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イース セルセタの樹海 感想


9月末に発売された日本ファルコムの「イース」シリーズ最新作。「イース セルセタの樹海」を10月頭ぐらいにクリアしたのでその感想。プレイ時間は35時間ぐらい。
ちなみに、本作の前身であるところの「イース4」はSFC版、PCE版共にプレイ済み…のはずだけど、ほとんど覚えてない。

ストーリー・設定

新生イース4と言うことで、イース6以降の設定との整合性がとられるように設定が色々変更されている様子。まー、長い歴史のあるシリーズなので整合性の無さは今さらどうでもいいというか。
内容は思ったよりも盛り上がり無く終わった印象。エンディングも何か寂しい。もうちょっとグルーダやエルディールに暴れさせた方が良かったような気もする。あと、リーザとエルディールの関係も今までに比べて淡泊だったような…?総じて、演出はイマイチだった感じ。全体的なストーリー自体は悪くないと思うけどね。
ストーリーは大きく前半の樹海探索と後半のエルディール追跡に分けられるけど、前半の樹海探索はとにかく広いのでなかなか大変。ネットを見ると、先にコモドではなくセルレイに辿り着いてしまうこともあるとか。この探索の自由さは、手探りで探索してる感じで個人的に結構良かったなぁ。

ところで、ギドナの大穴って結局何だったんだろう。意味ありげに大穴が空いてるのに、最後まで特に何もなかったような…。もしかして何か聞き逃してる?

キャラクター

アドルはいつもの赤い肌着に鎧という出で立ちではなく、もう少しラフな感じの格好にイメチェン。第一印象は、チャラいなぁ…と思ってたけど、樹海探索というコンセプトならこっちの方が自然な気がするし、今までの格好は冒険家よりも剣士という感じだったので、むしろ今ではかなり好意的に受け入れてる。イメージカラーの赤を基調としているので、違和感も少なかった。今回は、アドルが冒険家と名乗るようになった経緯を語るという設定のためか、アドルの過去が色々語られたのがちょっと新鮮だった。今回も今までのシリーズ同様アドルが喋らない(ユーザーに喋ってる様子が分からない)ため、過去の設定を後付けするのも簡単なのかも…と、ふと思った。今までのシリーズで描かれたアドルの設定の大枠から外れてなければ、割とどうにでもなるし。
カーナは今までのイース4と雰囲気と割と似てる気はする。結構良かったけど、人里離れた村でずっと住んでた割に、ずいぶん世間慣れしてる感じに違和感。デュレンはイース4でどういうキャラだったか忘れたから、ドギ互換キャラという印象しかない…。今回個人的に良かったはフリーダ。まだ若いのに妙にお姉さんぶる感じが何かこう…良い。
どこかで聞いた社長トークでは、当初パーティーメンバーにリーザが加わる予定だったけど、代わりにカンリリカが投入されたと聞く。その結果かもしれないけど、リーザは何か空気キャラになってしまった印象。今までのイース4に比べて、エルディール様エルディール様してないのでキャラが弱い上に、主人公の邪魔してた頭弱い子というイメージが付いてしまった。もうちょっとこう、メインヒロイン的な扱いでも良かったような。
闇の3人衆もかなり扱いが悪かったのが気になる。ガディスとバミーはあっさり死んでしまったので、これは第2ラウンド来るかと思って構えてたら、結局それっきりだったのは拍子抜け。もっとこう、バックグラウンドの語りとか死に際の台詞とか、何かあれば良かったのに…。グルーダとフリーダとの繋がりとか、イース6との繋がりとか、色々設定の繋がりが見えたのは面白かったんだけど。そういえば、グルーダの最後の対決については、Ys ORIGINとの繋がりを匂わせているけど、何か繋がりがあるんだろうなぁ。そういう妄想を膨らませる余地がある要素は割と好き。
あと、レファンス王はともかく五忠臣がバッサリ削られたのも残念。台詞上はチラッと出てくるけど。
エルディールは元々イース4でどういう存在だったか忘れてしまったけれど、今回は作中でかなり大きな存在として描かれており、また、シリーズの他の作品との繋がりも垣間見えたりして、ストーリー上のキーキャラクターとして結構面白かったと思う。

