ハイビジョン対応機器を買うのは少し待って

ITmedia ライフスタイル:HDMIで揺れるハイビジョンテレビの難題

HDMIという、映像と音声を一括で送れるデジタルインターフェース規格がある。もちろん、液晶TVやデジタルレコーダー等のAV機器を接続するために用いられる物で、現在使われているようなインターフェース(映像なら、コンポジット端子、S端子、コンポーネント端子/D端子(一応書いておくと、D端子はアナログインターフェースです)等、音声ならミニプラグ/ピンプラグ、S/PDIF等)に変わる、新しいデジタルAVインターフェースとして注目されている…はず。PS3の出力端子にもHDMIがついている。
で、次世代DVDはこのHDMIインターフェースでしか出力できなくなるかもしれないので、何とかしろというのがこの記事の話。
HDMIしか使えなくなる理由は、コンテンツ業者の著作権保護。HDMIにはHDCPという著作権保護技術があり、HDMIを流れるデジタルデータをコピーできないようになっている。また、米国ではHDMIの普及が早くから進んでいるので、消費者からの反発も少ないのがそれを後押ししている。

日本では既に「ハイビジョン対応」と謳った、コンポーネント端子/D端子対応機器が普及している。将来的にも使えると見込んで対応機器購入した人間にしてみると「ふざけるな」と言いたい心境だろうなぁ…。
ただ、個人的な予想としては、このHDMIの勢いは止めようがないと思う。
理由は、現在ハイビジョン(HDTV)出力対応と謳うコンポーネント/D端子が「アナログ」インターフェースであること。アナログインターフェースである以上、その信号のコピーを防ぐのは難しくなってくる。そうなると、コンテンツホルダーとしては好ましくない。コピー防止技術に回避策があると、そこを通じてコピーが作られてしまう。今ではP2P技術等もあり、あっという間にコピーが蔓延してしまう状況にあるため、それはコンテンツホルダー側にとって何としても防ぎたい事態。だから、HDMI以外のインターフェースを認めるという妥協は許さないのではないかと考えられる。
また、映像と音声の信号を一緒に流せるHDMIによってケーブルの取り回しが非常に簡単になることで、消費者にとってのメリットにも繋がるため、次世代DVDを抜きにしても消費者に受け入れられるのではないかとも考えられる。
あと、今現在ハイビジョン対応機器を持ってる人間の絶対数は恐らく少ないので、抵抗をそのまま黙殺してしまう可能性もある。
自分は別に強固な著作権保護技術を認めたいとは思わないけど、それでもケーブルの取り回しが容易になるというメリットは魅力に感じる。それに、今現在「ハイビジョン対応」機器なんて物を持っていないため、HDMIになることに抵抗が無い。そして、実際にそういう人間は少なからずいるのではないかと思う。

しかし、コンテンツ業者や店の側は、そういった事情をきちんと消費者に説明する義務があるのではないか。今知らん顔して売って、実は数年後には使えなくなる製品でした、じゃお話にならんよ。それに、誰もが「次世代DVD」を待ち望んでいるわけじゃない。見られないなら別に見なくてもいいや、と考える人もいる。コンテンツホルダ側にしてみれば、そういった人間を作り出す事は明らかにデメリットとなる。だから、消費者に対して説明を行う事は、決して不利益には繋がらないと思うのだけど…。

そんなわけで、今現在ハイビジョン対応機器の購入を検討している方は、とりあえずHDMIに対応した機器を購入する事をお勧めします。
しかし、今現在HDMI対応の機器は基本的に高価な上位機種に限られてしまうので、しばらくして普及価格帯の製品が対応するのを待つか、あるいはある程度の期間使う製品と割り切って安物を購入するのが賢いのではないかと。

参考

Asahi Satellite Page [映像端子の種類と解説]
D端子 – Wikipedia


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コメント

“ハイビジョン対応機器を買うのは少し待って” への3件のフィードバック

  1. 次世代DVDのHDアナログ出力まとめ

    東芝からいよいよHD-DVDが発売され、関連記事、レビュー記事もいろいろと出てき

  2. トラックバックさせていただきましたが、だぶって送信してしまったので、だぶったもの削除していただけますでしょうか。

  3. 海水瓜

    トラックバックは削除しておきました。

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