてて、個人的に非常に面白いなぁ、と思ってる。作中でもその世界がよく描かれていたと思うし。
    また、キャラクターが非常に生き生きと描かれていた点も良かった。特にキールの機敏な動き、イスラの表情といったものは、見ていて楽しかった。
    あと、潜水艦の戦いの場面もちょっと不自然な感じはしたけど、結構頑張ってたと思う。
    こういった、真面目に何かいい物を作ろうというものが伝わってくるだけに、話が今ひとつ中途半端に終わってしまった事が非常に悔やまれる。出来る事なら2クールで作品を作ってほしかった。そうすれば、もう少しまともな結末が見られると思うし。
    ただまぁ、実際にはあと1話あるんだよね。DVDで。どこまで話が進むのかは分からないけど。しかし、TV視聴者にとっては今回の話が結末も同然なわけで、その点に関しては何とも言いようがない。

    まぁそんなわけで、このアニメは「もったいない作品」だったなぁ、ということで。

  • 20051001_tideline.jpgもう関東では最終回まで放送してるんだけど、まぁ一応感想。
    キール、ティーン、ジョゼがグールドと合流して、浮きドックでユリシーズを修理。しかし、新国連軍に発見されてしまい、そのまま浮きドックを離れる話。

    イスラの子供をティーンが取り上げた事は、やっぱりそこまで引っ張るような事でも無いんじゃないかなぁ、と思った。誰が取り上げたって、キールがイスラを守った事は間違いないわけで、特に恥じ入るような事でもなかろうに。この辺は、イマイチ感覚が理解しにくかった。まぁ予想通り、イスラはそんな事を何も気にしていないし。しかしイスラの反応は、キールの悩みを理解した上での事なのか、天然なのか…多分後者だろうなぁ。
    今回の話を見て、何となく作品のテーマが見えてきた。それは多分「伝える事」。キールがティーンが子供を取り上げた事を伝えられなかったり、グールドに対して「みんなが生きていける道があるはずだ」と訴える言葉が無くもどかしそうにしていたり、寡黙なティーンがキールに殴られていたり、グールドとアオイが互いにすれ違ったり。多分どれも、相手に伝えられなかった、伝わらなかった事が引き金になっているんじゃなかろうか、と。思い起こしてみると、それ以外にも物語の端々にそういった点が見受けられる。あと、EDの歌詞(どうしても伝えたいんだ~♪ってやつ)も多分それを歌ったものなんだろうと思う。
    このテーマ自体は悪くない、というかむしろかなり良い物だと、個人的には思う。思うんだけど…ちょっと1クールでやるには無理がありすぎたようで。まぁその辺は最終回の感想に回します。

  • 20050922_tideline.jpgドックの不法侵入で捕まったキールだが、船長との賭に勝ってユリシーズの修復を約束させる事に成功。一方ユリシーズは、フランスで新国連軍に追い詰められていた…という話。

    1週間前なので、簡単に…。
    今回出てきたキールとティーンの過去はなかなか面白かった。冷静に考えて物事を運ぶティーンと、直情的なキール、という構図は昔から変わってないのか。二人の仲が悪いのも、何となく納得。
    イスラは相変わらず存在理由が希薄なのが残念。たくましい女性、という感じは結構好きなんだけど。

  • 20050913_tideline.jpgアオイと出くわしたジョゼは、アオイに対して銃を向ける。そのままアオイの拉致を企てるも失敗、ティーンと共にその場を逃げ出し、キールもそれに続く。身を隠したジョゼ達は、浮きドックを奪ってフランスにいるユリシーズの修理に向かう事を計画。実力行使でドックを奪おうとするジョゼに対し、キールは自ら交渉に向かうが、あっさり捕まってしまう…という話。

