巌窟王 6話

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アルベールはユージェニーと一緒に、伯爵からオペラ座に招待される。そのチケットをユージュニーに届けに行く途中で伯爵と遭遇、伯爵をユージュニーの父親に紹介する。伯爵は銀行家であるユージュニーの父親、ダングラールと融資の取引を行い、それと一緒にユージュニーの母親、ビクトリアが所有する名馬エクリプスを買い取る。ビクトリアは当然激怒、しかし伯爵は非礼を詫びた上で、エクリプスと、謝礼として宝石の首飾りをビクトリアに送る。オペラ座では、過去の事故以来凍結されていた席を伯爵が永久リザーブ、豪華に着飾ったエデと共にそこに現れ、大勢の注目を集める。その中でエマは、向かいの場所にいたフェルナンの姿を見た瞬間、半狂乱に陥ってしまう…という話。まとめきれない。

馬を買い取ってビクトリアが激怒するのも、ダングラールが6000万で売った馬をビクトリアに2000万と偽ったことで両者の間に不和が生じるのも、そこで馬を返した上で謝礼まで渡す事でビクトリアを懐柔するのも、全て伯爵の計算の上なんだろうなぁ。そこで伯爵を疑い、何とかして伯爵の正体を突き止めようとするダングラールと、伯爵に心酔するビクトリアの間に亀裂を生じさせて、そこに付け入るための下地作りということか。そしてその小道具に使われるのは、ビクトリアに送った改造エクリプス(?)…なのか?
明らかに深慮遠謀に基づいた壮大な計画を実行しようとする気配を匂わせておきながら、実態が明確に分からないまま、その周到な下地作りを見せられると、もどかしいような、やきもきするような、わくわくするような、何かこう、小説を読み進めるような楽しさが感じられて面白い。
こうなってくると、ユージェニーが憂鬱になるのも、それを見たアルベールが不安になるのも、ヴァランティーヌとマクシミリアンが逢い引き(?)するのも、全て伯爵の手の平の上の出来事なんじゃなかろうか、という気がしてくる。いや、実際ヴァランティーヌのことで、フランツとの間に何かが起こるのであろうことを考えると、その通りなんだろうなぁ。
この各所でもつれる人間関係が、今後どのような展開をもたらしていくのか、非常に楽しみになってきた。かすかに記憶に残る原作通りなら、あまり愉快な事にはならないような気もするけど、もしかしたら原作にアレンジを加えてくるのかもしれないので、油断はできない。


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