グリマーが、元511キンダーハイム孤児院の院長を務めていたペドロフことラインハルト・ビーアマンを訪ねる話。
ペドロフは、社会の要求する人間を創り出すことを目的とし、どうすればそのような人間を創り出せるかを模索する実験が「教育」であり、511キンダーハイム孤児院で行なわれた人体実験プログラムこそが高度な教育システムだと主張する。そして、かつてペドロフ自身が行ってきた教育は成功していた、と言う。
しかしペドロフが院長の任を解かれた後、一人の少年の登場によって子供たちが闇に取り込まれてしまい、子供同士が殺し合うという悲惨な事件を引き起こしてしまった。そのため、ペドロフは次なる実験としてその闇に取り込まれない人間を創り出そうとする。そしてペドロフが得た結論が、子供に愛を与えることだった…といった話。
この話は原作でも結構好きな話だったので、たまには感想でも。
ペドロフは、あくまでも科学的な見地から教育という名の実験を行い、その結果として得た結論が、人間としてごくごく当たり前の物であったという、何ともやるせない話。しかし結論として同じ物ではあっても、ペドロフにとって他人を愛す事自体を喜びとするのではなく、自分の理論が証明されることを喜びとするんだろうな、と考えると、果たしてペドロフが考える愛というのは正しい形としての愛なのか、という疑問も残る。
ペドロフという人間の生き方を色々考えさせられてしまい、奇妙な印象が残る不思議な話だけど、内容としては大変面白いと思う。
ところで最近、この「MONSTER」が大変面白く感じられるようになってきた。以前はあまりに原作を丁寧になぞりすぎていて、原作既読派にとっては正直退屈だったのだけど、ここ何話かの話は緊迫感があって大変面白かった。
あと前回からグリマーが出てきたけど、このグリマーは個人的に原作の中で一番好きなキャラクターなので、その登場を結構心待ちにしていただけに、グリマーの活躍を結構楽しみにしていたりする(笑)。
ついでに何となく、グリマーの絵でも置いておく。
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