4Gamer.net ― Access Accepted第247回:ゲーム業界にもデフレ懸念? ~ オンライン流通のもたらす変化
Valveの運営するデジタル配信システム「Steam」は,2009年11月の感謝祭を皮切りに「ホリデーセール」と称するPCタイトルの激安販売を,2010年1月3日まで断続的に実施し,多くのゲーマー達を歓喜させた。例えば,あの「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」がたったの1.99ドル(約185円)。アメリカでは3年近く前にリリースされたソフトとはいえ,中古ソフトをオークションサイトで買うより安い価格で良質のゲームが遊べるのであるから,まさに常識破りなセールだったのだ。
Steamで年末に行われたこのセール。自分も何となく眺めていたのだけど、CAPCOMのSTREET FIGHTER IVが10ドルで買えてしまったのはさすがにどうかと思った。いや、買ったけど。
あとは、前の記事に書いたような手持ちのゲームの買い直し等をした。
しかし,こういう安値攻勢には当然副作用があり,消費者は,出たばかりの新作タイトルを定価で買うことに躊躇してしまうようになる。もともと39.99ドル(約3700円)のEast India Companyが,一時的にせよ,わずか1か月で5ドルで販売されるのが分かっていれば,それくらいの時期は待つと考える人が多いのではないだろうか。さらには,「日本語版の発売を待たなくても,がんばって格安の英語版をプレイしよう」と考える人も少なからず存在するはずで,問題は欧米のゲーム市場だけにはとどまらない。
これは大変同意。正直、ゲームがここまで安価に買えるのは嬉しいけれど、期間限定でこの価格でゲームを出していたら、多分どこかで反動が来るのではないかと思う。
具体的には、この価格に慣れきってしまった消費者が、ゲームの買い控えを起こし、市場が全体的に縮小していくのではないか、という恐れを持っている。
Steamは、PCゲーム業界において圧倒的なシェアを収める流通システムだ。EAも似たようなシステムを作っていたが、Steamには遠く及んでいない(ついでに言うと、EAはゲームの一部をSteamに出している)。このSteamの一人勝ち状態がいつまで続くのかは知らないけれど、独走状態のSteamが叩き売りを続けていくと、PCゲームを開発するベンダがコンシューマに逃げてしまい、PCゲームがさらに縮小していくという事もあるのではなかろうか。
1PCゲーム愛好家としては、そんな漠然とした不安を抱えている。
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