Entry

パナソニックと東芝、私的録画補償金を拒否

パナソニックと東芝、地デジ専用レコーダー新モデルでは私的録画補償金を支払わない方針に – スラッシュドット・ジャパン
東芝、2月発売のDVDレコーダーに私的録画補償金上乗せせず
東芝とパナソニックがDVDレコーダーの補償金を支払わない構え、権利者団体と対決へ – GIGAZINE

東芝とパナソニックが新しく発売したデジタル専用DVDレコーダーの出荷価格に、私的録画補償金分を上乗せしていないとのこと。
そもそも私的録画補償金とは何なのかという点について、Wikipedeaを引用。ちょっと長い。

一般に著作物を複製することは著作権者の許可なく行うことはできないが、個人的に使用することを目的とした複製については、その規模が零細であって権利者の利益を不当に害するとはいえないし、また仮に規制したとしても現実に摘発するのは困難であることから、自由にかつ無償で行い得るとされている(著作権法30条1項、私的複製。以下特に断らない限り条文は日本の著作権法のもの。)。

しかし近年の技術の発達により、デジタル方式で録音や録画を行うことによりオリジナルと全く同質のコピーが容易に作成できる高性能な機器が登場し、それらが一般家庭に広く普及したことによって、そのような利用方法で音楽・映画等を楽しむ利用者が増えている。 これに伴い、個々の利用については零細であっても、全体として見れば無視できないほどの規模で録音・録画がなされるようになった。

そのため、これらの大規模な利用を自由に許していたのでは、権利者が本来得られるはずの利益が得られず、利益が不当に害されることになるのではないかという点が問題となった。 特に日本では、レコードがアナログからCDに移行して以来、レンタルしてきたCDをデジタル方式で私的録音する利用者が増えたことによって、CDの売り上げが減少し、利益が得られないといった事態が生じたのである。

この問題を解消するためにドイツやアメリカでは権利者に対する補償制度を既に導入しており(注:両国に限らず欧米先進諸国に日本のようなレンタルレコード店はない。ただし、CDの価格は日本の半額以下と安価である。)、日本でも同様の措置を講ずるべきではないかとの検討がなされ、その結果、1992年(平成4年)の著作権法一部改正によって私的録音録画補償金制度が導入された。

これにより、利用者による私的な録音・録画を自由に許しつつも、その複製が一定の機器・メディアによって行われる場合に限って権利者に報酬請求権を与えて補償金を得させ、両者の利益の調和を図ることとなった。

要するに、デジタルコピーによって無劣化コピーが行えるようになったことで、その分の利益が失われていると考えられるため、それを補償するための金額を支払うという主旨の制度…というまとめ方でいいかな。
逆に言えば、コピーが行えないのであれば、それを補償する義務はなくなる。

この場合、デジタル放送をコピーワンスによってコピー制限を課していれば、録画機器が補償金を支払う必要はない、ということになる。ところが現状、アナログ放送に対してコピー制限は課せられていないため、暫定的にアナログ放送分については補償金を支払っている。
しかし、そもそも無料で放送されている番組に対して補償金を支払うのか是か非か、その辺りがハッキリとしていない。さらに言えば、メーカー側が補償金の支払いをする義務があるのかどうか、(手段はともかく)消費者が直接権利者に支払うべきものではないのか、という議論も辺りも曖昧なまま。さらに、権利者側はダビング10でコピーを認めている以上は支払う必要があるとも主張する。

そういった状況が曖昧なままに、録画機器を作るメーカー側はコピー制限を行うコスト+補償金のコストという二重のコストを強いられているわけだ。そこで今回立ち上がったのがPanasonicと東芝、という構図。

このの背景だけ見ると、今までメーカー側は権利者側の無茶な要求によく応えてきたな、と思う。コピーワンスとか、ダビング10とか、B-CASシステムとか、補償金とか。というか、権利者側はどんだけぼったくれば気が済むんだろう。そして、権利者側はそれが当然の物として考えているようで。
以下の記事の引用部は、その辺りを強く認識させる。

JEITA、Blu-rayへの補償金課金に反対表明:ITpro

ここ数年の補償金見直しの議論では、権利者側から「HD DVDはDVDの定義文に当てはまるため、議論するまでもなく補償金の対象である」との意見も出ていたことも背景にあるとみられる。

「一部メーカーが、アナログチューナー非搭載のDVDレコーダーについて、補償金の対象にならないという考えを持っているとの話を聞く。万一それが事実ならば、明確な法令違反として法的措置も辞さない」

…そういえば昔見た記事で、補償金に反対しているメーカーがあるという話があったような。

「ダビング10を人質にしてはいない」。権利者団体会見

「“とあるメーカー”が極めて原理的に拒否反応を示し、議論の経緯も学習しないまま、さまざまな策を弄してJEITA内部で多数派工作を行なった結果、と聞いている。また、経済産業省というプレーヤーが新たに参入してきたことで、2年の歳月をかけてたどりついた“文化庁提案”に対する理解が十分でないことからくる、頓珍漢な対応が多々生まれ、混乱にいっそう拍車がかかっている」

この反発した「メーカー」はPanasonicじゃないか、という噂が流れてた気がするけど、今回のニュースを見るとやっぱりPanasonicで合ってるみたいね。

さて、この対決の行方はどうなるのか…。
まぁ東芝に関しては、HD DVDの負けによってレコーダ事業がかなり衰退しているため、負けたとしても失うものは小さいのだろうな、という気がするけど(笑)。


Comments (0 件)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。