タイドライン・ブルー 第13話 「兄弟」

タイドライン・ブルー最近、この作品をDVDをツタヤでレンタルして見た。
TV放送時は結構気に入っていた作品だったのだけど、TV放送の最終話(12話)はさすがにどうかと思った。しかし最近、未放送の最終話で割と普通に話がまとまっているという情報を聞きつけたので(CSで放送されたそうな)、とりあえずDVDレンタルして見てみることにした。
ちなみに、前話となる第12話「ブルー」を見たのは、ちょうど1年前だ
…まぁ1年前の作品だけに、さすがに色々忘れてしまっている。とりあえず借りてきたDVD7巻は12話と13話が収録されていたので、先に12話を見て、それから13話を見た。

で、実際に見てみた感想としては、少々描き足りない点はあるような気がするけど、作品としては割と普通にまとまっていると思った。正に最終回な感じの話。恐らく、TV放送時は放送枠の確保ができなかったんだろうなぁ…と。
核弾頭の結末とか、グールドが何故あそこまで新国連と対立するのか、地図をどうするのか、父親の結末、といった点はきちんと描かれている。しかし、ダチョウの存在意義とかイスラの子供とか、そういった点には触れられてない。

作品の内容としては、大変な状況に置かれていてもなお大人達がエゴを剥き出しにしている世界において、子どもたちが精一杯自分たちの意見を主張する事で、徐々に周囲を変えていく…、といった感じだろうか。
最後、地図を公開した後の世界が一切描かれていない点に関しては投げっぱなしの作品にもとれるけど、欺瞞の満ちた世界の中で子どもたちの主張が実った一つの形として、独占されていた力の一つが解放され世界の人々がそれを享受出来るようになったという点において、作品として意味のある結末なのではないかと思う。地図が公開された時の浮きドックの乗組員の台詞、「これで事故も減るな」「潮流も読めるぜ」という台詞は、双子の決断が少なくとも全く無意味な行為ではなかった事を表した台詞なんだろう。
グールドは結局行方をくらましたままだったけど、これはこれでいいのかな、と思う。核弾頭を抜いた意味はは、やはりグールド自身も心の中では人々を信じているが、再び同じ事を繰り返すようならその時は容赦しない…といった感じか。グールドはグールドなりに、未来の人間に希望を託した、という表現だったのかな、と。
最後まで描かれなかったイスラの相手に関しては、ああいう荒んだ世界で一人暮らしている辺りから色々お考えください、その上でこの世界に住む人々の暮らしをお察しください、という象徴的な意味なんだろうなぁ。イスラがいつも明るすぎるので、ちょっと察しにくいけど。
しかし、考えてみるとあの二人の兄弟は、父親が死んでしまった事実を知らないんだよなー。その点はちょっと後味があんまり良くない感じがした。

個人的にこの作品は、地上に帰れなくなった父親が地球に地図を送り続けているとか、そういう設定が結構面白かった。キャラクターも生き生き描かれているため、見ていて楽しかった(ちょっとキールがおバカというのが残念だったけど)。
そういった色々細かい点は丁寧に作られているのだけど、やっぱりこれ話の規模が大きすぎて、12話・13話程度じゃ話数が少ないよ…。作中に登場した浮遊樹の存在が都合良すぎるとか、ダチョウの存在意義がまるで無いとか、色々描き足りない感じの点も多い。もっと長い尺で丁寧に作ってくれれば、結構な良作になったと思うだけに、とても残念。ただまぁ、13話程度でここまで描けたのは結構頑張ったんじゃないかな、とは思う。
できればまた、こういう作品にチャレンジしてもらいたいところ。

どうでもいいけど、宇宙から地球のデータを送る事ができるような通信設備と、その受信設備があるなら、テキストデータや音声データでメッセージぐらい送れるだろうよ(笑)。


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