エドモン・ダンテスが最後の復讐対象、フェルナン・モンデゴと対峙する話。何だ何だ、OPと次回予告が無い点といい、演出といい、話の流れといい、この最終回みたいな話は。全24話じゃなかったのか。24話はエピローグなんだろうか。にしては、次回予告が無いのが気になる。
今回の見所は、何と言っても伯爵が巌窟王から開放される場面…なんだけど、どうにも人物の行動や会話の整合がハッキリせず、今ひとつ釈然としない点が見受けられる。
まず、巌窟王の「お前に友の心が分かるのか?」という問いに対して、「本当の心は分からないかも知れない、だけど…」といって伯爵の胸に飛び込んで、耳元に何かを囁いているのか頬にキスしてるのかは知らないけど、とにかく顔を近づけている場面。アルベールが何故このような行動に出たのか、そして何故伯爵が巌窟王から開放されたのかがよく分からない。解釈としては、他人を愛する事のできるアルベールが、他人を寄せ付けず復讐鬼となった伯爵に触れる事で、巌窟王から解放された…というもの。話の中に必要な情報が不足しているので、予想以上の物ではないけど…。
それと、伯爵元に戻ってが倒れた後の会話。
伯爵「奴は、アルベールは何処だ」「私は奴をやらなければ」→アルベール「伯爵、僕は必ず生き続けます」→伯爵「どうか、覚えていてほしい…」
この会話の流れの意味が分からなかった。伯爵がそこまでアルベールを必死で殺したがっている理由も分からない。巌窟王から解放された後、意地でも自分が復讐鬼であり続けようとしたけど、それをアルベールに見透かされたことで本心を吐露した…ということなのかなぁ。あるいは、錯乱していただけだろうか。
そういえば以前フランツを殺したときもそうだけど、伯爵が違う人間を殺してしまった後にアルベールを殺そうとしない理由がよく分からない。以前はフランツから受けた傷を治すためと解釈できたけど、今回は何なんだろう?伯爵はバティスタンを撃った後、平然と立ち去ろうとしていたけど、一体何処に行こうとしているのかと(笑)。モンデゴの復讐を完了するためには、アルベールを殺す事。ということは、その場でアルベールを殺さず立ち去る理由が無いわけで。この点が見直しても謎だなぁ。
ただ、フェルナンの行動に関しては支離滅裂に見えるけど結構納得できる。フェルナンは基本的に、欲しい物を手に入れるためには手段を選ばず強気になり、手に入れた物が自分の手から離れそうになると、途端に弱気になってその後逆上するという姿勢がある。エドモンを罠に陥れた時、エデの星を落とした時、今回エデを人質にした時などは前者。自分の過去がエデによって暴かれた時、メルセデスが自分の元を離れようとした時、今回アルベールが人質になった時などは後者。初期の頃、メルセデスがフェルナンに対してエドモンの名前を出した時にも、その傾向が見受けられた。要するに、フェルナンは根が小悪党っぽい性格ということかな。
そんな感じで、今回はちょっと最終局面のまとめエピソードとしては今ひとつな物だったように思える。でも、良かった点もそれなりにあった。
アルベールが最後、伯爵と父親に対して言葉を投げつける様に、アルベールの成長を感じた点とか、フェルナンが最後清く散った事とか。中でも、伯爵がにこやかにフェルナンに近付きながら「苦痛からの快方に過ぎない。私が欲しいのは絶望だ、お前の果てしない絶望だ」などと語りかけて、フェルナンの表情が絶望に歪む場面は最高だった。それでこそ伯爵、と(笑)。
来週はどうなるのかなぁ。もしかして、この釈然としない点をすっきりさせる終わり方でもするんだろうか。…望みは薄そうだけど。まぁ、綺麗なエピローグでもあればいいと思うけどね。これだけ期待させておいて、出演者座談会とか監督インタビューとかやったら恨むけど(笑)。
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