    キールに対する接し方に苦悩するアオイに関しては、アオイの性格がよく出てて面白かったなぁ。今までの話の内容を見ても、アオイはいつも「~ねばならない」という固まった考えで動いていた。地図は争いの元だから隠蔽しなければならない。世界平和のために尽力しなければならない。だから1話の時も、規律を守るために個人的感情を捨ててキールを見捨てねばならない…となったわけだ。本当はキールの母親として接したいのに、キールが自分から離れていくために苦悩していくアオイは、何か見てて可哀想。
    キールとティーンの母親が何故死んだのかと思ってたら、フリーダムから地球に向かったシャトルが着水に失敗して炎上、スーツの頭部(何て言うのか知らん)が割れてしまった母親はそのまま海の中で…という事でいいのかな。母親が海に沈むのを目撃していたティーンは、海に対して恐怖を抱いている…となると、最初にシャトルから脱出していたのはキールか。しかし、潜水艦の搭乗員として水に対して恐怖感を抱いているのはどうかと。
    それにしてもキールは、本当に脳天気な性格で…。いくら何でも、頼めば何とかなるもんでも無かろうに。もう少し、主人公らしい活躍を見せて欲しいところ。
    ユリシーズがドゥーラビィーラに乗って流れ着いた先はフランス。地図を独占するアオイはもちろん、新国連の基地でフリーダムからの地図を見ていたティーンも、その行く先を知っている。すると決戦はフランスと言う事にになるのかねぇ。グールドの行く先を知るアオイに対して不信感を抱く里山の行動も気になる。
    ってなわけで、次回も期待。

  • 20050905_tideline.jpgユリシーズに見捨てられたキールとジョゼが、チベットの町でティーンとアオイが再会する話。

    うーん…、今回の話は今ひとつ。というのも、キールの行動に今ひとつ納得がいかなかったから。
    キールは前々回辺りで、グールドを見返そうとして村の農作業を手伝った描写がある。ところが今回のキールは、イカサマギャンブルで金を巻き上げようとしたり、船を勝手に賭けの対象にしたり。働いて燃料を何とかしようなんて考えは微塵も出てこない(まぁこの世界観だと、燃料は一般人が手に入れる事ができたり、働いてどうにかなるような価格の代物でもないと思うんだけど)。これじゃあ、キールは1話と同様ただの遊び人、ダメ人間だよ。前々回の農作業で、キールが何を思ったのか、今は何を思っているのか、その辺の描写をしっかりしてほしい。
    せっかく今回、いつも真面目なジョゼが、街の生活に不慣れで戸惑う場面があるだから、ここはそれと対比でキールが役立つ場面を作り、主人公としてのキャラクターをしっかり描く場面だと思うんだけどねぇ。そういえば、次回予告で言われて思ってたほどジョゼが「役立たず」な印象は無かったなぁ。どちらかというと、キールの破天荒な行動についていけてないだけ、という感じで。
    キールと昔の仲間の再開場面に関しては、どうにも薄っぺらい。もっとも、それほどキールと仲間の関係を深く描けるほどの時間は無かったわけで、しょうがないという気もする。まぁここは、ユリシーズの攻撃によって死んだ人間がいる事を明確にキールが自覚する場面、と捕らえておけばいいのかも。しかし、その上でジョゼに対してあまり敵対心を向けないのはどうだろう?もう少し、ヤビツの事でグールドやジョゼに対して敵意心を向けてもいいと思うんだけどねぇ。
    こうして全体的に見ると、どうにも主人公のキャラが上手く描けてないなぁ、と思う。キャラクターがその時何を考えていて、他のキャラクターに対してどういう考えを抱いているのか、という点をしっかり押さえられていない。それができないと、感情移入もしにくいし、見てても違和感を感じてしまう。
    この作品は、設定や全体の流れは結構いいと思っている。例えば今回、最後、キール&ジョゼとティーン&アオイの出会う場面の演出は、きちんと設定を演出に活かしている感じで、ちょっと面白かった。こういった、小粋な事ができる作品だけに、キャラクターがあまり上手く描けてないのが惜しい。

