最終話。一週間以上遅れて感想。
あー、ついに終わってしまったか。始まったときはその独特なテクスチャが奇抜という以外は、特に目立った特徴のない作品といった印象だったけど、終わってみれば今期の中では圧倒的な面白さを誇った作品だった(と思っている)。
「モンテ・クリスト伯」という、19世紀にアレクサンドル・デュマによって書かれたフランスの大変有名な文学作品を原作とした、最近の作品の中では少々変わった方向性の作品だけど、古典であることをあまり感じさせない独特なアレンジによって描かれた復讐劇は、圧倒されるほどの勢いによって展開され、毎週毎週血がたぎるほどの興奮を覚えた。とりわけ、伯爵が本性をアルベールの前に晒すシーンの辺りの盛り上がりようは相当なものだったなぁ。
少々残念な点を挙げると、23話の締めがやや強引で、ストーリーの流れに少々疑問が残ったこと。23話を何度か見直してもやはり納得のいかない点があり、締めの話に不満が残ってしまったことは残念。もちろん、その1話によって今までの面白さが否定されたとは思わないけどね。
最終話となる今回の24話は、伯爵が死んでから5年後の話。登場したそれぞれの人間のそれぞれの立場での生き様が描かれており、1話全てがエピローグとなっている。まぁ内容に関してはそれほど書きたいことは無いけど、今までの苛烈な話から一転し、非常に穏やかな雰囲気が流れていて、心地よい余韻を楽しむことができたので、この作品の締めとしては大変良い物であったと思う。ユージェニーが毎年フランツの命日にピアノを弾きに来て、5年目の今回、過去を振り切ったアルベールがフランツの墓の前でそのピアノを聞き、その音に向かって駆け出していって終幕、という流れは非常に綺麗だった。
最後、登場人物と声優の紹介が入る演劇風の演出がちょっと珍しかったけど、この作品にはよく似合ってるかな。
まぁ終わってしまったのは非常に残念だけど、これだけの面白さを持つ作品を作り上げたスタッフの方々には大いに感謝したい。素晴らしい作品をどうもありがとうございました。
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