今週分が面白かったので、ちょっと感想。
夏休み終了直前、学園祭の準備等でテンパってるまなびたちの前に愛光学園の生徒会長、多佳子がやってくる話。テンパってるシーンはとても面白かった(笑)。
今回の話で面白いと思ったのは、まなびと多佳子のツーショット。学園祭の事を楽しそうに話すまなびに対し、多佳子はまなびが学園祭の全てを把握しているかのように話す事に対して驚く。まなびはそれらが全て「見える」と言う。
この時、まなびが目を閉じたところで自分は「まなびが以前生徒会メンバーに見せたあの派手な演出がまた見られるのか?」と思ったのだけど、今回は結局そういった突飛な演出はなく、ただ単に周囲の風景が流れるだけでちょっと肩すかしだった(とはいっても、スローな動きがやたら細かく描写されていて、これはこれで面白かった)のだけど、多分それは制作者の意図に見事にハマったんだろうな、という事をその後の多佳子の「私には見えなかった」という台詞で理解した。
つまりこの時、まなびにはあの派手な演出と同じようなものが見えていたという事なんだろうな、と。恐らく生徒会のメンバーがその場にいれば、まなびと同じ物を見ていたであろうと予想出来る。でも、少なくともその場にいた多佳子には見えなかった。この表現は、二者の距離をとても上手く表せていたと思う。それに、「またあの演出が展開されるのか」という予感を視聴者の側に抱かせた事は以前の演出が上手く印象付けられていると感じたし、そしてそれを外す事で多佳子の距離を感じさせる事が、演出としてとても面白かった。
あの以前見せた派手な演出は、まなびの目指す「ワクワクドキドキ」を抽象的なイメージとして表現した物だと思っているのだけど(個人的に、あの突飛な演出はまさに「ワクワクドキドキ」なイメージを抱かせるように作られていると思うので、結構気に入っている)、それを見る事が出来た側が目指す物を具体的な形にすること、この場合は学園祭という形で表現する事が、この作品の流れなのかなぁ、と。あと、見られる側と見られない側の間にある「差」を描き出すこと。
この作品は最初ただの萌えアニメかと思って侮っていたけど、学園青春物としてとて意外と丁寧に作られているし、テンポの良いギャグも結構面白くて、なかなかに良い作品ではないか、と思い始めてきた。あと、それらを描き出す異様なまでの作画技術の高さが凄いなぁ、と。
どうでもいいけど、桃葉は一体何のためにいるんだろう(笑)。
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