ヴィルフォールが捕まったり、ポーシャンからカドルッスの情報を聞いたり、ユージュニーとカヴァルカンティの婚約発表を聞いたり、フランツと仲違いしたりして、アルベールがショックを受けてへこんでいる所を、たまたま通りかかった伯爵が宇宙に誘う話。…大分違うかも。
今回は、アルベールが「変わるのか、変わらないかの境目」であることが強調されていた話だったかな、と感じた。
今回アルベールは、マクシミリアンがノワルティエを迎えに来たときに、素直にその門出を祝福していたこと。ポーシャンの問いに対して、父親が清廉潔白な人物であることを疑いもせず答えていたこと、カヴァルカンティとの婚約発表を聞いて、以前リュシアンに忠告されていたにも関わらず再びユージュニーの家に真っ向から突っ込んでいたことなど、今までと全く変わらないボンクラっぷりを見せている。そして、隠れ家の中でアルベールを無視するフランツに対して、木の実(?)をぶつけて注意を引こうとしたり、「みんな大人になったんだ」と言いながらフランツに食ってかかる、子供っぽい一面すら見せている。
しかし一方で、ヴィルフォールが捕まった事、ユージュニーとカヴァルカンティが婚約した事など、自分の知らないうちに周囲が大きく変わってしまう中で、自分の信じてきたものがひび割れ始めていくのを心の奥で自覚し、自分自身すら信じられなくなっている…というのが今のアルベールの心理状態なのかな、と。ヴィルフォールに「お前の家にも災厄が降りかかる」と言われたり、ポーシャンがカドルッスの名前を出した時に顔色を変えりした事も、その自覚があったからこそではないかと思う。アルベールがユージュニーを結構あっさり諦めたのも、ユージュニーが「変わってしまった」と思い込んでしあまったからかな。
隠れ家に来てフランツにすがりつく思いで相談したのは、その不安が押し寄せてきてどうしようもなくなってしまい、変わらず信じられる人間に相談したかったから。しかしフランツは、真実を知るために旅立つことを打ち明ける。ここでアルベールは、やはりフランツも変わってしまったのかと一方的に思い込んでしまった。ここでアルベールが隠れ家を飛び出したのは、いつまでも変わらなかった事の象徴とも言える2人の隠れ家を飛び出したことで、既に2人の関係が変わってしまった(あるいは、変わってしまう)事を象徴しているのではなかろうか。
こう見ていくと、アルベールをこんなボンクラキャラに設定したのは、色々と深い意味があったんだなぁと思う。
それにしても、「打ちのめされたアルベールを伯爵が見つける」→「伯爵がアルベールを宇宙に誘う]
→「カヴァルカンティがユージュニーに対し、アルベールは伯爵と宇宙に行った事を打ち明ける」→「ユージュニーがカヴァルカンティに…」のコンボは、非常に鮮やかで見事だった(笑)。
来週は、エデが議会場に乗り込んでモルセールを告発。ヴィルフォールに続き、モルセールも失脚することになる、という展開かな?最後のシーンだけを見ると、前回伯爵に対して言っていた事と違って、エデはモルセールを失墜させる気満々のように感じた。どうも今ひとつ、エデのキャラクターが掴みかねるな…。
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