蟲師 第20話 「筆の海」

20060314_mushishi.jpg最終回。体内に蟲を宿した少女が、蟲を封印するために延々と紙に蟲を殺す話を書き写していく。

最終回でついにギンコにフラグが(笑)。まぁ最終回とは言っても、フジテレビ地上波放送上の最終回であって、別に蟲師の最終回というわけではないんだけど。

この「蟲師」という作品は本当に素晴らしかった。架空の生き物である「蟲」をテーマに語られる話は、1話完結ながらも深みがあって、毎回とても面白かった。特に好きだったのは、第2話「瞼の光」、第14話「籠のなか」辺りかなぁ。
また、それを演出する作画も見事。特に毎回背景作画の凝りようは尋常じゃない。それが場面の雰囲気をよく醸し出していたと思う。演出面でも工夫が凝らされており、特に要所要所で見せる滑らかな動きは非常にインパクトがあり、蟲の存在感を際立たせている。また、ゆっくりとエンディングに導入していく手法は、物語の余韻を残したまま作品を終える心地よさがあって、とても良かった(ただし、その後に流れるアフタヌーンのCMは本気で空気読んでくれと思ったけど…)。
演出で特にインパクトがあったのは、まず第2話「瞼の光」でスイの目から蟲がどばーっと出てくる場面。あれは少女の目から大量の液体らしき物が出てくるというインパクトもさることながら、今までゆっくり動いていた場面から、唐突に激しい動きが加わった事でとても驚かされ、その演出が見事だと思ったなぁ。あと、第3話の「柔らかい角」で、耳を塞いだ時にいきなりテレビの音が小さく、籠もったような状態になって、本当に手で耳を塞いだような感じになった事にも驚かされた。あの時、一瞬本気でテレビの音がおかしくなったかと思った(笑)。あと、最終話の文字が空中を舞う場面の動きなんかも見事だったなぁ。

まぁとりあえず良かった点を色々羅列してみたけど、やはり演出の技は見事としか言いようがない。本当に素晴らしい作品だったと思います。スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。

難点を挙げるなら、26話が20話で終わってしまった事だけど…。まぁ、これに関しては放送の契約上の問題だろうから、ここでとやかく言う問題じゃない。今回は放送休止とかほとんど無かったから、元々20話しか放送枠を確保できず、それにも関わらず製作側がGOサインを出したといった感じだろうか。ただし今回は作品自体が1話完結型だから、「ガドガード」「ROD」「サムライチャンプルー」といった場合とはまたちょっと違う。また、「サムライチャンプルー」の時と同様、BSフジで残りが放送されるようだ。
今回は多分ちょっと事情が違う(BSで放送される)けど、個人的に、DVD販促のためにTV放送があるのであれば、TV放送で得た視聴者に対してDVDのみの話を作って売るというのは、商売だから別に構わないと思ってる(「かみちゅ!」とか)。それが儲けに繋がるならそういった手法を取ればいいと思うし、逆にTV放送した方が採算が取れるならそうすればいい。続き物の作品において、途中まで見せて「続きはDVD買ってね」じゃあ買う気は失せるだろうけど、1話完結の作品で「他の話はDVD買ってね」というのは、多少なりとも購買意欲を掻き立てる要素ではあると思う。それすら「TVで流せ」と要求するのは、ちょっと消費者として一方的すぎるんじゃないかと。言ってしまえば、その「見たい」という欲求を商売にしている(したい)わけで。そもそも「作品」に対して対価を支払うのは当たり前だし、有料を前提に作られた物に対して「タダにしろ」と要求する事は、横暴な要求ではなかろうか、と。
とまぁ、何だか蟲師が20話で終わる事で怒ってる人が多いような感じがしたので、一応自分の考えを書いてみただけです。別に残りの話が見たくないわけではないです。


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