B-CASカードシステムの行方は

B-CAS見直し、「技術的エンフォースメント」の4案を提示――情通審:ITpro

「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」第47回会合について、B-CASカードの見直し及び改良案についての検討が行われたという話。

(1)B-CASカードを小型化する(2)B-CASカードをあらかじめ機器に装着した状態で市販する(3)コンテンツ保護機能を持つICを機器メーカーに提供し、機器メーカーが製造時にそのICを組み込む(4)コンテンツ保護機能を持つソフトウエアを機器メーカーに提供し、機器メーカーが製造時にそのソフトウエアを組み込む――というものだ。

「既にB-CAS対応機器を購入した数千万人が引き続き地デジを受信できるよう考えると、B-CASをやめてしまうのは現実的ではない。新たな方式を導入するとともに、当面はB-CASを継続する方向で(今回の案を)検討した」(総務省 情報通信作品振興課長の小笠原陽一氏)としている。

うーん…、結局B-CASカードは存続させる気なのか。
ここで提示されている案を採用すれば、確かに利用者の利便性は向上すると思う。思うのだけど…それは今この時点において議論するべき内容なんだろうか?と少々首を傾げてしまう。ここで挙がってるものは、ただ小手先の「改善」以上のものではない。要は「B-CASを目立たない形で組み込んで煩雑さを解消しましょう」という話。逆に言えば、B-CAS認証システムを存続させるという事に他ならない。
B-CASカードの本質的な問題であるところの、厳しいコンテンツ保護や、フリーオという穴から覗
けるシステム根幹の欠陥といった部分について改善されるものではない。

あと、「既にB-CAS対応機器を購入した数千万人が引き続き地デジを受信できるよう考えると、B-CASをやめてしまうのは現実的ではない。」とは言うけれど、スクランブルをかけずに放送を行う事自体は、別に今すぐにでも出来るんじゃなかったっけか。
どうも「B-CASに代わる新しい認証方式を導入する」事を想定しているような気がするのだけど、それ以前にこうやってダラダラ議論を引き伸ばしている辺り、今のところスクランブルを止める気は無いらしい事が窺える。

大山永昭主査代理は、4方式ともスクランブルと各受信機への復号鍵配布を前提とした仕組みであることに注目し、「ここが一番お金が掛かるはず。鍵は暗号アルゴリズムを含めた将来像を考えるべき。鍵の管理をどうするのかを考えないと、鍵を置く意味がない」と指摘。

それにしても、いつまでこんな議論してるんだろうか。
システムとして根本的な欠陥を抱えている上に、誰にも求められていない。続ける理由が無いのだからいい加減やめてしまえ。
…と書くのは簡単だけど、その影響力はとてつもなくデカいと来てるだけに、今すぐやめるとしても色々と問題が起こるだろうなぁ…とは思う。


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