アニメ新番組あれこれ 2007年1月その4

Project BLUE 地球SOS

原作は58年前の作品と言うことで、その頃に描かれた未来像をそのまんま映像化している感じの作品作りが割と印象的。でもこれ、設定上は2000年だそうで(笑)。今時それはないだろう、と思えるような設定を忠実に再現している熱意には、ちょっと驚かされる。これを見て何となく思ったのは、携帯電話のような小型な通信媒体が急速に一般化したのは想像を超えた出来事だったんだろうなぁ…、とちょっと思った。
しかしまぁ、やっぱり現代っ子な自分としては古臭い印象は否めない。作画やキャラクター作りなどは現代風に作られており、その中で明らかに古いイメージの機械などが登場するそのギャップに味があると言えば味があるけど、自分としては正直、そこに古臭さを感じてしまう。それゆえに、宇宙人の船に捕らえられたという緊迫した場面が、何だかギャグみたいなゆるさを感じてしまう。

のだめカンタービレ

ドラマ化されて人気を博した作品が、今度はアニメに。初っ端から高視聴率を叩き出すなど、出だしは上々。ちなみにドラマは全く見なかった。原作も全く読んでない。
内容としては、コメディタッチな作りで気軽に見られるので、個人的には割と楽しんでいる。表面的にはコメディでありながらも、音楽に対するそれぞれの考え方や情熱などがよく描けていて、作品の方向性としては結構真剣な作りであると感じる。ただそれゆえに、千秋の飛行機も船もダメで海外に行けないという理由付け(それが本当の気持ちかどうかはさておき)をギャグっぽく描いてしまった点には違和感を感じて、ちょっと首を傾げてしまった。

こういう女性向け作品を見て何となく感じるのは、女性側のキャラクターがあくまでも天然・自然体で描かれている事。「ハチミツとクローバー」「パラダイスキス」「ヤマトナデシコ七変化」「NANA」等々…。そういった女性キャラの普段の態度に対して、男の方が徐々に近寄っていくとか、そういうパターンが受けやすいのかな、と。どうも根本的な部分に「白馬の王子様とヒロイン」という構図が浮かび上がる。「拝啓、私の王子様」ってな感じで(笑)。
でも、逆の構図で男性向け作品を作ったならば「それなんてエロゲ?」と思えてしまう不思議。

ひだまりスケッチ

「ああ、この監督か」と一発で分かる独特なセンスを持つ新房監督の作品。
個人的には、さすがにもうこの変な演出の数々はお腹いっぱいです。実写を使った変な演出や不可解なギャグ、オタ向けのネタを散りばめた内容などは、演出としては小手先のギャグ要素としか思えない。それゆえに、作品の合間合間にたまに挿入する程度ならそれなりに笑えるところだけど、しつこいぐらいに繰り返したところで「所詮は小手先」程度の代物なので白けてしまう。
いつも一風変わった演出を試みる姿勢は面白いと思うけど、もう少し真っ当な作品作りに挑んで欲しいなぁ、と。

そういえばこの作品、OPの最後(ゆのの腕の動き)や本編の一部にFlashアニメと思しき動きが見られる点が気になる。悪くはないけど、個人的にはちょっと安っぽく見えてしまった。作品全体にもあまりキャラクターに動きが無いし、もしかしたら結構な低予算で作られている作品なんだろうか、と穿った見方をしてしまう。

Venus Versus Virus

1話の導入部が「xxxHOLiC」と似ているなぁ…、と。それはさておき、ざっと見た感じこれといった特徴が見られないため、掴み所が今ひとつよく分からない。悪く言ってしまえば、色んな物の寄せ集めみたいな感じ。
もうちょっと珍しい味付け要素か、あるいは見応えのある戦闘シーンなどを期待したいところなんだけど、何だかこのまま何事もなく終わりそうな雰囲気を感じる。

月面兎兵器ミーナ

電車男のスピンオフ作品。それだけに、多くの人が持っているであろう「オタなんてこんな物見て喜んでるんでしょ」といったイメージを意識して作られたような印象を受ける。まぁ、それは自分の先入観かもしれない。
この作品に関してはまぁ、アホな作品と割り切ってしまえば結構楽しめる作品だと思う。変身後の姿が明らかに変身前とそのまんまなのに、誰一人として正体に気付いていない辺りはお約束ですな(笑)。
変身バンクの3DCG辺りに妙な力の入れ具合を感じるのは、やはりフジテレビから相応に予算をもらっているのだろうか。

それにしても、GONZOはあんまり媚びない方向性の作品作り(少なくとも露骨な萌えアニメは作らない)をしているイメージがあっただけに、今回のこの作品はちょっとGONZOの方向性とは異なる印象を受ける。もう形振り構っていられないのか、フジテレビのオファーなので仕方なく作ったのか…。


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