    それにしても、ダチョウはいい加減追い出せって。

  • 20050831_tideline_1.jpg今度は石油を独占するアメリカへ向かうユリシーズ。それを追いかける新国連軍。新国連軍の里山は、艦隊でユリシーズを足止めする間に、旗艦で一足先にK2へ。足止めに向かった艦隊は全滅し、K2で直接里山とグールドが対決するも、魏の国の潜水艦が介入、ユリシーズはジョゼとキールを見捨て、再びドゥーラビィーラに逃げ込んだ…という話。

    今回の話も、アオイとグールドの対比が描かれていて面白かった。全開はグールド側の考え方が中心に描かれていたのに対して、今回はアオイ側の考え方が中心に描かれている。
    キールとティーンの父親は、民間企業によって海底資源探査のために作られた宇宙基地「フリーダム」から、「ハンマーオブエデンによって破壊し尽くされた地球にとって、地図は必ず必要となる」という信念の元、キールとティーンを地球に帰して、一人で受信されているかどうかも分からない地図を送信し続けている(不覚にも、この辺にちょっと感動してしまった)。唯一、それを受信する人物であるアオイは、その地図を「戦いの道具に使われないように」と秘密にしている(「海底資源探査のために作られた宇宙基地」というのがミソ。要するに、海底資源の奪い合いになることを恐れているという事なんだろう)。アオイは力を使わない事で、平和を作り出そうとしている事が窺える。
    ただ、それは一面的な物の見方。今までこの作品では地図の重要性や資源の重要性が強調されてきた。だからこそ、アオイの見方は非常に一方的で、独善的な物として見える。
    このグールドとアオイの対比が非常に面白い。世界各国の支配者のエゴを避難しながらも、結局の所二人ともそれぞれのエゴを振りかざし、同じ事をしようとしている。今回、アオイが魏の国に対して群の補給路と食料の確保を要求した時、魏の国の代表が「偽善者め、グールドと何が違う」「所詮は同じ穴の狢」と言った事が、それを良く表している。また今回、里山が「死んでくれ」というシーンも印象的。自分のエゴを振りかざして、他人を犠牲にする姿勢は、里山も同じ。それぞれのエゴのぶつかり合いという構図が興味深い。
    個人的に、これらの設定は物凄く面白いと思う。独自の世界観やキャラクターの思想が、きちんと物語の主題やストーリー展開と直結していて、意味を持っている。だからこそ見ていて面白いし、感心できる、非常に良くできた物だと思える。

    20050831_tideline_2.jpg今回の潜水艦の戦いはなかなか熱くて良かった。素人目に見ても、あり得ない潜水艦の動きとかはあったけど(笑)、その辺はユリシーズの性能を示すための過剰演出ということでご愛敬、程度に考えてるけどね。

    あと、「寄るな、馬鹿がうつる」「馬鹿ってうつるの!?」にはなかなか笑えた。キールはそこまで馬鹿だったのか(笑)。仮にも宇宙で暮らしたりコンピュータ使ったりした、エリートだと思ってたんだが…。
    そういえば、今回キールが手持ちの食料をすぐに食べてしまうのを拒む場面があったけど、その直後に潜水艇の中で食料を貪るキールの場面があって、ちょっと違和感が。キールの考え方がよく分からないな…。

    さて、次回は「ジョゼ使えねー」ってことで、ジョゼの弱みが出てくるようなので、今から楽しみにしてる(笑)。

  • 20050822_tideline.jpgグールドは、テンゲルと魏の国の争いを止め、両国の食料を開放するために、両国に対して実力行使と核で脅しをかける。魏の国でその実力行使を目撃したキールはグールドに対して怒りを向けるも、その後ミサイルによって破壊された軍事施設から人間が帰ってきて喜ぶ村の人間を見て、愕然とする。一方のティーンは、新国連の施設で世界地図が隠されている事を知り、愕然とする。

