現在、トップシェアを争っている2社には共通のポイントがある。それは「リンク機能」である。
松下電器は、「VIERA Link」(ビエラリンク)によるリンク機能を提案、シャープは「AQUOSファミリンク」の名称で提唱。HDMIによって薄型テレビとDVD/HDDレコーダ、オーディオ機器などを接続。DVDレコーダにディスクを挿入するだけで、薄型テレビの電源が自動的に入り、映像が視聴できたり、ひとつのリモコンで、接続された機器の映像、音響環境を最適な設定にできるといった使い方ができる。
つい最近、実家に液晶テレビとデジタルレコーダを買って送った。土日は実家に帰って、それのセットアップをした。そこで思った事は、「東芝真面目にやる気あるのか?」という点。
諸事情によりテレビとレコーダは東芝で揃えた。同じメーカーで揃えると色々な連携ができるので、この記事で言われているように、テレビとレコーダを同じメーカーで揃えるというのは真っ当な判断だと思う。
しかし東芝の場合、同じメーカーで揃えて連携をさせようとすると、LANで結ぶ必要がある。これはちょっと呆れる。いくらネットワークが普及してきたとはいえ、今の時代にLAN構築してる家庭がどれだけあるのか考えた事あるのか。いやまぁ、自分の実家はLANが張り巡らせてあり、イーサネットコンバータ使って2階と1階のLANを結ぶなんて事もしてるけど、どう考えたってそんな家は大変特殊な家庭だ。普通はLANの存在すら知らないだろう。
松下やSony、シャープはHDMIによる連携を喧伝している。HDMIは元々、映像信号と音声信号以外に制御信号を流す事ができる。その目的は、こういった機器同士の連携をさせるために組み込まれたものだ。HDMIで接続すれば、映像・音声をテレビに出力させるだけでなく、機器同士の連携を可能とする(もちろん、双方でやりとりする信号が決まっていれば)。
そんな利点があるにも関わらず、HDMI制御をせずにLANを使った制御をさせるなんて、東芝は一体何考えてるんだか。しかもその連携といえば、せいぜいレコーダに録画予約を入れる程度。
そりゃシェアも落とすわ。
あと東芝は、レコーダの出来があまり良くない点もそれを後押ししている。ハードウェアは悪くないと思うけど、インターフェース面が非常に悪い。リモコンは相変わらず使い勝手が悪いし、GUIの画面構成も分かりにくい。妙に昔の使いにくいインターフェースを引きずって、細かい部分の作り込みが甘いように感じる。テレビとの連携も悪いため、他社に比べて使い勝手の悪さが目立つのではないか。母親は、レコーダの操作に滅茶苦茶に悪戦苦闘していましたさ。東芝はもっとこう、インターフェースに全力を注いだ方がいいと思います。
でも、使った感じではテレビの使い勝手はかなり良かったように思う。ボタンの配置とか分かりやすいし、操作もやりやすい。最初は地上波とBSのチャンネルボタンが分かれているのが妙だと思ったけど、使ってみるとこれが結構使いやすいのよ。多分、テレビ分野には優秀な技術者がいるんだろうなー、と。気になった点は、入力切り替えボタンと決定ボタンがやたら離れているために、入力切り替え→決定ボタンという連続押しができず、入力切り替えに少し待たされる点。
あと東芝製品で気になった点が一つ。東芝のテレビとレコーダは共にDLNAに対応しているが、レコーダの方はDTCP-IPに対応していない。DTCP-IPに対応していなければ、デジタル放送をDLNAクライアントで閲覧する事はできない。肝心のレコーダでDTCP-IPに未対応なんて、全くお話にならない。せっかくLANの連携を売りにしているのに、DLNAに弱点を作るのはバカじゃなかろうか…と思ってしまう。ちなみに、Sonyは対応してる。
まぁそんなこんなで、記事でシェアを落としている事から分かるように、今の東芝製品は正直あんまり勧めない。ただし、テレビの出来は良いと思ったので、レコーダのインターフェース改善とDTCP-IP対応とHDMIの連携をしっかり作り込めば、購入価値はあるかも。
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