アニメ最終回あれこれ 2007年6月 その2

仕事と「空の軌跡 the 3rd」のせいで全然時間がとれないや。

DEATH NOTE

DEATH NOTEほぼ原作通りだけど、要所要所でオリジナルシーンを挿入してくるのは、アニメ監督の趣味だろうか。最終回のオリジナルは、最後の見せ場としてはなかなか良かったと思います。原作の月の死に様は、あんまりと言えばあんまりなので。殺戮の限りを尽くした主人公が、この上なく惨めに格好悪く倒れるという終わり方も、最終回としては面白いと思うけど。
ほぼ原作通りというか、いくつかのオリジナルと省略を除いてかなり原作をトレースした作品だったので、原作既読者としては積極的に見ようと思うほどは楽しめなかった。この印象は、「MONSTER」のアニメに通じる物がある。あれも同じマッドハウス制作だったっけ。マッドハウスが原作に忠実に作った作品は、原作既読者としてはどうにも楽しみにくいのかもしれない。もっとも、原作クラッシャーによって原作が見るも無惨なアニメに変貌するような作品よりは遙かに良いと思うけどね。
ただし、月や魅上がノートに名前を書く時の超絶演出はとても面白かったと思う。あの外連味のある無駄に派手な動きとエフェクトに圧倒されてしまった(笑)。それから、主題歌の音楽その物についてはそれほど興味は湧かなかったけど、その曲に合わせた映像の技巧は凄いと思った。特に2期OPの、合わせるのがとても難しそうな曲に対してあれほどの面白映像を仕立て上げた腕は見事。

のだめカンタービレ

最初は面白いと思ってたけど、結果的に自分としてはイマイチな作品でした。
何がダメだったかと言うと、キャラクターがあんまり努力してない所。作品の中では努力してるといった事は言われているけど、描写がかなり簡略化されているために、その努力があんまり伝わってこない。逆に才能のある奴が天才的に物事をこなしていく様子ばかりが伝わってくる。音楽に対して真剣に打ち込んでいるキャラクターが主役の作品だけに、その真剣さがあまり伝わってこない事で作品に対して感じていた期待と実際の内容にズレを感じてしまったのかな、と思う。
あと、実際の演奏において止め絵や手だけの動きだけで演奏の動きをごまかす描写が多数見られた点もいただけない。音楽を主題においているのに、その音楽をアニメーションで表現しないのは、さすがに問題があるように感じる。

間の悪いことに、1クール前までテレビ東京で放映されていた「金色のコルダ」は、同じく音楽を主題にしていながら、主人公がきちんと努力したり思い悩んだりする様子が丁寧に描かれていたし、演奏シーンも実際に「おっ」と思えるぐらい音楽・描写に力が注がれていたため、それとの対比で余計みすぼらしく見えてしまったという事もある。

さらにもう一つ。
ノイタミナ枠のいくつかの作品、あるいは日テレのNANA等のレディース向け作品を見て共通して感じるのは、基本としてあるのが「自分の理想とする白馬の王子様が、自分だけを見てくれる・助けてくれる」という女性視点。自分で理想の環境を作り出すというよりは、周囲の環境から自分の理想を選択するという形式。
個人的に、こういう他力本願的な主人公の作品という物があまり好きではない。この作品をあまり好きになれなかったのは、この作品からその様子を感じ取った所が大きいのではないかと思う。

Saint October

Saint October自分の中では、「コナミのアニメは微妙すぎる」というイメージを更に確固たる物にした作品でした。「極上生徒会」「ときめきメモリアル」「おとぎ銃士 赤ずきん」などコナミのアニメはいくつかあるけど、どれも何かこう、オタ向けにしては狙いを外している印象がある。
この作品も、「ロリ~超~」のタイトル付けやら、キャラクターの名前のふりがな表記とか、全体的に緩い雰囲気とか、どこら辺の視聴者層を狙っているのかイマイチ分かりにくい作品の方向性のせいで、作品像が見えにくい印象を受けたというか何というか。うーん、自分でもイマイチ何が良くなかったのか具体的に説明するのが難しい。例えるなら、深夜に放送された「キン肉マンII世」を見てた時と似たような感覚(もっとよく分からん)。
とりあえず言いたい事は、作るならもっと堂々とオタ向けに作ってください。半端は、ダメだ(吉井さん談)。

それにしても、作品カードが出てくるのはやっぱりコナミだからだろうか。そんなに遊戯王の夢が見たいのか。

シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド

シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンドコンピュータRPGのシナリオをベタアニメ化した感じというか、ただあらすじを並べるだけの感想文とか、何かそんな感じ。それだけ書くとやたらつまらない作品にしか思えないけど、それがここまで面白い作品に仕上がるとは全く思わなかった(笑)。
しかし、これは面白さの質としてはかなりダメな部類に属する代物だと個人的には思う。ギャグやストーリーを捻って真面目に「面白さ」を作り出そうとする作品に対して何だか申し訳なくなってくる。でも、申し訳ないと思いつつもやっぱり笑ってしまう(笑)。
何が面白いかって、RPGのストーリーを圧縮して無理矢理1クールTVアニメに収めてるから、色んな所に無理が生じている辺りが。キャラクターの順応性が異様に高かったり、あっという間に日時が経過する展開の早さなんてのは序の口で、いつ登場したのかもよく分からないようなキャラクターが何の解説もなく顔なじみとして登場したりとか、誰がどう見ても明らかに負けの状況でも決して負けていると思わないトライハルトとそれに真面目に取り合う連中とか、終盤にきていきなり思い出したように「指輪が無いと剣が抜けない」とか言う設定を持ち出した1分後ぐらいに指輪無しで剣を抜いたり、切ると死ぬと言われたケーブルに体を拘束されて動けないトライハルトがケーブルを自力で引きちぎって脱出したり、ラスボスが走ってきて登場したり、そのラスボスとの戦闘が始まってから3分ぐらいで決着が付いたり…などと、もう数え上げればキリがないほど突っ込みどころが満載で。
一番笑ったのは、最終決戦直前でキリヤ、トライハルトが究極心剣を手にするのを見て焦ったソウマの放った「俺の聖杯はどこだーーー!」という台詞かなぁ。いや、どこと言われてもその辺に転がってる物じゃないだろうに(笑)。その直後にキリヤから究極心剣を抜いた辺りで、さらに笑ってしまった。

まぁハッキリ言ってしまえば、ストーリー作品としてはかなりの駄作だと思う。内容は本当に支離滅裂だし、しょうもない展開ばかりの作品だと言っていい。しかし、ここまで突っ込みで笑いを取れるのは、一種の才能なんじゃなかろうかと思ってしまう。今までの作品にない新しい形の面白さとして、これもアリといえばアリなのかもしれない。でも、笑いの方向性としてはやっぱり邪道だと思う。
全体をひっくるめて書くと「抜けたところに突っ込む作品」…という事になるのかなぁ。

余談だけど、トライハルトが元の世界に帰らなかったのは、元の世界で「西園寺」と呼ばれるのが嫌だったんじゃないかと邪推してしまう。


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