    今回の話では、アオイの元にいたキールがグールドの、グールドの元にいたティーンがアオイの、それぞれにやり方を目撃し、双方の考え方の違いを知る。グールドは力を誇示する事で世界を作り出そうとする、アオイは力を隠す事で世界を作り出そうとする…、上手く言えないけどそんな対立構造かなぁ。
    どちらも世界平和のために尽くそうとしているのは何となく分かるけど、グールドは核という使うべきでない力を使う事で、アオイは地図という本来使うべき力を使わない事で、それぞれ犠牲者を生み出しているように見える(少なくとも、グールドの方は明確に犠牲者を生み出していたけど)。つまりどちらのやり方も、地球に住む一般の人々が置き去りになってしまっている…ような気がする。だからこその、キール、ティーン、イスラと赤ん坊といったキャラクターなんだと思うだけど。まぁ、その辺は割と適当な考えなので、違うかもしれん。
    今回、キールが「グールドを見返してやる」と言って働き始めたということは、以前キールがヤビツの事でグールドに突っかかっていったのに躊躇ったのは、その前の「誰もお前を信用していない(うろ覚え)」と言われた事を気にしてのことだったのか。でも、別にこの村で働いたところで誰がいるわけでもないし、あまり意味のない行動なんじゃないかなぁ、と思わないでもない。
    それにしても、アオイはティーンやダチョウの扱いが甘すぎ。というか、グールドの手下をそんな地下施設に入れるとかあり得ないし。
    ところで、「かちふてん」って何の事なのかさっぱり知らんかったので調べてみた。

    兵法三十六計 bingfa 36 ji

    例えば「兵法三十六計(へいほうさんじゅうろっけい)」という、民衆のあいだで語り継がれてきた漢文がある。いつ誰が作ったのかは不明だが、勝負にあたって取るべき作戦の定石(じょうせき)を、「九九(くく)」のように暗記するため、「六六」36個にまとめたものである。

    例えば「仮痴不癲(かちふてん)」は、バカのふりをして相手を油断させる策略。

    なーるほどねぇ。

  • 20050815_tideline.jpgユリシーズの生活の中で表面化する、キールのダメ人間っぷり。そんなキールを見て、グールドはキールにある仕事を命じる。その場所でキールが見た物は、ヤビツを攻撃したミサイルだった、という話。

    やはりこの作品は、キャラクターや世界観を非常に端的に描いてるねぇ。怠惰なキールと勤勉なイスラ。コンピューターを扱えるキールと、文字すら読めないイスラ。あと、「こんな偏りは争いの元だ」と呟くグールド、新国連成立を目指して躍起になるアオイなんかもそう。今回出てきた、石油によって大きな力を得たというMr.キングは、傲慢で馬鹿なアメリカ白人という偏見に充ち満ちたキャラクターだ。多分、どれもこれも意図的な物だと思う。1クールで放映する上で、ある程度キャラクターを固めやすくしたとか、作品自体を伝えやすくしたとか、そういう配慮だろうか。まぁ、分かりやすくていいけどね。
    今回、文字が読めないイスラと、コンピュータを扱うキールのやり取りが面白かった。イスラという人物は、この世界における一般的な住民を描いて世界観を伝え、主人公の特殊性を伝える上で必要なキャラクターなんだろうな、と思う。
    キールは艦長に対して、ヤビツの事でもっと突っぱねると思ったけど、ずいぶんあっさり退いたなぁ。グールドがやった事は間違いなく人殺しだし、キールやイスラも巻き込まれたのだから、もっと怒れと。
    そういえば、ティーンは「ティーン・グールド」と名乗っていたけど、それってどういう事なんだろう。アオイの姓は分からないけど、今までの話から察するにグールド姓ではないだろう。ということは、ティーンはグールドの養子になったとか、そういう事なんだろうか?

