最終回。
全話通して考えると、何とも曖昧で不思議な作品だったなぁ…と。しかし、投げっぱなしという感じはなく、むしろ普通にまとまった作品であると感じられた。
作品の中で起こるマテリアルフェアリーをはじめとした数々の不思議な出来事は、人間にとっては普段目に見えない非常識な存在であるがゆえに特別に感じるのであって、世界にとっては特別な事でも何でもなく、ただそこにあり続ける自然現象みたいな存在。そこに特別な意味は何もない。人間が見てこなかった、見ようとしなかった世界がそこにあるだけ。
…数々の出来事の結末としては、恐らくそういう事なのかな、と。何か難しいな…。
登場人物全てが、作品の中で起こるそれらの出来事に対して、最後まで一介の傍観者であり続けてきた。答えを導き出そうとする人、そこに特別な意味を見出そうとする人、その出来事を巡って他人との関わりを考える人。そういった人間の起こすドラマが作品の本質であって、出来事それ自体はあまり意味を持たないんじゃないかと。
だからこそ、数々の謎が解明される必要は無いと思えたし、人間同士の関係に決着をつけることで、この作品を一つのまとまった物語として感じられる事ができたんじゃないかな、と。個人的にはそう思っている。…すいません、書いてる内容にあんまり自信は持てません(笑)。
また、視聴者に対しても必要以上に情報を与えない事で、視聴者も登場人物と同じ一傍観者として作品に接する事ができ、その微妙な距離感がこの作品に不思議な印象を与えているのではないかと思った。
ただ、いくら謎を解明するような作品ではないとはいっても、御子柴さんとか美玖の性格が変わった事とか、もう少し作品の要素に対する回答、あるいはそのヒントを提示してくれてもよかったんじゃないかなぁ、という気はするけどね。
まぁそういった細かい話はともかく、アニメ作品としては非常に心地よい作品だったかな、と。特に田菜編は、「田舎で少年の遭遇した不思議な出来事」というテーマを非常に強く意識した作りになっていて、そこから醸し出される雰囲気が大変良かった。まぁ、横浜編はちょっと人間関係がギスギスしすぎてたり、田菜編に比べてキャラクターの魅力にかけていたりはしたけど…。
あとは、「わっくん」は希紗がつけた名前だったのかーとか、美玖の顔見せろーとか、須河原がマッキーに仕事の手伝いをさせているという事は、まだ脈ありという事かーとか、結局次回予告の3人の声優は毎回次回予告のために呼ばれていたのかーとか、最終回までオカカ婆の声優が阪倉の人だと気付かなかったとか、最終回見て色々気になる事はあるんだけど、取り留めもなく書いてしまいそうなので、この辺で。
半年間、この作品を大変楽しく視聴することができたので、スタッフの方々には感謝。他のどんな作品とも違う独特な雰囲気を持っている作品だけに、自分の中では多分ずっと記憶に残るだろうな、と思う。
でも個人的には、この作品を他人に勧めようとはあまり思わないね(笑)。非常に人を選ぶ作品だと思うから。別に痛快なアクションも無いし、スリルやロマンスのある話でもない。少なくとも、万人向けと胸張って言えるような作品ではない、と思ってる。
でもやっぱり自分にとっては、好きなアニメ作品の一つと胸張って言いたい。
落書き:わっくんが一番好きだったかも
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