私的録画補償金問題はついに法廷へ – スラッシュドット・ジャパン
デジタル専用録画機の補償金問題でSARVHが東芝を提訴 -AV Watch
「ハッハッハー、いいぞー東芝もっとやれーい(AA無し)」などとベンチからヤジを飛ばす渡久地東亜のような心境です。
社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH)は10日、デジタル放送専用DVD録画機器に関わる私的録画補償金相当額の支払いを東芝に求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。SARVHでは未納付相当額3,264万5,550円の支払いを求めている。
私的録画補償金を支払っていない東芝と管理団体との争いが、ついに法廷に持ち込まれたという話。内容の詳細は今さらなので省略。この件について、色んな資料を見たり情報を調べたりしたけれど、私的録画補償金制度の存在する意義に照らし合わせてみると、やっぱりSARVHの話は筋が通らないと思う。
「4月に東芝とパナソニックの2社は、SARVHに対して、『アナログチューナ非搭載のDVD録画機器はデジタル放送しか録画できず補償金制度の対象とはならないので、補償金徴収に関する協力を今後行なわない』と通告してきた。しかし、通告を容認した場合、2011年に地上デジタル放送に完全移行する時点で、補償金制度見直しの議論が決着しなくても、事実上私的録画補償金制度が機能停止する。当然容認できない」
「機能停止する」のはあくまでもデジタル録画のみ可能で著作権保護技術に対応したレコーダの補償金が無くなるという話。それによって補償金が無くなるのであれば、本来の補償金の主旨を鑑みれば全くもって道理に適った結果ではないか。
続けて、「義務を果たさず権利のみ主張する子供じみた行為。親がいってあげないといけないのかな、と思います。最近は“モンスターなんとか”みたいな、自分の意見だけを正当化するような人がいるようだが、このような不当な行為を叱ってください」と訴えた。「映画製作者としては話し合いのテーブルに着く準備がある。議論はダビング10だけでない。補償金問題のメインテーマはHDDの録音/録画機器やパソコン。お互い納得できるところを探っていきたい」と語った。
このような、道理に基づいて正当な行為を行う相手に対して、ただただ侮辱するだけの発言を公の場で行う厚顔無恥さは、不快と言うよりもあっけにとられて何も言えなくなってしまう。まぁ、以前から同種の発言はいくつもあったので、今さら驚きはしないけれど…。
そういえば、今週のマガジン掲載の「絶望先生」に「対極拳」ってネタがあったけれど、まさにあそこでネタにされている状況に酷似しているな、と思った。というか、あと何週か後だったら間違いなくネタになっていただろうと思う。
そんな感じで、まともに話し合いも期待できそうになかっただけに、法廷に持ち込まれたことで個人的にはちょっとホッとしてる。もう後は、裁判という公の場で法的な判断を下してもらうだけ。それで補償金の議論が完全に収束する事はないと思うけれど、少なくとも一定の区切りはつく。それは間違いなく、何歩かの前進になるはず。その歩み寄った地点から、またそれぞれの立場で譲歩できる点を模索できればいいんじゃないかと思う。
ちなみに、SARVHが例として挙げているフランスの補償金については、問題が日本以上に酷く歪んだ状況にあるのだそうで。
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