フランツを失って悲しみに暮れるアルベールとユージュニー。伯爵の計略によってダングラールの投資先の株が大暴落、ダングラール家は破産に追い込まれる。そこでダングラールは、ユージュニーに対しアンドレアとの婚姻を迫るのだった…という話。
今回はどうも今ひとつだったように感じた。
とりわけそう感じたのは、フランツが死んだ事に対して、アルベールが悲しみ、落ち込んでいる様子がちょっと軽いように思えた事。もっとこう、自分の代わりに死んでしまったことに対して、絶望的なまで罪悪感を持っているものと思っていたのだけど、思ってたよりも自分を責めているような感じがしなかったなぁ、と。夢の中で自分を責めている描写はあったけど、思ったほど強烈ではなかった。
それから、伯爵のフランツを殺した事に対するリアクションが全く見られなかった事。何かしら触れていても良いような気がするんだけど…。その結果、伯爵が復讐鬼ではなくて、ただの殺人鬼という印象になってしまったことで、違和感を感じてしまった。
それと、アルベールが門の守衛といざこざを起こしていたけど、貴族が一般の民衆を虐げているとかそういう描写がほとんど無いから、守衛が暴行する事に対して何の感慨を抱けず、アルベールに対して一方的な暴力を振るっているようにしか感じられない。描写があったとすれば、1話で上流階級の住むエリアとその他が住むエリアが分断されているシーンとか、モルセール家破滅の際、アルベールの家に押しかけてきた記者が貴族に対して毒を吐いていたシーン…ぐらいかな。
まぁ貴族は民衆から恨まれているという通念的な感覚で理解できるけど、できることなら貴族以外の描写があった方が良かったかなぁ、と。
まぁ今回は全部が今ひとつというわけではなく、ダングラールが破滅してから後の話はいつも通りの面白さがあったと思う。
ダングラールが破滅してから、ユージュニーを無理矢理カヴァルカンティ候と結婚させようとして、「俺にとっては、金さえ戻ってくればそれでいい」「今となっては、お前が一番愛おしい」という、何よりも金だけを愛す歪んだ本音を吐露するシーンはなかなか衝撃的だった。大体ダングラールの性格は分かっていたけど、ここまで露骨な人間だったとはねぇ。
その後、逃げるユージュニーに襲いかかるカヴァルカンティ候が見せる、下品な性格も凄かった。この場面は、カヴァルカンティ候の表情も良かったけど、声優の演技が素晴らしい。よくここまでどす黒い感じを表現できるもんだなぁ。
恐らく山場であった、フランツの死の後となる今回の話を見ても、今後の展開がさっぱり分からず、後5話ぐらいの話をどう締めるのか全然予想がつかないなぁ。とりあえず、来週の「さよならユージュニー」の意味が気になる。ただ単に、ユージュニーがカヴァルカンティ候の妻になるだけなら「さよなら」はちょっと大袈裟のように感じる。というか、カヴァルカンティ候が伯爵側の人間である以上、普通に結婚するはずがないので、もしかしたら…。
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