ちなみに、プレイ中はオズマを好んで使ってた。何となく、槍攻撃が格好良かったから。癖が強いけど、スキルは割と使える物が多かったと思う。一部で人気のカンリリカは、むしろあまり使わなかったなぁ。

グラフィック・音楽

PSPからPS Vitaになった事でグラフィックが向上しているので、表現力がずいぶん向上してる。解像度が向上しているので、絵が潰れなくなったり絵が粗くて画面中のオブジェクトが識別できなかったりといった事が無くなった点は嬉しい。同時に、処理速度の向上によって、遠距離が描画できるようになったり、巨大な敵や多数の敵を同時に出現させられるようになったりして、探索や戦闘の面白さにも一役買ってると思った。
ただ、カメラワークはあまり良くなかったせいで、その利点があまり活かされていないように感じた。特に、遠くの敵と戦いたいのにカメラがずっと迫ったままになる場面が多かった。せめてズームぐらいは右アナログスティックで操作できてほしかった(地図操作みたいな感じで)。

音楽に関しては、Ys4のアレンジと新曲の組み合わせで構成されている。Ys4の音楽全てが採用されているわけではないのが残念。アレンジも結構良かったけど、新曲はかなり出来が良かったと思う。特にお気に入りだったのは、ギドナの大穴の曲(「一陣の風」という曲名らしいが)。夏頃のjdk BANDライブで演奏していたと記憶しているけれど、早いところライブBlu-rayとか発売してくれないだろうか。

ゲームシステム

アクション部分は、イース7を進化させた感じ。基本はイース7だけど、フラッシュガード、フラッシュムーブの追加や、スキルによる動きが多彩になった事で、アクションゲームとして非常に面白く仕上がっていると感じた。また、移動速度の軽快さと攻撃の多彩さのおかげで、かなり快適なプレイ感で終始ストレスなく楽しめた。とにかく、ゲームのキモであるアクションとしての出来はかなり良く出来ていると思う。
ボス戦は、とりあえずいつものイースっぽかったけど、あまり記憶に残らなかったなぁ。ボスのデザインが似たり寄ったりの物が多かったような気がする。あと、Normalモードでプレイしてるとボスに辿り着くまでに大体規定レベルに達してしまって、大雑把な攻撃で割と何とかなるので、一見で倒せてしまった事が多かった。「フェルガナ」のボス戦は、難易度の絶妙なバランスもあって物凄く楽しかった記憶があるんだけど…。最初からHardでプレイすれば良かった。ああ、ボス戦かどうかは微妙だけど、あの塔を駆け上がりながら爆発物を回避する場面は面白かった。
個人的には、フィールドに雑魚に混じって登場する巨大モンスターが面白かった。巨大なので出会った瞬間に「あ、コイツヤバそう」的な雰囲気が露骨に漂ってるので、さっさと回避して進む事もできるし、ヒットアンドアウェイでチクチク攻撃すると何とか倒せるぐらいのバランス調整なので、自分の好きなように挑戦できるのが良い。それに加えて、「強力な魔物が徘徊する樹海」というイメージが刷り込まれる点も、ゲームの雰囲気を引き立てていると思う。「ゲームマスターに遊ばされてる感」が薄められて、「冒険してる感」が強くなってる、とでも言えば良いのか。

今回加わったマップ探索&懸賞金の要素は、アドルが「冒険家」であるという設定を活かす事が出来ていて、個人的にかなり良かった。それに、樹海のマップがとても広いので、「広大な樹海を探索してる」感が良く出ていた。今回は、今までのイースシリーズのなかで一番アドルが「冒険」してると思う。マップの転移もできるので、広くてもさほど気にはならなかった。

そういえば、転移について序盤はエリアで色分けされていたのに、後半はどこでも移動できるようになってしまったのが拍子抜け。シナリオの都合上前に戻られると困るから色分けされているのかと思ったけど、どうもそんな感じも無い。何か妙に中途半端。あと、転移方法が マップ表示→転移切り替えの2アクションなおかげで、目的地設定のフラグを誤爆しまくりでちょっとイライラさせられた点はマイナス。
それから、探索中の「パーソナルアクション」はキャラクター発生の手間がかかるだけで、ほとんど意味無かった。大抵の場合はパーティーメンバーが揃ってるし。例えば、ストーリー上メンバーの入れ替えがあってその時にしかパーソナルアクションが使えないとか、そういうストーリー進行と合わせた要素や、パズルみたいな要素があれば少しは意味があったのかもしれないけど…。
転移の色分けとパーソナルアクション、この2点の妙な中途半端さは、何かの要素を削った(入れられなかった)痕跡ではないかと個人的には想像してる。

