ヴァランティーヌを連れ出そうとするフランツ達の前に立ちはだかるエロイーズと、追い迫るヴィルフォール。しかし、直後エロイーズは突然苦しみ出し、フランツ達はその隙に逃げ出す。マクシミリアンはヴァランティーヌを匿って、ひっそりとしたアパートに住む。
モルセール家では、エドモン・ダンテスの名を巡って、フェルナンとメルセデスの不和。アルベールが、メルセデスの思いを知り、愕然とする。
フランツは、エロイーズの関係や、都合良く解毒剤を持っていたりといった点から、伯爵を疑うも、アルベールはあくまでも伯爵を信じると主張。伯爵に対し、伯爵のようになりたいと思いを打ち明ける。
ヴィルフォールはエロイーズを問いつめ、エロイーズは破滅。
アルベールはユージュニーのピアノのコンサートに誘われるも、その直後、カバルカンティとの関係に目が眩んだダングラールによって、ユージュニーとの婚約破談の申し出の手紙が届き、愕然とする。
いやもう、箇条書きにでもしないと1話に詰め込まれた話の情報量が多すぎて。しかし、その展開の一つ一つの展開はぞんざいになるどころか、かなり丁寧に描かれているため、非常に密度が高いストーリーが展開されていると感じる。
今回一番印象深かったのは、タイトル「婚約、破談」にあるように、最後の婚約解消の手紙のシーンかな。ダングラールの強欲な性格が、モルセール家よりもカバルカンティ家と結ばれる方が得と判断した、と。以前、カバルカンティがダングラールに財産の預け先(だっけ?)の相談をしていたことが伏線となっているのか。この時の、手紙を読んだアルベールが茫然自失の状態から、フェルナンの口から改めて事実を告げられてから一拍おいてハッとなる演出が、結構真に迫ってる感じで良かった。
で、ユージュニーからピアノのコンサートに誘われ喜んだのも束の間、そんな事態に陥れられたアルベール。以前はユージュニーを愛しているかどうか分からないなどと言っていたけど、結構ユージュニーを気に掛けている様子。次回ピアノのコンサートに乗り込む様子だけど、話中盤になって、ようやくアルベールの勇士が見られるか!?
…そういえばそれで思い出したけど、今回アルベールは初めて真っ当に他人の役に立ったような気がするな。ほら、あの、バイクで突っ込んで車を妨害したとき。まぁ助けたのは友人とはいえ誘拐犯、助けたのは偶然の産物という、全く自発的な行動ではないのが、いかにもアルベールらしい。まぁ今回も、フランツが論理的に伯爵の疑いを説いているにも関わらず、それに全く聞く耳持たず「伯爵の本当の姿を知っているのは、この俺だ」などと宣うなど、素晴らしいほどの道化っぷりを披露してくれているわけで(笑)。
エロイーズは今回で退場か。このヴィルフォールの問いつめるシーンが、物凄い重苦しい迫力に満ちていて、見ていてかなり興奮したなぁ。エロイーズが自殺を図ろうとしても、それに全く動じずに、エロイーズの行動を見つめているヴィルフォールがかなり格好良く感じた。
フェルナンとメルセデスの間の不和、アルベールとユージュニーの婚約破談、エロイーズの破滅などなど、物語の人間関係が段々壊れていく様と、今後の展開にも非常に興味を掻き立ててくれる。ふと何となく、この作品における絵柄とか演出は、この全体に流れる不穏な空気をよく引き立てているように思えた。
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