    今回グールドは、食料生産の半分をどこそこの国が担っている事に対して「こんな偏りは争いの元だ」などと言った。恐らく、それがグールドの行動理念なんだろう。「ロードス島戦記」のカーラみたいな感じ。
    そうなると、今度の攻撃目標は今回出てきたMr.キングの所、という事になるのかな?そこでティーン達と再開、という流れではないかと予想。

    ところで、この作品個人的に結構気に入ってるのだけど、イマイチ良い評価を聞かなくてガッカリ。面白いと思うんだけどなぁ。
    あとどうでもいい事なんだけど、ATOKでは「やくわり」で変換しても「役割」しか出てこないんですが。まぁそれが普通の書き方だと思うんだけど、「役割り」で検索すると結構出てくるのね…。

  • 何かもう、どの感想を書いてどの感想を書いてないのか分からなくなってきた…。

    20050805_tideline.jpgユリシーズは連合の攻撃をかいくぐり、海中の大渦ドゥーラビィーラを越えてアラビア海に。ティーンはアオイと共に連行される。

    ハンマーオブエデンによって地図が失われてしまったために、世界中の誰もが地理を知ることができない。そんな中で、以前宇宙から地球を見ていて地球の地形を把握していたキールおよびティーンが、この世で二人だけの、地球の地理に精通した人間として、重要な人物となる…という設定なのか。なーるほどねぇ。だからこそ舞台を宇宙にまで広げていたのか。無駄に話をでかく見せようとしているだけなのかと思ってたけど、きちんとした意義があって安心した。またそれによって、主人公に重要なキーマンとしての役割ができて、存在に意味が生まれている。特殊な力とかそういうファンタジー的な物に逃げないで、主人公に対して地理に関する知識としての重要性を持たせたというのは、ちょっと面白いなと思った。
    今回登場した、アラビア海、日本海溝、ドゥーラビィーラ、アオイたちの過去といった場面は、ハンマーオブエデンの影響を大きく映し出している。これが世界観の具体的な提示と、主人公の重要性の強調としての役割を果たしている…と思う。多分今回の話のキモはその辺にあるんじゃないかな。
    ユリシーズ艦長グールド、新国連事務総長アオイ、てしお艦長里山は、ハンマーオブエデンで生き残り、共に世界を作ろうと誓い合った仲だったらしい。アオイ、里山はその時のままだけど、グールドは何故一人だけ離反したのか。新国連の議会会場を攻撃するに足る十分な理由があってのことか。ドゥーラビィーラでも圧壊しないユリシーズという潜水艦を持っているのは何故か、などなど、グールドに関して疑問の種は尽きないけど、その辺はおいおい語られていくんだろうな。
    石油云々の下りはちょっと違和感があったな。争いの原因になるからといって石油を封印ってのは、ちょっと考えにくいなぁ。エネルギーとして重要な資源なのに。ただこの作品は、以前の議会の様子からも見て取れるけど、エゴを剥き出しにした醜悪な人類を非常に端的に描いている感じなので、これもその一環と考えてしまえば、分からないこともない。

    個人的に、この作品は設定とかキャラクターとか各種要素を結構楽しめる作りになっていると思う。そんなわけで次回にも期待。放尿はもういいけど(笑)。

  • 20050724_tideline_3.jpg新国連の脱出艇にイスラの乗船を拒否されたため、キースは自らも乗船を拒否。そしてティーンはキールに言われた通り、彼のバッジを持って桟橋に向かい助けを求め、そこでユリシーズに乗り込む事になる…という話。

    町を砲撃した張本人の乗る船に乗り込むことになるというのも、皮肉な話。しかし、キールとイスラはまだその事に気付いていない様子。それを知った時に、キールたちがどういう反応を示すのか、気になるところ。
    山の上の船がどういう代物なのか、イマイチよく分からないけど、とりあえず国連の議会が開かれるぐらい公に認知された物らしい。そんな物が山の上から落っこちてきて、町を押しつぶして海に落ちるというのが、凄く派手な演出で結構面白かった。
    ユリシーズのジョゼがキールに対して敵対心を向けているのは、やはりティーンに惚れているとかそういう事なのかねぇ。そして優秀なティーンに対するキールの、その兄弟のあまりの差に苛立ちを覚えたから。あと、ジョゼは赤ん坊をイスラとキールの間に出来た子供だと勘違いしてるんじゃなかろうか。実際ティーンも勘違いしたわけだし。だからキールに対して遊び人という印象を抱いているとか、そう言う事なのかも。
    そういえばこの作品、ただの海洋物アニメだと思ってたら、宇宙まで舞台になるのか。しかもキールとティーンは宇宙まで行ってた様子だし。そこまで背景や舞台を広げて大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配になてきた。

