アニメ新番組あれこれ 2007年4月 その10

もう6月ですよ…。最近仕事のせいでさっぱり時間がとれなくなってきた…。

怪物王女

怪物王女設定が怪物くんのパロディという事は分かるんだけど、「さぁ、始まるざますよ」「行くでがんす」「フンガー」のネタが同時期の別作品で使われているという偶然が何となく不思議な感じ。
ざっと見た感じでは、正直あんまり面白いとは思わなかった。まず、作品におけるヒロの存在意義がさっぱり分からない点。周囲からなじられたり、唐突に死んだりのやられ役程度の役割しか無いようなキャラクターなんて、別に見ててもそんなに面白くないなぁ…。それがギャグとして生きているならまだしも、特にそういった印象は受けない。王女の方は王女の方で、何か無根拠に「フフン」とふんぞり返ってるばかりで、あんまり魅力を感じない。全体的に、今ひとつキャラクターとしての面白さを感じない。
じゃあ戦闘シーンが良いかと言えば、特にそういった印象もなく…。だってヒロどころか王女すら役に立たないんだもの(笑)。

「ローゼンメイデン」が売れたのを受けて、「ゴスロリ少女出したアニメ作りゃ売れるんじゃないか?」という思惑があったかどうかは知らないけど、この作品を見て自分が思った事は大体そんな感じ。

ロミオ×ジュリエット

ロミオ×ジュリエット今期の中で一番楽しみにしているかもしれない作品。古典作品をリメイクした物と言えば、同じGONZO制作の「巌窟王」が比較的記憶に新しい。
原作は…既読と言っていいものかどうか。ここは後できちんと読んでおくべきかもしれない。

ロミオとジュリエットが惹かれ合った理由がただの一目惚れなので、二人の関係がちょっと希薄な印象を受けたけど、話を追うごとにその辺はしっかり描写されている様子があるので、まぁ別にいいか。でも、第八幕のキスシーンはちょっと無理して盛り上げているような空虚感を感じた。そういうシーンはもっと後でも良かったんじゃないかなぁ。とか思った。

気になったのはそんなところで、全体的にはとても丁寧に作られた良い作品だと思う。ロミオとジュリエットの甘っちょろい関係に対し、話が進むごとに厳しい現実が徐々に二人の関係が切り裂いていく様子が見て取れる。そのため、二人の悲劇的な関係を上手く浮き彫りにして、物語をよく盛り上げている。また、剣戟等の戦闘がとても迫力ある描写で描かれていて、大変素晴らしい。

EDが「巌窟王」「RED GARDEN」等に通じるGONZOテイストな感じなのはご愛敬。作品の雰囲気とあんまり合ってないけど、個人的には悪くないと思っている。GONZOはこういう、あんまり媚びない作品を作るから好きなんだけど、何だか経営状態が今にも潰れそうな感じなので、ハラハラしながら見守っている。

そんなわけで、色んな意味で今後も見守りたい作品なので、今後の展開も期待。

余談だけど、ジュリエットのあの髪はどうやって収納してるんだろう。「ルルーシュ」でC.C.がゼロの仮面にあの髪を収納していたのも謎だったけど、こっちはもっと謎だ。

英国戀物語エマ 第二幕

英国戀物語エマ 第二幕原作既読。1期のアニメも見た。
公式サイトを見て、何でハンスがこんなメインイラストにでっかく描いてあるんだろうなーと思ってたら、ウィリアム-エレノアに対するハンス-エマという感じの位置付けに格上げされているのね。原作はそこまでハッキリした立場のキャラじゃなかったと思ったんだけど…。
それにしても、原作読んでてもウィリアムの我が儘っぷりは酷いと思ったけど、アニメで映像化されて改めて見ると本当に酷いもんだ。相対的に、ハンスが物凄くいい男に見える。っていうか、もうハンス主人公でいいよ。
そんな本編に対して、最初の1期総集編はちょっと和んだ。「これ、ビクトリアン豆知識」とか(笑)。
アニメは原作に対していくつかの場面が補完されているけど、その辺りのシーンは全く違和感なく作品に溶け込んでいて、原作をよく捕らえて上手く作ってあると思う。
時代の特徴を描いた描写や、作品の雰囲気によく合った音楽等、全体的にとても丁寧に作ってある点は素晴らしいな、と。

1期の最後が、二人が別れて終わってしまった時はどうしようかと思ったけど、こうして無事2期が作られてくれてよかった。

スカルマン

スカルマン原作は昔の作品と言うことで、イメージ的にダークヒーロー物なのかなぁと思ってたんだけど、主人公はスカルマンではなく、スカルマンを追う記者が主人公という、推理物の色が強い作品となっている事がちょっと意外だった。
現在のところ、骸骨男の正体を掴むために動いている状況でしかないので、スカルマンの正体を突き止めて一体どうなるのか、といった今後の話が展開がまるで読めない。
こういう作品であると一言で言い切れるような、ハッキリした掴み所の見えない作品なので、ちょっと接し方が難しいけど、徐々に作品の方向性が見えていくような話が展開される事を期待したい。
概ね安定した作りの作品だと思うけど、問題はこれがフジテレビの深夜で放送されているという点だ。果たしてどうなる事やら…。

電脳コイル

電脳コイル以前から、番組紹介やらプロモーション映像やらを見て何となく期待していた作品。
実際に見てみると、その期待に大変良く応えてくれている。電脳メガネなる玩具をテーマにした作品だけど、その電脳空間の表現が大変面白い。一番面白かったのは、データ削除描写。おやじが走る後ろをデータがどんどん消されていく様子は、さっぱり現実味がないながらもとても緊張感があり、その様子がちょっと斬新で面白かった。しかし、あの電脳空間に存在するはずのアイテムを普通に持ったり触ったりしているのは、一体どういう理屈なんだろう(笑)。まぁその辺は、表現の一つと言うことで突っ込むだけ野暮なんだろうけどね。あと、電脳空間での戦いに関しても、電脳戦で勝てそうにないなら、普通に面と向かってぶん殴ればいいじゃないかとも思ったんだけど、それも突っ込むのは野暮。ムキになってあくまでも対抗するという描写によって、小学生らしさを演出しているのかもしれない。
キャラクターの動きがやたらと細かくて生き生きと描写されている点も好印象。その動きやキャラクターの表現全般がジブリっぽいという印象も受ける。
お年玉やメタ換算の金銭感覚や、メタタグ、メタバグといった小学生の遊びのような要素を備えていながらも、小学生離れした遊び方をしているギャップが何だか可笑しくて、それがこの作品の不思議な世界を演出する一助となっている。

まぁそんなわけで、個人的には今期お気に入り作品の一つ。
ちなみに、6月16日の土曜日に1~5話まで一挙再放送があるそうで。
アニメイトTV Web – ニュース速報 – 『電脳コイル』第1話~第5話の一挙放送が決定


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