声優の変更とは無関係に最近は「ドラえもん」という作品に全く触れていないけど、やはり幼年期や小学生などは「ドラえもん」と共にあったと言っても過言ではないぐらい影響を受けた作品であるだけに、やはり気になるタイトルではある。ちなみに、劇場単行本は「竜の騎士」まで、劇場は「日本誕生」を映画館で見た記憶がある。あの頃は、純粋にワクワクして作品を見ていたなぁ。「魔界大冒険」のストーリー展開などは今見ても秀逸だと思う。「宇宙小戦争」の最後のどんでん返しは見てて胸がスッとする。
そんな「ドラえもん」が最近、視聴率至上主義に走るテレビ局の食い物にされているとか。ネットを巡っているとそいうった話はいくらでも入ってくるだけに、以前から気になる話題ではあった。そんな「ドラえもん」の現状に対して苦言を呈すためのまとめサイトという物が立ち上げられたそうで。
FrontPage – アニメ「ドラえもん」を守る会wiki – livedoor Wiki(ウィキ)
色々サイトを眺めてみたけど、現状を書いた各サイトの内容を見れば見るほど酷い事になっているなぁ、と感じる。「ドラえもん」を芸能人のバラエティ番組化するなんて、「ドラえもん」という作品に対して誰がどのような内容を求めているのかを全く理解していない事を端的に示している。
こういった現状を見る限り、テレビ局は視聴率に対して非常に敏感なんだろうな。とにかく話題性を作り出して視聴率を稼ぎたい、という意図が良く分かる。
しかし、近年テレビ全体の視聴率が下がり続けている現状でそれはあまり賢くない選択なのだと思う。大雑把に視聴率の変遷を追っていると、近年は全体的に視聴率が下がる一方で上がる気配が無い。これはテレビ局の問題よりも、時代の流れというのが一般的な見方。ネット・携帯などの普及によって、室内で消費出来るコンテンツの多様化したことで、以前は室内娯楽の主役であったテレビが徐々にその座を追われているという構図。
シェアの変遷ではなく「昔無かった物」が「存在するようになった」事に伴う変化である以上、テレビ局がどんなに頑張ってもこの構図を覆すのは難しい。それこそ、ネットを駆逐でもしない限りは無理。Webにアクセスさせる事を容易に行えないようにデジタル放送を設計したところで、到底止められるものではない。むしろ、テレビ離れを加速するだけの結果に終わりそうだ。
そういった中で、視聴率に敏感に反応する事は無惨な結果をもたらしかねない。何十年も続き、これからも固定客を生み続けるであろうコンテンツは特に。「ドラえもん」という作品は間違いなく非常に強大なコンテンツであり、その内容を劇的に変化させる事は愚かしい事この上ない行為であると感じる。芸人の起用などという刹那的な話題性よりも、今まで培ってきた人気をいかに維持し、それを糧にして高めていくかを考えるべきだろうに。
子供の頃見てきた「ドラえもん」という作品を壊して欲しくないという個人的な思いはもちろんある。ただ、それを差し引いても「ドラえもん」の現状が好ましい物であるとはあまり思えない。
テレビ局は、長寿番組が何故長寿番組たりえるのか、その重要性をもっと強く認識するべき。そんな風に考えた今回の話。
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