    とりあえずまだ導入部なので、主人公が状況に流されている状態だけど、この作品は主人公が必死で状況を何とかしようと努力しているので、ただ流されるだけのキャラクターより好感が持てる。しかし、そろそろ主人公が活躍するところが見たいなぁ、と思う。

  • 20050724_tideline_1.jpgテレビ朝日 7月6日(水) 26:40~

    放送前に「出産アニメ」という情報だけ知ってたので、さてどんなもんかと思ってたら、確かに出産アニメだった(笑)。しかも過程を適当に省くのではなく、妙に生々しい描写。これのおかげで、1話のインパクトは絶大。

    ハンマー・オブ・エデン(何やら陸地の大多数が失われた事件らしい)から14年経った世界。キールの義母であり新国連の事務総長であるアオイが新国連議会を開催している最中、唐突にその場に現れたティーンから、潜水艦ユリシーズの艦長グールドが世界に対して宣戦布告を発令した事が伝達される。それと同時に、新国連議会の会場となっている、山の上打ち上げられた原子力空母にミサイルが撃ち込まれる。そのふもとにある町に住む、キールとイスラはその戦火に巻き込まれる。…というのが1話の大体のバックグラウンドということになるのか。
    こうしてみると、結構情報量は多いけど、それほど無理なく詰め込まれていると思った。こういった独自の世界観を持つストーリー物の1話目は、バックグラウンドの解説と、キャラクターの描写と、物語の導入がしっかりしてないと、視聴者が物語に入り込めない。この作品は、その辺りが上手く両立されている。1話の掴みとしては良い。それでいて出産シーンを入れてくる辺り、時間の使い方が凄く上手いと思う。まぁその分最後の引きが弱かったとは思うけど、それほど気にならなかったかな。

    20050724_tideline_2.jpg新国連議会はどこ学校の学級会かと(笑)。まぁ言い回しを変えたところで、やってる事は同じ事なんだろうけど。それでもあの話し合いの場面は、何だかなぁ、と思わずにはいられない。まぁ、世界各国の情勢を端的に分かりやすく示した場面と言われればそれまでだけどさ。
    あと、この作品はキャラクターが生き生きしてていいなぁ。ダイスでイカサマをするキールが追いかけられる場面とか、イスラがナンパしようとしてきた相手に土産物を無理矢理買わせようとする場面とか。こういう逞しい感じのキャラクターは好き。冷静に出産を手伝うティーンもいい味出してる。
    あと細かい話だけど、ミサイルを撃ち込まれた後でも、キールやイスラを初めとした町の人々が、しばらく呆然として全く反応できてない描写が良かった。こっちの方が、逆に真に迫った感じが出ている感じがする、というか。

    1話目は、掴みとして良かったし、見ていて楽しかった。今後の展開への期待も十分。今後もこの調子でお願いしたい。
    ところで、最初EDを聞いた時、一瞬酒井ミキオさん(プラネテスとかの歌の人)かと思った。実際は鈴木達央さんという声優の人(公式サイトによると、代表作に「『好きなものは好きだからしょうがない!!』OP」って…)だけど。何となく、歌った感じが似てるなぁ…と。ちなみに、EDはちょっと気に入った。ど う しても伝えたいんだー♪EDの絵が内容の使い回しというのがちょっと残念かな。

    タイドラインブルー EDテーマ 「Voice」

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