うたわれるもの 第26話「うたわれるもの」

20061012_utaware.jpgどうせエロゲアニメだろ?とタカをくくっていたら、意外なことに結構面白い。

一番良かった点は、何よりも戦闘シーンの描写。
個別のキャラクター同士の剣戟の描写は、キレと躍動感のある動きで描かれていて、とても迫力があった。そういった個人同士の戦闘が比較的多数挿入されていたところを見ると、作る側もその技術力を自負し、作品の見せ場を作ろうとしていたのかもしれない。オボロvsベナウィとか、カルラvsベナウィとか、見ていて楽しかった。
また、集団戦における群集をCGを使ったりしながらも描こうとしていた点は注目したい。アニメーションにおいて物凄く面倒であろう集団戦の描写を、止め絵でごまかしたりせずに3DCGを使いつつ描いた事で、合戦の場面をよく演出できていたと感じる。この辺は、使えるだけの技術を投入して迫力あるシーンを描いてやろうという気概が窺えて、大変好感触。確かにCGの動きはぎこちないし、最新の3DCG技術なんかと比べればそりゃ技術的には劣るだろうけど、全話通しても数分も使わないような場面(しかもほとんど背景・モブ)のために、人物のモデリングをして、話に合わせた動きをつけて…なんて面倒な作業をよくやったもんだ。また、重要なシーンは普通の手描きで描かれていたため、思ったよりも違和感が無かった(手描きの場面でも多人数を描いていたりと、違和感を抑える努力はしている様子だけど)。
そういった戦闘の作り込みに作り手の気合いが窺えたため、この作品をとても楽しく見る事ができた。所詮エロゲアニメとバカにしてごめんなさい。

あと、話の内容もそれなりに面白かったと思うんだけど…ちょっと物足りない。
まず、後半のロボ戦と化け物は何だかなぁ、という気がする。せっかくここまで合戦を丁寧に描いてきたのに、最後の最後で巨大ロボ等を使った戦いに持っていってしまったのは、少々残念。
あと、ハクオロの仮面に秘密が隠されているという点は作品で指摘されてきたけど、その設定が本格的に活かされ始めたのが、ほとんど物語の終盤に入ってから、つまり伏線が伏せられたまま最後の方まで引っ張った点は、あまりいただけない。最終回の話に至るまでの経緯が、ハクオロの正体に迫っていくというよりは、仲間や戦争を描いていたらいつの間にか辿り着いた、という感じで、どうにも最終回としての達成感が薄く感じられてしまった。中盤にちょっと触れた場面はあったけど、結局何も分からず仕舞いだったわけだし。何かこう、ゲームの第何章といった単位のエピソードを順番に進めてる感じがした(まぁ、原作がゲームだからそう感じるだけかもしれないけど)。
とはいえ、物語のの流れにそれほど不自然さは感じなかったし、設定としても割と面白かった。またキャラクターもそれぞれ個性および互いの関係が良く描かれていたため、それゆえに最後のハクオロと仲間たちの別れのシーンは結構心に響くものがあった。

そんなわけで、個人的にこの作品は結構面白い作品だったと思います。

余談だけど、鉄扇で剣や槍と互角に渡り合うなんてどう考えても無理だよねぇ(笑)。鉄扇で大真面目に戦ってるハクオロを見てると、ちょっと笑いが込み上げてしまう。戦闘シーンの出来が良いものだから、余計に。
ああ、もう一つ余談。クーヤやユズハの結末はあんまりだと思いました。

追記

ういえば、このアニメの関連企画となるネットラジオ「うたわれるものラジオ」は、週に15万アクセスあるとか何とか。実際にラジオ配信サーバを停止させるぐらいのアクセスがあるのだから、相当なものなんだろうね。人気だけは耳にしていたので、何度か聞いてみたけど、確かに出演声優さんのトーク(およびその役作り)は楽しませ方が上手いな、と思った。
しかし、ネットラジオも馬鹿にできないもんだねぇ。正直言って、意外と聴取者がいることに驚いた。


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