HVDというのは、ホログラム記録技術によって、現行の12cmディスクサイズで記憶容量1テラバイトとか転送速度1ギガビットとか、そういう馬鹿みたいなスペックを叩き出すディスク。
その開発企業6社、株式会社オプトウエア、CMCマグネティックス、東亞合成株式会社、日本ペイント株式会社、パルステック工業株式会社、富士写真フイルム株式会社がISO取得に向けて、HVDアライアンスを設立したとのこと。
こんなディスクがあったとは知らなかった。容量1テラというのが驚きだ。CD/DVDとの下位互換性も確保されているとのことで、今後に大いに期待できそう。でもよく考えてみたら、容量1テラバイトで転送1ギガビット/sということは、ディスク1枚コピーするのに約133分、おおよそ2時間ほどかかるのか…。
しかし、アライアンスに参加している企業は、普段あまり聞かない名前ばかり。Blu-rayやHD DVDが覇権を争っている真っ最中で、両陣営とも普及させようと躍起になっている中、横からそのシェアをかっさらってしまう可能性を秘めた技術だけに、それらに参加している大企業はこの技術を潰しにかかってくるんじゃなかろうか。青色ディスクは金をかけているだけに、意地でも広めたいだろうしね。消費者側としては、このディスクで統一されることが望ましいんだけどなぁ…。
ところで、この「HVD」という名称は何とかならない物だろうか。「DVD」、「HDD」、「HD DVD」、「VHD」といった、映像記録に関する単語群を並べていくと、段々ワケ分からなくなってくる。もっとこう、「Blu-ray」みたいな気の利いた名称にしてほしいところ。
参照元
スラッシュドット ジャパン | ホログラフィックディスクの標準化団体が設立
追記
ころで、最近不思議に思っていたことが一つ。
DVDの容量は4.7GB、2層で9.4GB。これは9.4GBと考える。映像はmpeg2を用いて、映像の解像度は720×480。音声はDolby Digitalを用いて、チャンネル数は最大5.1ch。
一方、Blue-rayは27GB、HD DVDは15GB、2層で30GB。これも30GBと考える。映像にはH.264という形式が用いられる。音声はよく知らないけど、どうもAACっぽい。チャンネル数は5.1chと仮定。
DVDのmpeg2と同等の画質を、H.264は1/2以下のサイズで実現できるらしい。
さて、ここでメディアにフルHDの映像を入れる事を考えてみる。
フルHDの映像は解像度1920×1080だから、画素数は2073600。DVD映像の画素数は720×480=345600。単純に画素数だけで考えると、データ量は6倍になる。音声は分からないので、ここでは同等と考える。H.264映像のサイズはmpeg2映像のサイズの1/2として、DVDと同等の画質でフルHD映像を収めたい場合、かなり乱暴な計算だけど、約3倍の容量が必要になるわけだ。DVDは2層で9.4GB。HD DVDなら30GB。なるほど、確かに容量は足りている。
…んだけど、ちょっと待て。そこまで高解像度の映像が、DVDと同じ画質でいいんだろうか?実際mpeg2でフルHDの映像なんて見た事無いけど、DVD映像は、(場合によるけど)よく見ると結構アラがあったりすることがある。容量的な限界があるとか。
つまり何が言いたいかというと、Blu-rayにしろHD DVDにしろ、容量的に中途半端なのではないか、と。
さらに言うと、将来的には多数の視点で閲覧するような映像もあり得るし、音声が7.1chの場合も考えられる。世の中には、多チャンネル、192kHz/32bitの「HDA」という、より高品質なオーディオ規格も存在する。
そんわけで、一気に今回の「HVD」まですっ飛ばした方が、色んな意味でメリットが大きいような気がするなぁ、と思うわけです。
余談だけど、mpeg2と同等の画質を、H.264なら1/2以下のサイズで実現できるというのは、どこまで信用すればいいんだろうか。「同等の質」という言葉を聞くと、どうしてもその前後幅の存在を疑いたくなってしまう。というか、疑って然るべきだろうな。
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