一部、タッチパネルを使った石版合わせの場面があったけど、とりあえずタッチパネル使ってみました感溢れる感じでイマイチ。しかし、ラストのダンジョンのタッチパネルでマップを回転させて進行するパズルは良かった。あれならタッチパネルを使う意味が出てくるし、ゲームとしても面白い。こうしたパズル要素はもっと組み込んでほしいなぁ。

操作

今回はPS Vitaという事で、一番目立った変化ははタッチパネルへの対応。従来通り十字キーやアナログスティックでの操作もできるため、自分で好きな方を選択できる。選択の決定に使える他、プレイ画面のアイコンをタッチするとショートカットになる(地図をタッチすると地図が、魔法具をタッチすると魔法具選択画面が出る)ため、なかなか便利だった。これはVitaになって一番良かったと感じた点。
ただ、タッチパネルのUIに慣れていないためか、画面レイアウトに一部不満があった。例えば、メインメニューのボタンが左右に分断されている点や、選択メニューが左側にある場合(冒険日誌や記憶メニュー)と、右側にある場合(装備や武器屋メニュー)があり、操作に戸惑う場面が多々見受けられた。
これは恐らく、指でのタッチも想定してなるべくタッチ位置を両端に寄せた結果だと思うのだけど、カーソル位置を見失ってしまう上に、左右に散ったために目的の項目を探すための視点移動が大きくなってしまい、あまり快適とは思わなかった。基本的に、操作の流れはドキュメントのように左上から右下に段階的に追っていけるように統一されていると分かりやすいかな、と思う。具体的に言うと、画面を開いて最初のコマンドは左側、サブメニューやパーティーのステータスは右側みたいな感じで。
そんなわけで、タッチパネル対応については快適さが増したものの、タッチパネルを想定したGUI作りが少々分かり辛いという印象。それにしても、頻繁に切り替える魔法具のショートカットが画面中央下などという押しにくい位置に陣取ってる理由は最後までよく分からなかった。

背面タッチについては、最後まであんまり使わなかった…。パーティーへの指示に使うというけど、技能上げ以外の時は大抵攻撃指示にしてたので、あんまり使わなかった。というより、よく背面タッチ指示が誤爆するので、邪魔だったという印象。別に無くても良かったんじゃ…。Sonyから言われたからとりあえず機能付けました感満載。そもそもSonyは、背面タッチについてどういう利用を想定しているんだ。

まとめ

今回のプレイ時間は、寄り道とか色々して38時間ほど。今までのイースに比べれば格段に長かった。加えて、今回はアクション性の向上や探索要素などの要素が追加されているため、かなり密度が高く非常に楽しめた。
今回はVita参入一段目の作品のためか、最近のファルコム作品のなかでは妙にチャレンジ精神溢れる意欲作だったように思う。多少バグが散見されたり、あまり意味の無い要素があったりといった粗は感じたけど、それを補って余りある程の面白さを感じた。
そんなこんなで、今回のイースは割と多くの人にお勧めできる作品だと思いました。

本作はイースの名に恥じない出来だと思うのだけど、何せVitaの普及率が…なのが残念。ファルコムの今後の展開がどうなるのか分からないけど、個人的にはあまりPSPには戻って欲しくないなぁ。PSPはグラフィックが残念すぎるので…。PCに戻ってくるのが一番良いんだけど、現状それは難しそうなので諦める。

余談

ふと思ったけど、イースが

  • アドル一人がパーティー制に。
  • アイテム10個で上位アイテムと物々交換。
  • ジャンプしなくなった。

という変化をしているのに対して、ZWEIから那由多の軌跡の変化が

  • パーティー制が那由多一人に。
  • アイテム交換無し。
  • ジャンプするようになった。

という感じで、一部の要素が逆方向の変化をしてるような気がするのだけど、一体ファルコムは何がしたいんだ…。


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