最近のテレビアニメによる売り込み

少し前に、アニメがゲーム化の流れを「テレビアニメは、以前よりも広告としての役割が大きくなってきているのかもしれない。」と書いたけど、そう考える理由がゲーム化傾向以外にもう一つ。それは、人間の宣伝としての役割が強くなっている傾向が感じられる事。

人間の宣伝というのは、要するに出演するキャストなどの事。特に最近は、出演声優の売り込み臭が強くなっているアニメ作品が多いように感じる。
例えば、最近の作品で主役クラスのキャラクターに、新人声優または俳優を起用した作品は以下のような感じになる(敬称略)。

下3つに関しては、どちらかと言えばキャストで作品を売り込んでいる感じなのでちょっと違うような気もする。
声優をそんなに知っているわけでもないし、作品ごとのキャストをそれほど把握しているわけでもないので、とりあえず思いついた物を並べたけど多分もっとあるのではないかと。まぁ少なくとも、ここ最近でこれだけの作品において声優経験の少ない新人・俳優が起用されているという事で。
この全てが売り込みの結果というわけでもないと思うけど、全く出演が無いところにポンと主役が与えられるには、相応の理由が考えられるわけで…。

また最近だとアニメの合間に挟まれるCMにおいて「××(キャラクター名)の○○(声優名)です」というパターンで、声優の名前を出す物もチラホラ。とりあえず記憶に残っているのは、「ひまわりっ!」のDVD CMで「しきみ役の平野綾です」とか、「capeta」の何かのCMで流れた「鈴木茂波役の菊地美香です」というのもあったはず。

それ以外のパターンとして、「乙女はお姉さまに恋してる」「ストロベリー・パニック!」など人気のある声優ユニットの売り込み臭が強い物もある。特に「ストロベリー・パニック」は、EDの映像に声優が実写で映っていたりと傾向が顕著だった。

あと、「LEMON ANGEL PROJECT」「ラブゲッCHU ~ミラクル声優白書~」「きらりん☆レボリューション」「らぶドル」などは、作品の方向性自体がアイドルのサクセスストーリーという物で、これも売り込みの臭いが強い。

キャストとは別に、「ケロロ軍曹」のように明らかに売れそうにないような歌を無理矢理タイアップする物も見られる。

そんなわけで、テレビアニメという媒体がアニメその物の売り込みの他に、そこに関わる人間を売り込んでいる傾向が強まっているように感じる。

で、その結果として現在実際に売り込まれまくっているのが平野綾さんなのかな、と。「DEATH NOTE」「ギャラクシーエンジェるーん」「すもももももも」「NANA」「武装錬金」と、2005年ごろまであんまり出演本数が無かったのが嘘のよう。「涼宮ハルヒ」の前なんて、「キディグレイド」のリュミエールしか記憶に無いよ。「涼宮ハルヒ」が終わった時に、今後どんどん売り込まれていくんだろうなぁと予想はしてたけど、まさかぶっ倒れるまで仕事をさせるような事になるとは思わなかった。


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コメント

“最近のテレビアニメによる売り込み” への2件のフィードバック

  1. 加嶋@アニ鳴館

    新人の方が主演でデビューすること自体は、古今東西を通じて珍しくないので、どこまでが宣伝なのかは線引きしづらいのかも……。
    舞台畑だった生天目仁美さん(月姫&まぶらほ)や、タレント業として鳴かず飛ばず(^_^;)だった小清水亜美さん(明日のナージャ)が、オーディションでたまたま受けたアニメの仕事のブレイクから声優専業になって、現在ではメーカー戦略的にキャスティングされるようになった……といったケースも最近ではたまに見かけます。
    結局のところは、きっかけはメーカー主導でもオーディションでも、実力とバックアップの両方を持っている人が最終的には大きくなるように思います。

    アイドル物に関しては、「魔法の天使クリィミーマミ」(太田貴子さん)から、声優経験のない若手アイドルや歌手が務めるのがデフォルトのようになってますね。
    私は、そういった作品では役者として成長する過程も楽しみの一つと考えるようにしています。
    「満月をさがして」のmycoさんや斉藤恭央さん(現在は本業では“桜塚やっくん”名義)のように、ここで上達してその後も副業的に声の仕事を続けているケースもあります。

    >>「涼宮ハルヒ」の前なんて、「キディグレイド」のリュミエールしか記憶に無いよ。

    “有名どころ”で言えば、「アイシールド21」では既に2年近くに渡ってメインのレギュラーを張ってます。
    ゴールデンタイムの作品は、興味を持たないとかえって情報が見つからなさそうですね(^_^;)

  2. 海水瓜

    最近は「その演技はどうなんだろう?」と思うような声が当てられる場合が数多く目につくように感じるのですが…(あえてどれとは言いませんが(笑))。これは最近の傾向だと考えていたのですが、特にそういうわけではないのでしょうかね?
    (アイドル)声優の人気の拡大に対し、テレビアニメがその広告としての役割を果たすようになってきた結果として売り込まれたのだろう、などと考えていたのですが。

    それはともかく、個人的にはできればもう少し演技力を積んでから主役を演じて欲しいなぁ、と思います。演技力の良し悪しで、キャラクターの魅力も変わってくると感じるので。よく声優に対して用いられる「キャラクターに魂を吹き込む」という表現はまさにその通りだと思います。

    「アイシールド」に関してはさっぱり見てなかったので、平野綾さんの声はほとんど記憶に残ってなかったですね…。「Canvas2」にも出演していたそうですけど、これもほとんど見てなかったので、自分の場合は「女の子はエレガントに」の記憶まで遡ってしまいます(笑)。
    しかし、ここ最近の出演本数の異様な増加や「HEY!HEY!HEY!」出演や「DEATH NOTE」放送後のトークに見られるようなメディア露出度の増加は、少々極端すぎる感じがします…。

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